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2019年01月27日(日) 放送分

菊野昌宏独立時計師
Vol.1037

1本1800万円の時計を作る職人。日本人初の「独立時計師」の仕事現場とは

「独立時計師」という職業をご存知だろうか?
メーカーによる分業での生産が大半を占める時計業界において、部品のねじからデザイン、組み立てに至るまでのほぼすべてを個人でやってのける時計職人のことで、独立時計師アカデミーに認められた現役職人は世界でわずか31人のみ。ここで日本人として初めて認められたのが菊野昌宏だ。
20代で本場スイスの独立時計師の目に止まり、30歳の時に最年少の職人として独立時計師の世界に迎え入れられた菊野。枯山水や真鍮の折り鶴など日本的なデザインと心躍る精巧なメカニズムを組み上げる時計は、安いものでも1本500万円、高いものだと1800万円という値が付く。作るのは年間2本のみ。小さなネジ1つにしても指先の感覚を頼りに0.001ミリ単位で削って作るために膨大な時間がかかるのだ。そんな超高級腕時計にも関わらず、国内外からオーダーが舞い込む。
番組では、約8ヶ月にわたる菊野の時計作りに密着。自然の移ろいを微細に表現し、海外の好事家をもうならせる超一流の職人技を追った。
大量生産が主流の時代に、なぜここまで手作りにこだわり続けるのか?知られざる独立時計師のものづくりの世界をみつめる。

*時計の構造説明について放送に一部間違いがありました。見逃し配信にて修正しています。

PROFILE

1983年北海道生まれ。幼い頃から手先が器用で工作が得意。高校卒業後に自衛隊に入隊し機械整備の職務を担うが、メンテナンスではなく一からものづくりをしたいという思いを抱えていた時、偶然「独立時計師」の存在を知りその道を志す。ヒコ・みづのジュエリーカレッジで時計の基礎を学んだ後、独学で機械式時計を作り始めると、和の要素も取り込んだ独創的なアイデアと精緻な時計作りが認められ、30歳で時計の本場・スイスにある独立時計師アカデミーに日本人初の正会員として迎え入れられた。工房を構えるのは千葉県の自宅。制作に没頭すると、食事どころか飲み物を飲むことすら忘れてしまう「永遠の少年」のような35歳。

STAFF
演出:二村真弘
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:野崎克幸
音効:増子彰
編集:熱海史郎
制作協力:アミューズ
プロデューサー:中村卓也・高島華子

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