社会問題化する孤独死とともに近年、クローズアップされてきた遺品整理会社。このドラマはそんな遺品整理の専門会社「青い鳥社」で働く谷崎藍子を主人公に、ただ遺品を片付けるだけではなく、遺品の整理をしながら、故人の人柄、生活、価値観を判断し、遺族との切れかかった絆を結びなおしていく好評のヒューマンサスペンスの第5弾。
1ヵ月前にアパートで孤独死した男性は、病死と診断され、身元不明のまま火葬された。男の部屋を整理することになった藍子(高畑淳子)は、押し入れからカバンに入れられた古びた赤いランドセルを見つける。中には「昭和の未解決事件」という本と母娘の写真が挟まれていた。ランドセルに書かれた住所と名前を手がかりに大学病院に勤める薬剤師の矢野和美(石田ひかり)を訪ねる藍子。老いた母(岩本多代)と暮らす和美は、ランドセルの持ち主であることは認めるが、父親とは30年前に別れたきりだという。藍子は遺品の本から、36年前、赤いランドセルの少女が5千万円を持ち去った未解決事件とのつながりに気づく。しばらくして和美が赤いランドセルの少女は自分で、死んだ父親が事件の犯人だったと名乗り出た。今さら何故? 何が目的なのか? 藍子は遺品の丹後ちりめんのネクタイを手がかりに、母娘の故郷である京丹後へ。赤いランドセルをきっかけに、未解決事件の陰で引き裂かれた家族の哀しみが浮かび上がる…。