ドラマ30『家族善哉』(40回) 放送終了


石井紘太郎役 嶋大輔さんインタビュー







16歳の咲子と子供を作って結婚、熱血トラック野郎の石井紘太郎を演じる嶋大輔さん。単純でわかりやす〜い男を演じる苦労とは?嶋さんにお伺いしました。

―奥さんが高校生になってしまうという「家族善哉」ですが、最初にお話を聞かれて、紘太郎という役柄をどう思われましたか?
僕自身は、久々のハートフルコメディーなんです。紘太郎は16歳の高校生を妊娠させてしまうんですが、ちゃんと結婚して、仕事も変えて一家を養っていっているというのは、それなりに責任感のある男だと思いますね。一言で言うと、「愛されるバカ」ですね。イノシシの様な性格で、純粋なお父さんなんで、ついていく家族はたいへんだろうなあって。ただ、その女房が17歳の子供を持った今になって高校に通うのはどうかな〜?と思いましたけど。現実的ではないと思いますが、咲子を高校に行かせた紘太郎は「素晴らしいな」とも思います。

―台本を読まれた時の印象はいかがでした?
家族がこんなに言いたいことを包み隠さず言って大丈夫かな〜と。「ここまで言っちゃいけないんじゃないか?」と思う部分もけっこうありましたね。僕が出るシーンは、すごくリビングが多いんですよ。こんなにリビングのシーンが多いドラマも珍しいんじゃないでしょうか?家族が何かとリビングにいるんですよ。僕なんかも仕事柄、実際の生活だと、どうしても(家族と)すれ違いが多いじゃないですか。演じているうちに「やっぱり家族ってこうじゃないといけないんだな、言葉で言うことも大切なんだな」と教えてもらったような気がしましたね。

―紘太郎は嶋さんご自身と比べてどうでしょう?
(紘太郎は)とにかくウラオモテがないですね。思ったことをすぐに言うし。そんなところは僕に似てると思いますけど、僕はこれでも、まわりに気を使うタイプなんで、そこは大きく違いますねえ(笑)。

―そんな紘太郎を演じられていて、気を使われたところはありますか?
紘太郎は「こうと思ったらこうなんだあああ」っていうタイプ。気をつけないとただのワガママになってしまうと思うんです。一歩間違うと単細胞なだけの男に見えてしまう。「家族以上に大切な人はいないんだあああ」とい思い込んでいたり、少しでも否定されると咲子のことでも罵倒してしまったり…。役柄上、怒鳴るシーンも多いんですが、一日中同じセットで収録していると、どれも同じような怒り方になっていないかな〜と悩みましたね。怒っているんだけど、悩みながら怒っていたり、あくまでもベースに愛情を持って怒っているんだというのを意識しました。このドラマでは、子供も親に向かって言いたいことを言ってくるし、親と子のニュアンスをあまり出さないように心がけたつもりです。親子というより、友達の延長みたいな関係ですね。「親は絶対だ!」という立ち位置にだけはしたくなかったですね。

―咲子役の竹内さんとは初競演ですね。
すごく演りやすかったですよ〜。楽しかったですしね。

―そういえばリビングの食事のシーンはみんな楽しそうですよね。石井家の収録中に「コレうまっ!」っていう声がよく上がってました。
石井家のシーンの食事は(持ち帰りたくて)「100均でパック買って来いよ〜」って言うほど、旨かったです。

―嶋さん演じる紘太郎のこれからの見どころを教えてください。
実はこの先、紘太郎が家族に隠れて内職をするシーンがあるんです。親が内職ですよ。しかも家族にひたすら隠して。アホですね。内職ではいろんなことをやるんですが、それは見てのお楽しみです。人間、こういう風にやらなきゃいけない時もあるんだなあって、演りながらしみじみ思いましたね。

―このドラマは咲子が高校生をやり直すことから始まりますが、嶋さんは何かやり直したいことがありますか?
僕自身は、過去はあまり振り返らない、過去があるからこそ今の自分があるんじゃないかっていう考え方なんです。でももう一度やり直したいって言ったら、この「家族善哉」をもう一度、最初からやりたいかな。楽しいドラマですからね。高視聴率取って、パート2もやりましょうよ!!

デビュー25周年を迎えるという嶋さん。今後の目標をお伺いすると、「僕の年明けは2月なんですよ。毎年2月の始めに1年の目標を考えているんです。今年どうしようかな〜って」。なるほど!ってことは節分?それとも旧暦のお正月?ちなみに2007年の旧正月は2月18日。この『家族善哉』の放送が終わってから、嶋さんの新しい年が始まりそうです。