ドラマ30 ドラマ30『銭湯の娘!?』公式サイト 2006年1月30日(月)スタート / 放送終了



昼ドラの撮影スケジュールを“ツライ”と言いつつも、現場では若い出演陣の体調を気遣ったり、常にみんなのお父さん的存在として慕われている伊武雅刀さん。飄々としていて面白い、そしてアツイ父親・真中六郎は伊武さんの分身? 二人の共通点を探りつつ、『銭湯の娘!?』というドラマの魅力をお話いただきました。

昼ドラは初めてですね。撮影は大変ですか?
物理的にね。1週間の放送分で2時間半でしょ?最初は大変でした。今でもだけど。いつもは10時ごろ寝てるから、夜中になるとアタマが朦朧としてくるんですよ。だから休みの日は極力うちでおとなしくしているようにしています。友達と呑みに行ったりとかもあまりしていないですね。入ってから1ヶ月くらい、お酒もほとんど飲まないでやってました。

今回、いろんな役者さんと共演されていますがご感想は?
お笑いの方との共演はそんなにないですね。普段はお会いしない方と一緒なので、見てて面白いです。そのシーンだけ客観的になっちゃったりしてね。
こういう軽いタッチのホームコメディって相手とのキャッチボールだから、相手の役のセリフをちゃんと覚えてなきゃならないんです。1回ちゃんと覚えて、またそれをさらに忘れて次に行くという2段階必要なんですね。大変ですけど、最近忘れる余裕がやっと出てきたかな。みんなそれぞれの役の人たちも、真剣に楽しくやってるんで。疲れていながらもみんな前向きです。

矢口真里さんの印象は?
なんか、娘と一緒にいるような気分になって楽しいです。彼女はテンションをキープするのが非常にすばらしいと思います。普通なかなかできないですよ、夜中近くなってくると。でも彼女は若いのもあるんでしょうけれども、元気に、すごい大きな目玉で丁丁発止と食って掛かってきますから、やっててすごく楽しいですよ。

六郎さんはどんな人ですか?
理想ですね。自分の気持ちに素直で、自分の思ったことを行動で表せる人。
でも家に居たらうるさいだろうね、っていうかうっとおしいだろうな~、とは思うね。なんか自分のペースでぐいぐいぐいぐい持ってっちゃうタイプ。でも彼は、「俺が好きなことをやりたいためにお前ら犠牲になれ」っていうんじゃないですから。
子供に対しても普通は遠慮があったりするけれども、六郎は駄目なら駄目って叱るし。それぞれ、息子たちにもちゃんと自由に真っ直ぐ生きろ、とか我慢して嘘ついて生きていくなって接する。
(このドラマの)大きなテーマで言うと“家族って何だろう?”という中で、擬似家族がいるわけですが、(真中家は)本当の家族より家族らしく見える。それは、六郎の人柄もあるだろうし、集まっている人たちが本音で生きているというのもあるだろうしね。そういうところは自分と比べると羨ましいですよね。

六郎さんは音楽――レゲエが好きですが、伊武さんは?
若いころは洋楽を、ロックンロールとかニューウェイヴとかずっと聞いてましたけど、今はどちらかというと、BGMとして聞けるような環境音楽とか民族音楽とかが好きですね。聴こうと思って聴く音楽じゃなくて、ぼーっとしているときに邪魔にならない音楽。すごく気持ちいい。フォルクローレとか中国の胡弓とか、土の匂いがしたり風の音がしたりする音楽が気持ちいいですね。
六郎もなんでジャマイカやレゲエが好きなのかはわからないけど、文明社会的じゃないものに惹かれるというところは似ているかもしれませんね。ジャマイカ・レゲエ、ちょっと民族的ですよね。

銭湯がお好きだとうかがいましたが、その良さはどんなところですか?
銭湯で会えば裸で、身分が全然関係ない。普段どんな服装してる人間も、裸んなっちゃえばかっこつけようがないというか…。“裸のつきあい”っていいじゃないですか。本音でいないとヘンですもんね。
今は他人とのコミュニケーションが下手になってきているから、理由はわからないけれども、一人や家族単位で固まっちゃったりして、なるべく人と触れ合わないで済まそうというところがある。温泉なんかでも、家族風呂や個室露天風呂つきみたいなのが流行っていてね。でも、温泉の楽しみっていうのは、知らない人がワーッと入って「どこから来たんですか?」みたいなのだと思うんですよね。そういう意味で、今回のこの銭湯というテーマはね、裸でみんなが入るわけですよ、お風呂に。身分とか、何にも無いわけです。どんな洋服着てるとか、どんなおしゃれな物を持ってるとか、そういうんじゃなしに、みんな一列になって裸で入ってるっていうその空間がすごく素敵だと思いますね。

六郎とユメの親子関係はどうですか?
いいですよ。普通、あそこまで体当たりに父親と娘がぶつかりあって会話するっていうのは無いと思うんだよねぇ、今の世の中って。そういう意味では、見ている人も羨ましいんじゃないかな?本気で「うるさいっ!」とか「なんだっ!」とか言い合えるのはね。それはお互い憎んでいるわけじゃなくて、自分が間違っていないと思ったことをぶつけあうってことだからね。そういうの、普通は我慢しちゃうんですよ。そのほうが楽だから。でも本当はそうじゃないほうが、本当のこと言い合ったほうが楽なのかもしれないですけどね。今の時代って男が威張る時代でも無くてさ、だから父と娘ってどこかこう…客観的にそれぞれの立場を認めて穏便に済まそう、と遠慮しあったりすることがある。なるべく本音を言わずお互いを尊重しあうみたいな。見せ掛けの尊重しあいみたいなね。でも、この二人はぶつかりあうんですよね。父であろう男と娘であろう彼女と、ぶつかりあう。そこがすごくいいと思うんです。

このドラマでいろんな人がそう感じてくれるといいですね。
そうね。自分に娘がいる人とかね。娘側からすれば、こういうお父さんがいれば、とかね。
オッチャンみたいなおじさんとか、(ほかの役柄でも)こういう人がいたらみたいなところもね。

それでは最後に、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします!
ぜひ見てほしいですね。面白いです。まぁ、何も考えずに見ていると、笑ったり、身につまされたり、自分の家族のことに気がついたり、するんじゃないかと思います。
最近の昼のドラマでは人間関係のドロドロしたのが多い中で、こういう、なんていうのかな、カイロみたいな湯たんぽみたいな、あったかい感じのが、見てて気持ちいいんじゃないのかな?と思いますね。 寒い冬ですから、このドラマを見て心をあったかくしていただければ嬉しいです。

「真中六郎はマイ・フェイバリット役柄だね」という伊武さん。
実は撮影に使われている六郎さんの衣装には、伊武さんの私物も混じっているんですよ!!
どおりで似合うと思いました。
六郎の“父親らしさ”には観ていてキューンとなりますが…でもやっぱり、魅力満開の爆笑シーンもオススメ!ほんと、目がくぎづけです!


六郎を中心に営まれる、賑やかな楽の湯の暮らし。
心と心の“裸のつきあい”、感じてくださいね。


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