川津祐介さんインタビュー
「老師のお話が心にしみました」と視聴者から評判の徳の高い森本宗達老師を演じる川津祐介さん。
「本当に剃髪していらっしゃるんですか?」という質問もありましたが、ほんとです。
お仕事をこの作品にしぼって「四六時中老師のことを考えていられた」と、実生活も老師のように過ごされていた川津さんにお伺いしました。

―この森本宗達役をどう思われましたか?
「最初、私の境地では引き受けてはいけない役だと思いました。でも作家の宮内先生やプロデューサーの方に是非にといわれ、ありがたいと思って、託身するつもりで引き受けました。パート1のクランクイン前から剃っていたので、もうこの頭も足かけ2年になります(笑)」

―じゃあ、お手入れもご自身で?
「そうです。毎日シェーバーでこう髭からぐるっと頭まで剃るんですよ」

―老師役を引き受けるに当たって心がけられたことは?
「テレビというのは日常生活のふとした部分が見えてしまうので、せめて日常生活を老師に近づけようと、パート1の時に3〜4か月のことと思って、一汁一菜の生活を始めたら、もう1年半も続いてしまいました。これが調子よくてねえ。コレステロール値が高かったんですが、心配しないでよくなった。それに野菜やお米のおいしさがわかるようになりましたよ。老師役を演じるには、常に感謝と喜びに満ちていないとダメだと思うんですね。いつも穏やかに≠心がけています。子供たちと一緒だと不思議と自然に微笑が出てくるので、それを自然に出せるようになりたいですね」

―今回、お経を読むシーンはありませんでしたが、練習はなさっていたとか。
「いつそんなシーンがあってもいいように般若心経の練習はしていました。気持ちがいいんですよ。お経を読むと。お経には意味があるんですね。崖から落ちても観音様を念じていれば大丈夫だ、毒を吐く竜が来ても心に観音様が見えていれば…という風に。お経に書かれている風景が聞いている方の目に浮かぶように読めればいいですねえ」

―老師のお話は「とても心に残る」と視聴者の方からも評判ですが、セリフも長く、シーンとしては大変なのではありませんか?
「それが、そうでもないんですよ。スタジオの中で安心しているというか。これまでアガリ症で緊張しっぱなしの性格だったのに、この作品では安心しっぱなし。セリフをトチってもアガらないし、アセらないんですよ。不思議な体験です」