「ピュア・ラブ」もいよいよ最終週。木里子は白血病に勝てるのか?
そして陽春との恋は?忍と裕太にもひとつの転機が訪れます。
盛りだくさんの内容の最終週。あえて、チェックは木里子のおばあちゃん、菊乃さんで。いつも木里子のことを心配しているおばあちゃん。
最初、陽春を「お坊さんが病院に来るなんて」と言っていましたが、最終週ともなると、「お坊さんでもいいじゃない」と変身。柔軟なおばあちゃんです。周作と戸ノ山さんの間にも反対してないようだし。こんなおばあちゃんいたらいいですね。




特別企画 ドラマを120%楽しむあらすじ
「ピュア・ラブ」をもっと楽しく見ていただくために、ドラマ作りの裏側もチョッピリ教えちゃいます。
第40回(3月25日 月曜)
白血球のコントロールが悪くなり、疲れやすくなってきた木里子(小田茜)。周作(篠田三郎)は骨髄バンクに申し込むことを勧めるが、木里子は移植が恐くて決心がつかない。
そんな時、陽春(猪野学)が麻生家を訪ねてきた。木里子のためにHLA検査を受けるという。「一緒に病気に向き合えば恐くない」という陽春に、木里子は陽春の検査結果を待ってからバンクに登録することに。

第41回(3月26日 火曜)
裕太(窪田翔太)の母親が商売に失敗、裕太を連れて八戸へ行くと言う。裕太さえよければ一緒に暮らそうという忍(尾崎麿基)に、裕太は初めて日供米のお金を取ったことを謝る。
一方、万にひとつも合致しないと言われていた陽春のHLAが遺伝子レベルの検査でも木里子とほぼ一致した。白井(石倉三郎)は我が事のように喜び、周作に伝える。「もう恐くない」。木里子は学校に休職願いを出し、移植に賭ける。

第42回(3月27日 水曜)
木里子は骨髄移植の1ヶ月前に入院し、さまざまな検査を受けることになった。
採血の折りに見舞いに来た陽春に「治ったらイルカを見に連れて行ってください」という木里子。陽春はそれを約束する。
移植が近づき、最後に陽春が見舞いにやってきた。差し出された木里子の手を初めて握る陽春。その様子をみた菊乃(高田敏江)は二人の結婚を考え始める。

第43回(3月28日 木曜)
いよいよ骨髄移植の日がやってきた。宗達老師(川津祐介)に2日の暇をもらい、陽春は骨髄採取のために入院する。陽春の身体から抜かれた骨髄が木里子に点滴され、骨髄移植は無事終わった。しかし4日目から、木里子は40度を越す高熱に苦しめられる。
一方、陽春は木里子の身を案じながら修行の日々に戻っていた。ある日、宗達から木里子と結婚する気があるのか聞かれた陽春は…。

最終回(3月29日 金曜)
木里子はゆっくり回復に向かった。移植から3ヶ月。見舞いに来た典美(今村雅美)と話す表情も明るい。が、陽春からは見舞いの手紙が来ただけだった。
周作も白井も周囲は皆が、木里子と陽春の結婚を考えてはじめるが、そのころ、臨済録の書写を終えた陽春は、ある重大な決意をしていた。
そしてついに木里子が退院する。はやる気持ちを押えられず、龍雲寺を訪ねた木里子に宗達(川津祐介)は…。

特別企画 ドラマを120%楽しむ特別企画。【監督自らの解説】
〜監督からドラマが大好きなあなたへ〜 「ピュア・ラブ」をもっと楽しく見ていただくために、ドラマ作りの裏側をチョッピリ公開。
第40話
「ピュア・ラブ」に対する感想を葉書で下さる方もたくさんいらっしゃって、その中に『忍の演技がとても素晴らしいと思います。あまり見ない俳優さんですが、茶川一郎さんの息子さんですか?』という葉書があり、スタッフ一同大笑いしました。(尾崎氏にその葉書の事は知らせてないので、彼がそう聞かされてどんな顔をするのかは分かりませんが、想像するだけでもう一度笑えます)今回は、その忍と裕太と初登場の裕太の母親である青柳ちづる(忍の妹)の3人の大芝居があり、ちづるに裕太を渡したくない忍は、無理やり裕太が母の所へ行くのを止める訳にもいかず、忍らしいセリフで裕太を母の許へ行かせまいとしますが、そのセリフがドラマの醍醐味ともいうべき名セリフなのでお見逃し、お聞き逃しのありませんように…

第41話
 女性の脚本家でないと書けないセリフというものがあります。例えばこの回のシーンNo.3「かたつむり・居間」での忍のセリフなど、その典型だと思います。このシーンの設定は2001年4月30(月)で、裕太が母親の所に行く用意のためバッグに自分の衣類を詰めていると、忍が二階からTシャツ3枚とジーンズを持って降りてきて「○○、○○○○ったから、暑くなったらと思ってこれを買っといたのよ」と言って裕太の前に置きます。裕太は「ありがとう」と言って溢れる涙を手の甲で拭く、とお芝居は続くのですが、この「○○○○」の部分がミソで、正解は「この頃、夏が早くくるようになったから」なのですが、何気ないこんなセリフが一言あることで忍のやさしさや繊細さがよく表現され、このシーンのせつなさが増すわけで、作家の仕掛けているこういうさりげないけれども効果的なセリフもドラマの見所の一つだと思いますよ。

第42話
 第41話の時にも触れましたが、ドラマの場合、脚本が出来た段階で、そのドラマが西暦何年何月何日に始まるか決めて、回を追うごとにシーンシーンでその日の日付を計算していって映像化するものなのです。勿論主要な登場人物の年齢なども決めています。そこで今回の陽春の雲水衣の衣更えについてお話しましょう。雲水も衣更えをして夏衣と冬衣を使い分けます。一年のうち衣更えの日は5月5日(冬→夏へ)、10月5日(夏→冬へ)の2日で、陽春の登場シーンのうち第41話のシーンNo.13は2001年5月2日で、この時は冬衣、そしてこの第42話では陽春はシーンNo.5に初めて出てきますが、このシーンの設定が2001年6月1日というわけで、この時の陽春は夏衣に衣更えしている訳ですが、夏衣は麻製、冬衣は木綿製という生地の違いだけでデザイン的には変わらないので気がつく方はほとんどいないかもしれませんね。

第43話
今回は何といってもシーンNo.15・無菌室のシーンで木里子と陽春が文字通り「赤い糸」で結ばれるところが見所です。1分余りのシーンですが、このドラマの内容の凝集されたシーンの一つなので是非TVの前でゆっくりご覧ください。
それからこの回に久しぶりに説明つき仏教用語が出てくるので改めて書いておきます。
*環俗(げんぞく)――僧籍を離れて俗人に還ること。(僧になることをやめて一般人になること)

第44話
最終回ともなると無の状態で結末を見ていただきたいので何も言うことはありません。ただもう一つ仏教用語が出てくることだけ触れておきます。
*大悟(たいご)――大きな悟り