陽春が修行するきっかけを作った老師・森本宗達を演じる川津祐介さん。
猪野さんとともに今回の役のためにすっかり剃髪されました。
これまでにもお坊さん役は何度かあったものの「実際に剃ったのは初めて」。
その心境を「どんなことも一期一会の気持ちで取り組ませてもらいたいと思っていた矢先の役。それに剃っていたら他の役が来ないから集中できるでしょう」。今週は老師が陽春に大きな示唆を与えます。そして最終週も。
重みのある言葉が聞き逃せません。


特別企画 ドラマを120%楽しむあらすじ
「ピュア・ラブ」をもっと楽しく見ていただくために、ドラマ作りの裏側もチョッピリ教えちゃいます。
第30回(3月11日 月曜)
久々に学校へ戻った木里子(小田茜)に子供たちは「手のひらを太陽に」を合唱。また「かたつむり」では退院を祝う会が行われた。
入院中にルナ(樋井明日香)が書いたという作文「陽春さんのお話」を読んだ木里子は、ルナの中にあるすばらしい素質に気付く。
検査で病院に行った木里子は翔(真栄田和之)を見舞うが、翔の状態は少しずつ悪くなっていた…。

第31回(3月12日 火曜)
翔のがん細胞が増え始めたと聞いた木里子は出来るだけ見舞いに来ることを約束する。
ある朝、木里子は登校途中で陽春(猪野学)と出会う。それを見ていた大紀(森田雄貴)たちは、陰で2人を冷やかすが、それを聞いていたルナはなぜか怒る。
 再び抗癌剤治療が始まる翔に木里子は父の周作(篠田三郎)を通じ、陽春からもらったのと同じイルカのモビールをプレゼントする。

第32回(3月13日 水曜)
木里子の家庭訪問が始まり、裕太(窪田翔太)の親代わりになっている忍(尾崎麿基)の店「かたつむり」を訪れる。ルナは木里子がいつ自分の家を訪問するのか、気になって仕方がない。母親の美幸(塚本加成子)が家の中を片付けないのを、知られたくなかったからだった。
一方、陽春は宗達(川津祐介)にルナのことを相談、宗達は「ルナちゃんのお地蔵さんになってやるがいい」という。

第33回(3月14日 木曜)
美幸が足の踏み場もない室内で、ゴミの中に足を突っ込んで骨折、救急車で周作のいる病院に運び込まれる。
家庭訪問するつもりだった木里子は美幸を見舞いに行く。その帰り道、木里子は忍に呼び止められ、美幸からルナの朝食と夕食の世話を頼まれたが、ルナが家にいないという。龍雲寺にルナを探しに行った木里子は、陽春から「木里子さんも、ルナちゃんのお地蔵さんになってあげてください」と言われる。

第34回(3月15日 金曜)
ルナを探して遅くなった木里子。幸いルナは塾に行っていただけだったのだが、菊乃(高田敏江)は木里子が心配で出来れば学校を辞めて欲しいという。が、陽春から言われた木里子はルナのことを理解しようと必死だった。
そんななか、翔の容態がだんだんと悪化、個室に移ることになった。

特別企画 ドラマを120%楽しむ特別企画。【監督自らの解説】
〜監督からドラマが大好きなあなたへ〜 「ピュア・ラブ」をもっと楽しく見ていただくために、ドラマ作りの裏側をチョッピリ公開。
第30話
 登場人物のキャラクターを表すのに、衣裳は重要なファクターのひとつです。担当のスタイリストが脚本を読み、監督と打ち合わせをして、色々な場面の衣裳を選んでくるのですが、今回の木里子の衣裳はトレンドをあまり意識せず、コンサバの雰囲気や清潔さ、そして上品な感じだけどスポーティーさも併せ持つ、そんな衣裳なんです。普通はひとりの出演者の衣裳は複数のメーカーのものなんですが、実は木里子の衣裳は1社だけなんですよ。ただし病院でのパジャマは別ですけどね。一方、典美の衣裳は今時の女の子を意識した、モード寄りで旬な感じの複数のメーカーのものなんです。
 ナースはみんな同じ白衣でキャラの区別がつかないじゃないかと思われるでしょうが、例えば、胸ポケットに差しているペンやナースキャップの留めなどで個性を出すんですよ。

第31話
 いつでしたかこのホームページで視聴者の方から、タイトルになぜ月のクローズアップが出てくるのか、という質問がありましたので、今回はそれに答えたいと思います。
 2000年の8月末から5週間にわたって「ディア・ゴースト」というドラマを放送したのですが、その話を作ったのが今回の「ピュア・ラブ」の作者の宮内婦貴子さん。で、演出担当も私でした。そしてテーマも「命」と「愛」というわけで、この二つのドラマは共通するものが流れており、前回の「ディア・ゴースト」のタイトルの最初のカットは地球のクローズアップでした。そこで「ディア・ゴースト」と同じ作り手だよと判らせる一種のサインとして、今度は女性や母性を表す月を選んだ訳です。そして、私は宮内さんと打ち合わせをした訳ではないのに、ドラマ上の重要な人物、元木ルナのルナとはフランス語の「月」の英語読み、元木家のマンションの名称は「サン・エトワール」(フランス語で星の意味)だというのも面白い偶然でした。ちなみにルナのママのインポートショップの名称が「ル・ソレイユ」(太陽の意味)かどうかは知りません。

第32話
 今回はセットの話をしましょう。
第1話の時に明石焼の店「かたつむり」の前の道をどういう設定や形にするかが大切だと書いたことを覚えていますか?
それは木里子のクラスの子供達がドラマの中で重要な役目を果たすことが決まった段階で、下校時の子供達同士の会話が非常に多くなって、しかも撮影時間を短くするため、それをロケではなくスタジオのセットで撮らなければならないことが分かっていたので、子供達の長い台詞のやりとりをテレビを観ている人達に飽きさせずに観てもらうために、単調にならない背景が必要だと考えられたので、JR中央線の高架のそばで、しかも前に公園があって、しかも自転車通勤している木里子がわざわざ自転車を降りてゆっくり歩いていかなければならないように(スタジオセットの床はゴムや布を敷くので自転車を走らせにくいのです)道の両端にスロープつきの階段を付けたのです。
この32話のシーンNo.11にルナと裕太の4分近い会話中心の芝居がありますが、道に立ちっぱなしでの長話ではちょっと辛いところですから、公園の藤棚の下のベンチが大いに役に立っているわけです。

第33話
 皆さんの町でもまだ夏には地蔵盆の行事をする所も多いと思いますし、お地蔵さんは町のあちこちでよく見かけるでしょう。しかし、お地蔵さんとは一体どういうものなのか、知っている方は案外少ないのではないでしょうか。この回では陽春が木里子にお地蔵さんの事を詳しく話していますのでお聞き逃しなく。またルナのママが突然の事故に遭うのですが、その時119番で駆けつけて来る救急隊員に注目してください。本職の救急隊員が演じているのです。その他、このドラマでは本職の僧侶がお坊さん役で出演したり、本職の看護婦さんが看護婦役で出演しています。どの人がそうなのか、よく観て見破ってください。

第34話
 今回は陽春のファッションについて。禅宗の雲水に限らず僧侶の衣裳や持ち道具は先人の知恵を結集したものとはいえ、非常によく考えられて作られており、デザインもモダンとすら言える部分もあります。シーンNo.6で眠っていた陽春が眼を覚まし、衣裳を一式素早く身に着けますのでよくご覧ください。その時、結んでしまうと非常にしゃれて見える雲水の帯が輪ゴムのように繋がっているのも分かると思います。