村上幸平さんインタビュー(1)


あまりにも自分を語らないゆえに周囲の誤解を招いてしまう明。その分、「表情やふとしたしぐさの芝居に苦労した」という明役の村上幸平さん。明についてお伺いしました。

―昼帯ドラマをよくご覧になっているとか?
「昼帯、大好きなんですよ。見られるときは結構見てますし、自分が好きな昼帯ドラマに出られるのはうれしいし、光栄ですね」

―木田明についてどう思われますか?
「すごい不器用ですね。台本を読んでいるだけでもずいぶんもどかしさを感じましたね。繊細で優しい人間なのは確かなんだけど、いい奴なのか悪い奴なのかよくわからない。基本的には黙っているがゆえに巻き込まれてしまうのが、歯がゆいです。1週目の最後に浩志から『あんたはみんなを不幸にする』と言われて、グサッと来ました。でもそれが一番好きなセリフでもあるんですが…(笑)」

―むずかしい役ですね。
「演じていてすごくむずかしいですね。特に最初は手探りでした。自分の想いを口に出さないので、それを「…」で表現できるのか?悩んでます。それに明は朴訥な人間にもかかわらず、けっこうセリフではクサイというか、キザなことをいうんですよね。ポエムな。詩人なんですよ」

―詩人ですか。
「明の部屋にさりげなく中原中也の詩集なんかが置いてあるんです。あ、明ってこういうの読んでいるんだと」

―そんな明との共通点はおありですか?
「僕も詩を書いたりするので、隔たりはあまり感じないかな。僕も明るい方じゃないんで。暗い部屋に閉じこもりがちで…(笑)。遠くはないんですが、言葉に出せないのは辛いですね」

―明を演じていて特に気をつけられたところは?
「明は笑わないんです。笑いをセーブしてます。だからあまり笑わないようにしました。笑顔はほとんどないと思いますよ。今回明を演じていてすごく感じたのは、1日中明のシーンが重なって積もってくると、夜の収録になると、何もしなくても明の顔になっているんですよ。自分では朝に撮ったシーンと同じようにやっているつもりでも、夜の方ではうーんと辛い顔になってる(笑)」

―聞いているだけでも辛そうです。今回はアパレル会社の事業部長ということで、服もおしゃれですね。
「服は好きだし、興味はありますね。今回のクランクイン前にデザイン会社を見学させてもらいました。明は事業部長ですが、実際にアパレル関係に勤める人もエキストラで入っていたりするので、スタッフさんの動きとかかなりリアルだと思いますね」

―明の服にもこだわりが?
「黒は好きですね。スタイリストさんと相談して、好きな形に近づけてもらっています。オーダーメイドのスーツもいくつかあるんですよ」

―羽純と明のような純愛をどう思われますか?
「やっていてすごく思うのは、純愛は障害なくしてはありえない!(きっぱり)純愛の究極は忍ぶ恋ですね(笑)僕も28歳なんで、恋愛についてはドライな感じもあるのですが、年齢を重ねるにつれて、『誰かを好きになる気持ち』は大切にしたいと思いますね。そういう気持ちを見ている人にも感じてもらえれば…」

―村上さんご自身は?
「そんな恋愛をしてみてもいいかなと思いつつ…思い通りにならないことがあっても、それでも『好きだ』という相手が見つかればいいな、と思いますね〜でもやっぱり大変だなあ〜(笑)」

―明役と苦闘を続ける村上さん。次回は「愛される男について」お伺いしたいと思います。
「ほっほ〜」(By村上幸平さん)