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山田尚子アニメーション監督Vol.1321
「光」×「音楽」×「青春」!
言葉にならないものを描きたい…
2024年夏公開の話題の映画「きみの色」。人の「色」が見える主人公・トツ子を中心に、思春期真っ只中の高校生たちの日常と、葛藤、友情、自立を、美しい映像で綴った完全オリジナルストーリーのアニメーションだ。
この作品を手掛けたのが、今、国内外で注目を集めている監督のひとり、山田尚子。
小さな心の揺れ動きを捉えた繊細な演出と、卓越した瑞々しい映像表現は、アニメファンの枠を超えて愛されている。「君の名は」で記録的ヒットを生んだ、あの新海誠監督も「嫉妬を感じる才能」と高く評価する。
取材を始めたのは2023年の末、「きみの色」の制作現場が佳境を迎える頃だった。山田は連日、上がってきた映像一つ一つに、細かな光の加減や、画角などの指示を出し、最後の"粘り"を続けていた。山田はいつも物腰が柔らかい。佳境というのに、現場には穏やかな空気が流れていた。スタッフに聞くと「山田監督は、その人が持っている力を引き出すのが上手い」そうだ。山田自身に秘訣を聞くと、「言葉で決めてしまうのが好きではない。これは四角ですと言ったら、四角で画が上がってくるので、四角が欲しかったとしても四角を含む丸の話をする」。
番組は、作品が完成した後の束の間の休みに必ず出かけるという個人旅行にも密着。山田尚子の原点となった作品の監督が暮らす街、チェコ・プラハを訪れた。山田自身は4回目の来訪...そこで必ずする「聖地巡礼」に同行し、山田自身が高校生の頃から大切にしている、「好きなものを好き」と言える"強さ"を再確認する。
自分の中に渦巻く葛藤と繊細な心の動きを、アニメーションに昇華させ、世界に発信している山田尚子の「色」とは?
PROFILE
京都出身。美大を卒業後、アニメーションの世界へ。
2009年テレビアニメ「けいおん!」の監督に抜擢され監督デビュー。
2011年「映画けいおん!」で長編映画初監督を務め、その後「たまこまーけっと」や「映画 聲の形」などで大躍進を続け、2022年TVシリーズ『平家物語』、オムニバス映画「モダンラブ・東京〜さまざまな愛の形〜」の一篇「彼が奏でる二人の調べ」を監督。8月30日より公開中の最新作『きみの色』では、第26回上海国際映画祭金爵賞アニメーション最優秀作品賞を受賞。
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:佐藤洋祐・水上智重子
音効:中嶋尊史
編集:宮島亜紀
制作協力:ソユーズ
プロデューサー:沖倫太朗・岩井優介
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