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井手上漠モデル・タレントVol.1287
男でも女でもなく、「性別は無し」
自分らしく生きる 多様性のアイコン
人口2千人の小さな島で生まれた男の子は、2歳の時にウエディングドレスを目にし、美しいもののトリコになった。リカちゃん人形やプリキュアをこよなく愛し、男友達とサッカーするより女の子とママごとをする方が楽しかった。次第に「ボクって変なのかな?」と思うようになり、周囲の目を気にし始め、"男の子らしく"振る舞おうとした。
しかし、自分を押し殺そうとする息子の胸の内を、母はすべて見通していた。「漠は恋愛対象、どっちなの?」。涙が溢れ、何も言えなかった。母は「漠は漠のままでいいんだよ」と肯定してくれた。そこから、髪を伸ばし、オシャレに熱中していった。
15歳の時、「かわいすぎる男子高校生」として一躍注目を集め、モデル・タレントとして活動を開始。
深い孤独と、自分を表現できる喜びの両方を知った井手上が発する言葉は、性に悩む若者だけでなく、性別を超え、年代を超え多くの人の心に響き始めている。
番組では、20歳から21歳になるまでの約8ヵ月間を取材。モデルやドラマの仕事はもちろん、密かに美容専門学校に通う姿や古着屋巡りで垣間見た素顔、成人式で掘り起こしたタイムカプセルの中身まで...飾らない姿を追いかけた。
「もっと可愛くなってやろう。もっともっと自分らしく生きてやろう」
人に見えない努力によって性別の壁を乗り越えようとする、井手上漠の生き方を見つめる。
PROFILE
2003年、島根県隠岐郡海士町生まれ。
中学3年の時、「カラフル」と題した作文で「少年の主張 全国大会」に出場し、文部科学大臣賞を受賞。
高校1年生の時、 「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でDDセルフプロデュース賞を受賞。
高校卒業後に上京、芸能活動を本格化。
ジェンダーレスファッションや美容品をプロデュース。
性に関するトークショーやイベントへの出演多数。
現在は、小説に初挑戦中。
恋愛対象を問われると、「好きになる人を性別で判断することはない」とだけ話す。
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:松浦祥子・市川元樹
音効:増子彰
制作協力:スローハンド
プロデューサー:沖倫太朗・伊豆田知子
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