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山本一徹機能神経外科医Vol.1283
日常生活を阻害する“震え”と闘う!
3種の術式を操る若きパイオニア
機能神経外科。あまり聞きなれないが、病気に伴う震えなどに対し脳や脊髄に外科的にアプローチすることによって症状の改善や機能の回復を図る、脳神経外科の一分野だ。
その道を進む山本一徹は、一度やると決めたらテコでも動かない、名前通りの「頑固一徹」。高校生の頃に志した医学の世界に飛び込んだ。39歳にして、手の震えや歩行障害などを引き起こす「パーキンソン病」やうねるような体の動きが現れる「ジストニア」、体の一部が震え続ける「本態性振戦」を含む数々の難病を手術で治療するエキスパートとして、世界に名を轟かせる。
施す手術は3種類。脳の奥底にある神経細胞を高周波で熱凝固する「RF」。脳内に電極を埋め込み電気刺激を与える「DBS」。そして、メスを使わずに超音波で患部を焼く「FUS」。いずれもわずか数ミリの脳の部位をピンポイントで狙う手術。理論と経験に基づく正確さが山本の真骨頂だ。3つの手術法を操り、年間60件以上も行っている山本は国内でも稀な存在だ。
己の使命は「困っている人たちを片っ端から治療する」こと。山本は世界一手術件数が多いカナダの大学病院で研鑽を積んだ。日本でも保険適用の対象となる治療だが、 "震えや動作の異常"を手術で改善する事に対して懐疑的な医師もいる。だから各地を回って医療従事者に向けて講演したり、患者のために説明会を開いたり、インスタグラムで手術の説明動画を投稿したり...手術の合間を縫っての啓発活動にも力を入れている。
そんな山本のもとを頼ってきたのは、パーキンソン病を患う50代の男性。病気に伴う主な症状は指先の震えや動作緩慢、歩行障害など。特に深刻なのが歩いていると体が勝手に前のめりになっていき、何かにぶつかるまで止まることができないという「突進歩行」だ。踏切で倒れて立ち上がれなくなるなど、命の危険にさらされている男性・・・。なんとしてでも症状を改善したい。若きパイオニアの奮闘を追った。
PROFILE
1984年札幌生まれ。
高校生の頃に機能神経外科医を志し、札幌医科大学に進学。
2010年から湘南鎌倉総合病院で勤務したのち、東京女子医科大学の平孝臣氏やトロント大学のアンドレス・ロザーノ氏などの世界的権威に師事してRF・FUS・DBSの手術法を身につける。トロント大学滞在時は手術や学術活動が評価されベストフェロー賞に選出された。2022年に帰国後は湘南藤沢徳洲会病院の機能的神経疾患センターのセンター長に就任。年間60件以上もの手術を行う。
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:加藤実智雄・浜崎務・戸田統
音効:北條玄隆
編集:新谷拓治
制作協力:メディア・メトル
プロデューサー:沖倫太朗・澤田賢一
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