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吉田直樹ゲーム開発者Vol.1261
遊びを追求する“50歳の少年”
シリーズ最新作で世界に挑む
「縮こまったら終わり、って思うんで」
サングラス越しの目は鋭く、紫煙をくゆらす指にシルバーのアクセサリーが光る。
まるでロックスターのようないで立ちの50歳が、今世界から注目を集めている。
吉田はゲーム開発者。人気ロールプレイングゲーム「ファイナルファンタジーXIV(FF14)」、最新作「ファイナルファンタジーXVI(FF16)」の制作を統括する。オンラインで楽しめるFF14は、累計登録アカウント数2700万を突破。日本のみならず世界中でプレイされ、自身も「吉P」の愛称で親しまれている。
開発の現場を取材して見えたのは、誠実で慎重な仕事ぶりだ。
スタッフへの指示は丁寧で、成果を労うことを忘れない。ゲームの衣装を着て自ら舞台に立ちPRをしたあとは、効果の検証も怠らない。
仕事の原動力は何か...周囲は吉田のことを「根っからのゲーマー」だと言う。開発中の「FF16」を嬉々として遊ぶその横顔は、少年そのものだった。
けれど、「FF16」発売を間近に控えたある日、こんなことも口にした。「僕は単なる臆病なんですよ。ゲームが面白くないって言われるのがすごく怖い...」
作り手としての原点は、子どものころ遊んだ小さな公園だという。その場所を訪れ私たちに打ち明けた決意とは。
PROFILE
1973年、北海道生まれ。
小学生の頃「マリオブラザーズ」に夢中になり、ゲーム開発者になることを決意。専門学校卒業後、札幌にあったゲーム会社を経て、2005年にスクウェア・エニックスに入社。「ドラゴンクエストX」などの開発に携わったのち、2010年に「ファイナルファンタジーXIV(FF14)」のプロデューサー兼ディレクターに就任。今年6月に、プロデューサーを務めた「ファイナルファンタジーXVI(FF16)」が全世界で発売された。趣味はスノーボードとワイン。
構成:岩井優介
ナレーター:窪田等
撮影:池田昌史・魚住司
音効:中嶋尊史
制作協力:グループ現代
プロデューサー:沖倫太朗・田野稔
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