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Vol.1059
2019年06月30日(日) 放送分

上野千鶴子[ 社会学者 ]

日本中に賛否両論を巻き起こした70歳のスター学者が“次の世代”に伝えたいことって…?

今年の東京大学入学式で社会学者、上野千鶴子のスピーチが大きな話題を呼んだ。
冒頭で去年発覚した東京医科大の医学部入試での女子差別問題に言及し、
「学内にも社会にも性差別が横行しています」とズバリ発言。「男性の価値と成績のよさは一致しているのに、女性の価値と成績のよさとの間にはねじれがある。女子は子どものときから可愛いことを期待されます...だから女子は自分が成績がいいことや東大生であることを隠そうとするのです」と指摘した。
さらに、「(東京大学に入学し)頑張ったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったことを忘れないようにしてください。あなたがたの恵まれた環境と能力とを、恵まれない人々を貶めるためにではなく、そういう人々を助けるために使ってください...ようこそ東京大学へ」と語りかけた約10分間の祝辞に「感動した」と共感の声が沸き起こる一方で、「祝辞にふさわしいのか?」と賛否両論が噴出し、Twitterで「上野千鶴子」がトレンド入りにするほど大反響を呼んだ。
日本における女性学・ジェンダー研究の第一人者としてベストセラー『おひとりさまの老後』を始め数々の話題作を送り出し、かつてのアグネス論争のように発言のたびに議論を呼ぶ"論客"として活躍を続けて来た上野。「テレビの密着取材は基本、受けて来ませんでしたので...」という彼女が今回、番組の取材を承諾してくれたのにも、何か理由があるに違いない。
番組では、スピーチへの賛否が渦巻く中、颯爽と仕事に臨む上野に密着。今もなお、現場取材で朝から晩まで走り回り、行く先々で毒あり、ユーモアあり、そして様々な問題提起を含んだトークで周囲の心をわしづかみにしていくスター学者の姿を追う。
さらに今回、話題となった祝辞やジェンダー問題について、現役東大生と語り合う特別授業が、東大生たちの手によって開催されることに。「血も涙もない理論派と言われてましたから...」という上野千鶴子が若者たちへ伝えたいメッセージとは?

PROFILE

1948年富山県生まれ。父は開業医で母は専業主婦という家庭で育ち、京都大学大学院社会学博士課程修了。文学部哲学科社会学専攻卒業。平安女学院短期大学、京都精華大学などの助教授、ボン大学、コロンビア大学客員教授などを歴任し、1993年東京大学文学部助教授。1995年東京大学大学院人文社会系研究科教授。現在は東京大学名誉教授。認定NPO法人「ウィメンズアクションネットワーク(WAN)」理事長。
女性学・ジェンダー研究の第一人者として知られ、著書「スカートの下の劇場」「家父長制と資本制」「おひとりさまの老後」「女ぎらい」など。趣味はスキーとドライブ。最近、映像の力に目覚め、編集作業と格闘中。

STAFF
演出:申 成皓
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:濱﨑務・池田俊之
音効:早船麻季
制作協力:オルタスジャパン
プロデューサー:中村卓也・重乃康紀

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