演技をつけるだけが演出じゃない!


シナリオから世界が紡がれる
いよいよスタートする『ドレミソラ』
今回の『ドラマの創り方』は、その演出を手がける竹園 元さんにお話を聞いた。

「『映画は監督のものだ』ってよく言われますが、テレビドラマは違います。
 僕らはコックなんですよ」
という竹園氏。
素材の選定から、その素材の最良の持ち味を出すように料理するというのだ。
その作業は「本うち」ことシナリオの打ち合わせから始まる。作り出す世界観の基本をシナリオライターとともに吟味する。そして、それらに世界の広がりを与えるための「美術打ち合わせ」を行い、その世界を映し出すための「技術打ち合わせ」を行った後に、やっと収録が行われる。
しかし、収録はまだ料理中なのだ。
収録された素材は、編集され、音楽がのせられ、MAという作業を経て放送となる。
これらすべての作業すべてが演出となるのだ。
より良い素材を厳選して手間をかけてじっくり創りこむ。これらのこだわりが自らを「コック」と例える所以なのだ。

演出として竹園氏のこだわりを聞いてみた。
「本(シナリオ)より確実にいいものをつくるように気をつけています」
演出として「本のほうがおもしろかったよ」とは絶対に言わせないという意気込みが感じられる。
ドラマに関わって5年以上のキャリアの竹園氏はドラマをこう語った。
「ドラマはフィクションです。これはドキュメンタリーでは伝わらない何かが、フィクションだからこその方法で伝えられるんではと思っています。…例えば、うまく言えませんが『心』とか」
文字のシナリオに「心」を演出してドラマができあがる。たしかにドキュメンタリーとは少し違ったメッセージ性、願いが込められるのではないだろうか。
「今回のドレミソラの収録は子供が大勢出演します。収録はすごく大変なんですが、子供達にいつも元気をもらいますよ」
と言う竹園氏は、楽しそうだった。
「美空のかっこよさをしっかり見てください」
ドレミソラの主人公の安西美空。カッコイイ設定が演出によってさらにカッコよくなっているとの事。
そのカッコよさの中に見える「心」にも注目したい。