桜咲くまで日記 :#8 大垣一穂
残すはあと2週。ラス前の8週目です。

物語の終わりが近づくにつれて必然的に避けられないもの。

  『別れ』

メインを彩るようにちりばめられたサイドストーリーのひとつひとつもエンディングを迎えて行きます。
三浦と良子と道子は? 千鶴と航平と仁は? そして啓太と菜穂子は?
一時的な別れも含めて、それぞれがそれぞれの関係に区切りを付けていきます。必然的に、長く且つうねりのある見応えたっぷりの“ラストシーン”が多くなっていますのでお楽しみに。
それと同時に収録現場においても、レギュラー出演者の方々も次々にオールアップを迎え、スタッフも話数分担の我々監督陣や記録さん等、全撮影が終了する前に、一人、また一人と現場を離れて行きます。この作品が始まった時から分かっていることですが、一緒に番組を作って来たチームと別れるのは、いつもながらさみしいですね。……一期一会。

さて、7週のクリスマスイブを引き継いで、8週の冒頭は若林家のひと味違ったクリスマス。風林火山の昭ちゃんも加わって和風なクリスマスに仕上がっています。ハナちゃんから贈られる、暖かいプレゼントも見どころのひとつです。
続いて8週を大きく占めているのが、お正月編。若林家に代々伝わる黒豆づくりや、伸し餅切り(私の実家は丸餅でしたが…)等、なんだか懐かしい感じさえします。劇中に出てくる重箱の中の黒豆、実は丹阿弥さん御本人が作ってこられたものなのです。出演者の皆さんのこだわり、演出サイドにとって大変ありがたいです。感謝感謝。昔の家庭では当たり前だった手作りのおせち料理、現代の忙しい日本の家庭では少なくなって来たのでしょうか。もちろん市毛さんの着物姿や百人一首等、他にもお正月テーストの見所満載です。それから嵐のような訪問客がやって来て若林家に一波乱起こることも付け加えておきましょう。

この番組の主題歌「桜咲くまで」がドラマの内容をモチーフにして作られたことは御存じの方も多いでしょうが、おかげでタイトルバックの絵づくりは凄くイメージし易く歌詞とシンクロして作成することが出来ました。逆に言うと、この曲とタイトルバックでドラマの向かおうとしている先も自ずと見えてくる訳です。
特に印象的なのが最後に満開になる桜の樹。山梨県韮崎市に実在するあの桜の樹ですが、劇中ではハナさんの故郷の想い出の樹。本編中でも今後重要な場面で登場します。タイトルバックのように綺麗に花開くかどうかは本編をご覧下さい。

ちなみに私は、
 “いつも一緒にいたいよ”
    このフレーズの飾らないストレートさに心を揺れ動かされました。

いよいよ次週は泣いても笑っても最終週の9週目。
竹園監督+本多監督(助監督からの大抜擢)という最強タッグで、
「桜咲くまで」という大樹の花も咲き誇り実を結ぶことでしょう。
その結末、お見逃しなきよう……