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わが家 2015年1月4日(日)よる9時

わが家 2015年1月4日(日)よる9時

 MBSでは、2015年1月4日(日)よる9時からTBS系全国ネットで『新春ドラマ特別企画 わが家』を放送する。 このドラマは、現代社会でバラバラに暮らす4人の家族、「桜木家」の物語。大人になって故郷と距離を置くようになった兄と妹。 20年前に突然家を出て行った父、そして海辺の「わが家」をひとりで守り続ける母。 そんな4人があるきっかけで「わが家」に集い、家族の絆を取り戻してゆく姿を、ユーモアいっぱい、愛情たっぷりに描く。

 主演は向井理。東京で、心寂しい客の元に友達・恋人・家族などを派遣する“人材レンタル会社”に身を置く主人公・桜木一歩を演じる。 子供の頃、大好きだった父親に捨てられた記憶をもつ一歩はある日、妹の結婚話をきっかけに、母が待つ海辺の故郷に久々に里帰りをする。 そこに20年間音信不通だった父親がひょっこりと現れて…。向井がTBS/MBS系の新春SPドラマに出演するのは、『花嫁の父』以来3年ぶり。 今回は離れ離れだった“父と子の葛藤”を軸に「家族とは何か」「本当の親孝行とは何か」を考える長男として、家族の絆を描く珠玉のヒューマンドラマに挑戦する。

 共演者にも、新春ドラマにふさわしい豪華キャストが顔を揃える。 家族を捨てて家を出て行きながら、20年ぶりに舞い戻ってきた父・桜木武士には、日本映画界、ドラマ界には欠かせない名優の長塚京三。 ある想いを秘めながら「わが家」を守り続ける母・桜木鯛子役は存在感ある演技で人々を魅了する国民的女優、田中裕子。 向井にとって長塚、田中は初共演となる。そして、明るい性格で、家族再会のきっかけとなる結婚話をもたらした妹・桜木ほの香は、若手実力派女優の村川絵梨が務める。 魅力的な組み合わせの豪華俳優陣が、優しく、恋しく、時には激しくぶつかり合いながら、日本の家族の心の機微を演じ上げる。

 脚本は『花嫁の父』(2012年/日本民間放送連盟賞優秀賞受賞)、『母。わが子へ』(2013年/ATP賞受賞)など、心に残るヒューマンドラマを手がけてきたベテラン、井沢満。 単身世帯が増加する現代日本をテーマに、一歩の生き様や桜木家の日常を、心に染み入るセリフと美しい映像で描き出す。

 子供たちが大人になって自立したあとも、一年の節目節目には自然と皆が集まり帰ってくる場所、それが「わが家」。 「わが家」は、家族の日々の思い出がつまった原点であり、2015年新春、家族みんなですごす何気ない日常こそが、とても幸せな時間であることに気づかされる人も多いのではないだろうか? 親が子を想う気持ち、そして子が親を想う気持ち、それはなかなか言葉には表せないもの。 バラバラだった桜木家の人々が、「家族」に対してそれぞれ向き合い、人生で大切なものを取り戻してゆく物語『新春ドラマ特別企画 わが家』に、ぜひご期待ください。

 人材レンタル会社「友情物語」のスタッフ・桜木一歩(向井理)は、都会の片隅で他人の孤独や心の傷を埋める稼業をなんとなくこなす日々を送っていた。器量がよく客からの人気も高い一歩だが、30歳を過ぎても、自らは家庭を持つ気は全くない。その理由は、子どもの頃に父・武士(長塚京三)が突然家を出て行ったという過去があるからだ。そんな一歩の実家は三浦半島の海辺にあり、今は母・鯛子(田中裕子)が一人で暮らしている。一歩にはバスガイドをする妹・ほの香(村川絵梨)がいるが、同じ東京にいながら互いに連絡先さえ知らない。

 鯛子は正月さえ戻ってこない子供たちに不満を募らせつつも、音信不通の夫や子供たちがいつ帰ってきてもいい様に気丈に家を守っている。そんな鯛子のもとへほの香から「結婚するので先方の家族と会って欲しい」と電話が入る。同じ頃、常連客の一人暮らしのお年寄り・琴子(草村礼子)のもとで疑似家族を演じていた一歩にも“ある仕事”が舞い込んでいた。

 「家族」とは?「本当の親孝行」とは? バラバラだった家族の失われた絆が取り戻される日は来るのだろうか----。


  • 東京で一人暮らしをしながら、人材レンタル会社「友情物語」の契約スタッフとして働く長男。子供のころ、父・武士が家を出て行った記憶をもつ。


  • 三浦半島の海辺の「わが家」をひとりで守り続ける母。家族の行事を大切にする。


  • 東京でバスガイドをする妹。家族再会のきっかけとなる結婚話をもたらす。


  • 20年前に家族を捨てて家を出て行った父。


  • 失恋した寂しさから、彼氏役として一歩をレンタルする。キャリアウーマンで、一歩と急接近!?


  • 一人暮らしのお年寄りで、一歩の常連客。


  • 「友情物語」のスタッフ。結構、ひっぱりだこだとか…。


  • 「友情物語」の社長。客のニーズにあったスタッフを派遣する。

(2012年の『花嫁の父』に続き)また井沢さんの脚本、同じチームでの作品に参加でき、とても嬉しく思います。 最近はこういうストレートな家族の物語があまりないので、そういう中で挑戦するのって面白いことですし、すごくハードルが高いと思っています。 (撮影期間中は)僕のというよりは周りの方のセリフにすごく、古きよき日本だったり、家族っていうのを思い出させてくれるワードが多いので、 ほんとにいいセリフだなぁと思いながら、ジーンとしながら毎日現場に来ていました。 家族の関係っていうのがすごく深く描かれていて、見終わったときに、自分にとっての家族は何なんだろうって考えていただける作品だと思うので…是非ご覧ください。

《共演者について》

長塚(京三)さんは初共演なんですが、「こういうお父さんがいたらいいな」と思う方。 ぶつかることが多い設定なので、仲むつまじいシーンは少ないんですけど、それがまたもどかしくもありますが…。 田中(裕子)さんも初めて共演させていただきますが、なんだかすごくいとしい方。安心感。何をやってもちゃんと受けてくださるので…。 ちょっとした感情のゆれがすぐに出てくる方なので、のほほんとしたシーンでも気を引き締めていかないと、と思いました。 村川(絵梨)さんはもう、あのままというか、明朗な、闊達な方なので、現場に明るい空気を持ってきてくれるので、ありがたかったです。

(オファーを受けて…)いい脚本、面白い脚本だったので、向井君とも一回ご一緒したかったし、あと、田中さんとも久しぶりにやってみたかったし。 今回の武士という役は、ちょっと一言では言えないような感じですかね。今時こういう人いるの?というのもあるんだけど、型にはまった古臭さがない。 風通しがいい自由な作風なので、演じていてとっても楽しいですよ。向井君とは身長も同じだし。「こっちゃ年食って1センチ縮んだんだけどな」というセリフもあるくらいでね。 家族の話なんですが、夫婦の愛の話みたいなところもあって…。とっても仕上がりが楽しみです。

鯛子のセリフで「みんなが同じ匂いをたてて、健康を喜び合って、同じものを食べて…それが家族よ」というのがあるんですけど、いいセリフだなぁ、そうか、そうだなぁって思いました。 あと、最後のシーンで、向井さんが振り向いて“あるもの”を見るんですが、どんな顔をしたのか…。台本を読んだ時、そして撮影を終えた今も楽しみにしています。

くすっと笑えるところもあれば、とめどなく涙があふれてくる瞬間もあったり、様々な感情が巻き起こるドラマです。 絶対に登場人物の誰かに共感しながら見て頂ける素敵な作品になったと感じています。私も家族と見るのが本当に楽しみです。「わが家」、是非ご覧下さい。

このドラマは家族の物語であると同時に「一人の男の成長物語」でもあります。 長塚京三さん、田中裕子さん、村川絵梨さんという演技派豪華キャストのユニークな家族に囲まれ、主人公がどう成長していくか是非ご期待下さい。 向井さんと長塚さんがガチンコの殴り合いをする長いシーンは必見です!年初めの最初の日曜日の夜、笑って泣いて…是非ご家族そろってご覧下さい!

今日「わが家」のオンエア日時が決まって、真っ先にメールしたEさんは私が以前暮らしていた土地でご近所であった。 犬の飼い主同士としてのお付き合いであったが、たまたま私が書くドラマのファンでもいてくださった。
お知らせすると、打てば響くようなお返事をくださる方が、珍しく携帯が鳴らないな、と思っていたら別の方からメールが入り、Eさんが心肺停止で救急治療室にいるという。言葉を失くした。
人は大切な存在を失うまでその価値を思い知らぬ事が多いのだが、私もその愚かな人間の一人である。 最も身近な視聴者の一人であった方に、今回のドラマを見ていただけぬかもしれぬと思ったら、なんとも言えぬ喪失感と寂寥、そして悲しみが来た。
ドラマを見て頂く、というのもご縁なのだと、年々(としどし)にその思いは深くなっている。
脚本を書く時には、誠実でありたい。楽しんで頂けることに心血を注ぎたい。
見てくださる方もそして私も、いずれこの世を去る。
世の中のあらゆる関わりと同じく、ドラマの作り手とそれを見てくださる方、というご縁も、この人生のつかの間の火花であろう。ドラマを見て頂いている間は、命と命のスパークでありたい。
新春ドラマへの一言としては、いささか場違いかもしれないが、これが目下この瞬間の私の率直な気持ちである。

肝心のドラマについての記述が末尾になった。
向井理さんとは二度目だが、役者と作家として、とびきり相性がいい。 あちらはどのように思われているのか解らないが、漏れ聞こえる言葉の端々からたぶん、思いは同じくしてくださっている気はしている。
こちらが脚本に込めた思いと狙いを寸分たがわず正確に受け止めて表現してくれる。
余計なことはせず潔い演じ方。長く役者と関わって来た経験則で言えることなのだが、このタイプの役者が大成する。 その場で上手いなと思わせても、小器用な向かい方をする人はそこそこで終わる。おそらく演じ手としての心ばえと品格に関わることなのであろう。
さらに言えば、99%脚本家が込めたことを正確に演じて、1%思わぬ良い裏切りをしてくれる役者はいずれ頂点に立つ。向井さんに期待している。
長塚京三さんとは初めてだが、スタジオでの演技を拝見していて、凄い。ほとほと凄い。 向井さんとの殴り合いに至るまでの、セリフのテンションの上げ方が難しかったのだが、 長塚さんは向井さんの「はあ?」という口癖を上手くリピートして、向井さんが殴りかかれるように感情をそそり立て、鮮やかであった。 1秒間ほどのこの箇所は、脚本には書いていないのだが、これは小器用とは言わない。脚本の行間から掬い取った役者の霊感のごときものであり、1%の良き裏切りである。
田中裕子さんとは、たぶん30年ぶりぐらいの再会である。 田中さん主演で書いた時は、田中さんに社会からドロップアウトした若いOLを演じて頂き、内外の賞を得て田中さんはモンテカルロの国際テレビ祭でシルバーニンフ賞(主演女優賞)を得られた。
大成功したコンビであるのに、その後全く仕事の機会がなかったことも、これもまたご縁なのであろう。
時は経ち、今度は老いを意識し始める母親の役どころで出て頂く。そのことに感慨がある。
村川絵梨さんには、「なんで、若いこのセリフが書けるんですか!?」と言って頂き、若い村川さんに「いい子いい子」してもらったような気分であった。
「採れたてピチピチの野菜」という田中さんに書いたセリフも絶賛してもらい、この歳になると手放しで褒めてくれる人もいないので、私は無邪気に嬉しかったのである。

この種の文章での定番美文は好まない。掛け値なしで、これほど全部適役を頂いたドラマは初めて。 4人の役者さん以外の方々も適材適所。向井さんのガールフレンド的役を演じてもらう市川実日子さんは意外だったが、これはいい驚きで納得。 脚本に続き、小説版を書く際にはむしろ市川さんのイメージで書いた。
小説は竹書房さんから12月の初旬に出て、脚本は映人社の「ドラマ」誌新春号(12月発売)に掲載される。
スタッフはプロデューサー・監督の竹園元さんはじめ、「花嫁の父」「母、わが子へ」「命」を送り出してきた安定のスタッフで、これもまた有り難い「ご縁」である。 (2014年11月7日。最も身近な視聴者Eさんの奇跡的回復を祈りつつ記す)

1983年「みちしるべ」(NHK)で、プラハ国際テレビ祭グランプリ受賞。
1985年「しあわせの国 青い鳥ぱたぱた」(NHK)で、モンテカルロ祭シルバーニンフ賞を受賞。
以降、受賞作品多数。2012年放送のスペシャルドラマ「花嫁の父」では、日本民間放送連盟賞テレビ部門優秀賞を受賞、 海外ではUS国際映像祭ゴールドカメラ賞、ニューヨークフェスティバル銀賞などに選ばれ国際的にも評価された。 近作は2013年「母。わが子へ」(MBS/ATP賞観光庁長官賞受賞)、「命~天国のママへ~」(TBS・MBS・BS-TBS)。
人気シリーズ「外科医 有森冴子」は、医学ものドラマの先鞭をつけ、タイトルに役名を織り込むブームを作った。
今回、小説版「わが家」も執筆した(2014年12月4日発売予定)。

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