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人材レンタル会社「友情物語」のスタッフ・桜木一歩(向井理)は、都会の片隅で他人の孤独や心の傷を埋める稼業をなんとなくこなす日々を送っていた。器量がよく客からの人気も高い一歩だが、30歳を過ぎても、自らは家庭を持つ気は全くない。その理由は、子どもの頃に父・武士(長塚京三)が突然家を出て行ったという過去があるからだ。そんな一歩の実家は三浦半島の海辺にあり、今は母・鯛子(田中裕子)が一人で暮らしている。一歩にはバスガイドをする妹・ほの香(村川絵梨)がいるが、同じ東京にいながら互いに連絡先さえ知らない。
鯛子は正月さえ戻ってこない子供たちに不満を募らせつつも、音信不通の夫や子供たちがいつ帰ってきてもいい様に気丈に家を守っている。そんな鯛子のもとへほの香から「結婚するので先方の家族と会って欲しい」と電話が入る。同じ頃、常連客の一人暮らしのお年寄り・琴子(草村礼子)のもとで疑似家族を演じていた一歩にも“ある仕事”が舞い込んでいた。
「家族」とは?「本当の親孝行」とは? バラバラだった家族の失われた絆が取り戻される日は来るのだろうか----。