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第33回 森田展義

―この世界に入られたきっかけを教えてください。

大学を卒業してから、笑福亭福笑師匠の門を叩いて弟子入りしたんですが、落語を全く知らずに入ったんです。
普通は大学の落研とかでいろんな人の落語を聞いてて、師匠に師事するんですけど、僕はたまたま友人の紹介で行った落語会で一番面白かったから、と。
本当はNSCに行きたかったんですけど、お金がなかったんで。
弟子入りすれば、食べさせてもらいながら、芸も教えてもらえるというものすごく考えの浅い、浅ましい根性で門を叩いたんです。
そういう僕を師匠は、
「僕も同じ様にもともと落語に興味なくて、今やってる。何がきっかけかわからない」
と言うて受け入れてくれはったんです。

が、普通は稽古がだいたい1週間に1回くらいなんですが、師匠は大変熱心な方で、時間もあったんで、毎日のように稽古がありまして。
1年半なんとか続けることが出来たんですが、落語が覚えられなくなってしまいまして…。

(覚えられない?)
もともと暗記教科がものすごく苦手。
新喜劇の台本のセリフでもちょっとギリギリなところがあるくらいの人間なんで、物覚えが凄く悪くて。
結果的に年季が明ける前にクビというか…。

僕の兄弟子は「たま」というんですけど、京都大学の落研で、何故落語界にいるのかというほどの秀才なんですが、異例の2年で年季が明けたんですね。
だから僕も2年くらいかなと思っていたら、1年半経った時に、「お前は3年かかる」と言われて、「この倍か~」と思った時に、心折れてたんですよ。
無理やろなと。
単純にいいますと、師匠が心から愛されている落語を覚えられなかったというのが事実で…。

(何席くらいお持ちですか?)
僕は実は12席持っているんですけど。
出来るのは今、1席あるかないかですね。

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