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第15回 未知やすえ

―印象に残る舞台は?

2年くらい寛平兄さんの優しいチームで廻ってました。
役柄も最初三枚目やったんですよ。
子ども役とか、おばあちゃん役とか。
二枚目役はあき恵姉さん、園みち子さん、高橋和子さんに決まっていました。

自分でも二枚目をしたいとは思ってないし、ゆるい感じで楽しくやらしてもらってたんですが、初めて花紀・岡組に行くことになって
「怖い」「厳しい」と勝手に思っていて、稽古は良かったんですが、初日に舞台に出たとたん、緊張しすぎてセリフを全部忘れて。
岡師匠が小さい声で
「なんや?」って言うのが聞こえて、
「ひえ~怒られる」と思って、今度は涙が出てしまって…。
「セリフ忘れた~」って言って舞台の上で大泣きしてしまいました。
お父さん役がやなぎ浩二さんやったんですけど、花紀師匠が
「この子の保護者誰や?」
と言ったら舞台に出てきてくれて、
「この子はこういうことが言いたかったんですわ」
とつないでくれて、
「ほな連れて帰れ」
と言われて、舞台からハケたんです。

周りの先輩も「これは怒られるな」「雷落ちるな」と誰も声をかけられない状態で、とりあえず、
「舞台が終わったら謝りに行け!」ということで、謝りに行きました。
岡師匠に最初に
「すみませんでした!」と言ったら、
「おう」と低い声で言われて、「怖っ」と思って、花紀師匠にも
「すみませんでした!」と言ったら、頭をぽんぽんと叩かれて、
「お前のセリフ、誰も取れへんからな。しっかりしゃべりや」
と言われて、えー怒られへんかった、それがまた嬉しくて涙が出て、
「ありがとうございました!すみませんでした!」と言って、周りも
「良かったな~」みたいな感じで。

そこから、反対にすっごい花紀師匠に可愛がってもらいました。
それも辞めずにすんでいるひとつですね。
振り返るとけっこう波があるんですけど、なんか(新喜劇に)残ってるな、って。

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