第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会

桐蔭学園46-38東福岡 桐蔭学園、防御も強み

準決勝(5日・東大阪市花園ラグビー場)

 桐蔭学園が点の取り合いを制した。先制しながらも逆転を許し、同点にして迎えた後半15分、ターンオーバーからWTB西川が勝ち越しトライを決めると、さらに同18分のPGが効いた。東福岡は後半、モールを押し込むなどFW戦で粘ったが及ばなかった。

 ■ノーサイド

華麗なパス、生かすタックル

 一瞬、攻撃の判断を迷った相手に、桐蔭学園のフランカー渡辺は両腕を大きく広げてタックルし、覆いかぶさった。紺のジャージーが次々と群がり、ボールを奪う。同点の後半15分。我慢がチャンスに変わった瞬間だ。

 ゴールまではまだ40メートル。だが、突然ボールを失った相手の防御ラインはバラバラに崩れていた。テンポ良くパスを回すと、最後は右の大外で一人余ったWTB西川が、力強い走りでボールをインゴールに運んだ。瞬く間の勝ち越しトライに、藤原監督も「ポイントへの集散ではやや上回っていたので、チャンスはあると思った。相手を差し込んだ最初のタックルに尽きる。一気に流れが変わった」とうなずいた。

 全国屈指の華麗なパスラグビーが最大の強みだが、大一番で選手たちがこだわったのは激しい防御だ。前半のキックオフからCTB江川が気合の入ったタックルで仲間をもりたてると、故障明けのフランカー西山もビッグタックルを連発。「(パス主体の)きれいなラグビーに見えるかもしれないが、それも泥臭いプレーを徹底してこそ」と西山。ガツガツと体をぶつけ、地道に流れを引き寄せた。

 互いに切磋琢磨(せっさたくま)してきた東福岡から花園で初めて勝利し、藤原監督も「非常に大きい。選手の自信にもなる」とその意味を強調する。頂点へ、あと1勝。悲願の単独優勝で、チームの歴史に新たな一ページを刻む。【角田直哉】

98キロ、一瞬で加速

 ○…桐蔭学園のフッカー紀伊遼が、フロントローらしからぬ「速さ」で決勝進出に貢献した。前半25分、相手陣22メートルライン付近からの左展開でボールを受けると、スピードに乗って相手防御線を突破し、トライを奪った。前半9分にもバックスの攻撃ラインに加わりトライのお膳立て。173センチ、98キロの体格も、中学途中までCTBだった走力が光り、「瞬間の加速でゲインしている」と納得顔だ。3回戦で左足甲付近を痛めて準々決勝は欠場。けがの影響を感じさせない動きで「100%でプレーできている」と頼もしかった。

東福岡、意地の密集戦 17点差一時逆転

 一時は17点差から逆転する意地をみせた東福岡だが、2年連続で決勝への道を阻まれた。7点差で折り返した後半4分、1年間取り組んできたモールが威力を発揮した。相手陣25メートルでのラインアウトからモールを組むと、ゴール前まで一気に押し込み、最後はフッカー福井がトライ。ゴール成功で同点にすると、3分後には密集から持ち出したプロップ木原が勝ち越しトライ。さらに21分にもゴール前10メートルからモールで押し込み、トライを挙げた。小柄ながら鍛え上げたFW陣が本領発揮し、福井は「日本一のモールを組めた」と胸を張った。

 昨春の全国選抜大会で密集戦での劣勢から桐蔭学園に敗れたことを契機に、徹底的に鍛え上げてきた。だが、「ブレークダウン(ボールの争奪戦)での精度の高さ、ここ一番でのスピードと、相手が上手だった」と藤田監督。優勝候補と注目を集めた前回、挑戦者として臨んだ今大会も頂点には届かなかった。主将の福井は「後輩たちが来年、やってくれる」と思いを託した。【佐野優】

東福岡(福岡) 反3

 2 2 1 0 17 3 3 0 0 21 38

 T G P D  前 T G P D  後  計

 3 3 1 0 24 3 2 1 0 22 46

桐蔭学園(神奈川) 反5

 ▽主審=木村陽介

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記事(提供:毎日新聞/2019/1/6 16:25)

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