第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会

大阪桐蔭31-17流通経大柏 大阪桐蔭、悲願へ綿密 流経大柏、押し切れず

準決勝(5日・東大阪市花園ラグビー場)

 大阪桐蔭が逆転勝ち。5点を追う前半12分、ゴール前左中間でのスクラムから左へ展開しWTB野村が同点トライを決め、ゴール成功で逆転。後半は得意のFW戦でトライを奪い、突き放した。流通経大柏はパントキックを多用したが、相手陣で押し切れなかった。

サインプレーで流れ

 今大会初めて先制を許したが、大阪桐蔭の綾部監督は「全く気にしなかった」という。予想通り、直後にバックスが連続トライ。自慢の強力FWの突破に頼らずとも主導権を奪い返し、攻撃の引き出しがチームの総合力の高さを際立たせた。

 バックスを生かすための綿密なサインプレーが、流れを決定づけた。5点を追う前半12分、ゴール前5メートルでのスクラムにボールを入れたのは、いつものSHではなくフランカーの奥井。スクラム左側から投入後すぐさま反対側に回り込むと、つられて相手ハーフ団も同じ方向へ。「(トライを)確信した」とWTB野村。逆の左サイドに展開し、タックルすら受けずにインゴールに飛び込んだ。2分後、ハーフウエーライン付近からSO嘉納が抜け出し、バックスの走力でトライを取った。

 準々決勝までの3試合は接点でFWがボールを制圧し、力で前進を重ね、バックス展開は最小限にとどめてきた。そのため、流通経大柏は極力FW戦を避けようとキックを多用したが、パントの応酬でも負けてはいない。CTB高本のキックなどを起点に攻撃を組み立て、相手陣深く攻め入ったことでよりバックス陣の能力が引き出された。準優勝に終わった前回大会から1年。盤石の状態で、再び最終決戦に臨む。【長宗拓弥】

サポート役、変身

 ○…大阪桐蔭のフランカー河村が普段のサポート役からトライゲッターへと変身した。5点リードで折り返した後半4分、ゴール前のラックから持ち出しトライを決めると、その7分後にも再び密集からサイドを突いてポール下に飛び込み、突き放した。綾部監督も「びっくりした」という昨春以来の公式戦でのトライに、「やるべきことができた」。

 1年生だった2016年12月に練習試合で右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂し、手術とリハビリを経て復帰したのは一昨年10月。準優勝した前回大会はスタンドから応援し、悔しい思いが残った。

 それだけに、決勝に向けて「初優勝で大阪桐蔭の歴史を変えたい」と宣言した。

 ■マイボール

多彩なキックで見せ場 家村健太(3年)流通経大柏・SO

 正確なパントキックで大きく前線を押し上げた。大阪桐蔭の強固なFW陣に加え、走力もあるバックスを警戒し、できる限り相手陣で戦うプランを忠実に実践した。前半28分には相手キックをNO8星野が好チャージしたのを逃さず、すぐさま拾って約40メートルを走りきりトライも決めた。

 昨夏の全国高校7人制大会で日本一に輝いた。少しのミスが失点に直結する7人制を制した経験から「基礎が最も大事」と原点に立ち返り、自信のあったキックにも更に磨きをかけた。相手が捕球しにくいよう強い回転をかけたり、大きな放物線を描いたりと、多彩なパントキックで優勝候補を苦しめた。

 試合後、相監督から「涙を流すな。ラグビーはこの3年間で終わりではない」と語りかけられた。卒業後も大学でラグビーを続け、将来は相監督と同じトップリーグで活躍すると誓っている。それだけに「悔しいけれど、いつか全国制覇して監督に報告したい」。懸命に涙をこらえた。【田中将隆】

流通経大柏(千葉)反3

 2 1 0 0 12 1 0 0 0  5 17

 T G P D  前 T G P D  後  計

 2 2 1 0 17 2 2 0 0 14 31

大阪桐蔭(大阪第1)反4

 ▽主審=松丸力

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記事(提供:毎日新聞/2019/1/6 16:28)

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