第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会

準決勝 桐蔭学園、熱戦制す 頂点かけ、あす大阪桐蔭戦 /神奈川

 第98回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社、日本ラグビー協会、全国高体連など主催)は5日、東大阪市花園ラグビー場で準決勝が行われ、県代表の桐蔭学園は東福岡(福岡)を46-38で降し、3年ぶり6回目の決勝進出を決めた。

 桐蔭学園はAシード校同士の息詰まるシーソーゲームを制し、花園では初めて東福岡に勝利した。決勝は、大阪桐蔭(大阪第一)と対戦する。

 決勝は7日午後2時にキックオフ。桐蔭学園は90回大会で東福岡と両校優勝を果たしてから単独では初となる全国制覇を目指す。【洪〓香、前田葵】

 試合は、目まぐるしく攻守が入れ替わり、逆転に次ぐ逆転の白熱した展開となった。

 「今大会で一番いい(試合の)入り方だった」。藤原秀之監督がこう振り返るように、桐蔭学園は快調な滑り出しを見せる。前半3分、PR鈴木康平選手(3年)が相手ゴール付近のラックからボールを持ち出しトライを決め、先制。スタンドでは歓声と共に「TOIN」と書かれた青いタオルが揺れた。

 さらに3分後、SO津田貫汰選手(同)のペナルティーゴールで3点を追加。観客に緊張感が漂う中、大会屈指の成功率を誇るキッカーのボールは、安定した弾道を描きゴールに吸い込まれた。準々決勝まで7トライのポイントゲッター、WTB佐々木隼選手(同)のトライも決まり、17点をリードした。

 ただ、相手は花園で一度も破ったことのない強豪。FB伊藤大祐選手(2年)の母、知子さんは「最後までわかりません」と真剣な表情を浮かべる。LO紀伊雄介選手(3年)の父、博孝さん(52)は「ミスが少なく、ディフェンスも踏ん張れている。やってやれ!」と鼓舞した。

 だが、東福岡も底力を見せ始める。前半終了間際のトライなどで7点差に詰め寄り、迎えた後半4分。ラインアウトから瞬時にモールを作ると、20メートル以上前進。圧巻のトライを見せた。直後にも3連続となるトライを決め、形勢を逆転した。

 ぼうぜんとグラウンドを見つめる桐蔭学園のスタンド。「うそでしょ……」と落胆の声が漏れた。だが桐蔭学園は再び流れを引き寄せる。後半10分、連続攻撃で逆サイドに展開し、最後はFL渡辺誠人選手(2年)が巧みなステップで2人をかわし、ゴールに飛び込んだ。難しい角度のキックを津田選手が決め、同点とした。

 「後半中盤からボールを奪い直し、つかんだあの8点は大きかった」。藤原監督がそう話すのは後半15分の攻撃だ。渡辺選手のタックルが決まりターンオーバーすると、即座に鮮やかなパス回しを見せ、最後はWTB西川賢哉選手(同)がライン際を駆け抜けた。3分後に津田選手のペナルティーゴールもあり、8点をリードした。

 なおも桐蔭学園は攻め続ける。後半25分、けがから復帰したばかりながら、何度も力強い突破を見せていたHO紀伊遼平選手(3年)が敵陣でボールを持って前進。トライへとつなげた。

 勝利を決定づけるトライを決めたFL西山周作選手(同)は天高く腕を突き上げ、雄たけびをあげた。苦しい戦いを耐え抜いた選手たちをスタンドはバンザイでたたえた。

今大会8トライ

 前半9分、密集から抜け出したHO紀伊遼平選手(3年)からのオフロードパスをWTB佐々木隼選手(3年)が受け取り、東福岡ディフェンスを振り切り、一気にゴールラインまで駆け抜けトライ。佐々木選手の今大会通算トライは8本。チームを勢いづける活躍ぶりにも「自分だけの力ではない」と謙虚な姿勢を見せるが「味方がつないでくれたボールだから」とトライゲッターとしての責任感も強い。決勝戦は兄尚さん(早稲田大4年)が4年前に夢を散らせた舞台。「兄の分まで日本一を取る」と闘志を燃やし続ける。

家族悲願あと1勝

 ○…PRの床田淳貴選手(2年)の母、真樹さん(55)は決勝進出を果たした息子の雄姿に目を潤ませた。3人の息子のうち淳貴選手は末っ子。兄2人も花園に出場。ただ、いずれも決勝で大阪代表に敗れた。「3人全員が花園に連れて来てくれただけでも幸せなのに、3人とも決勝に連れて来てくれるなんて」。三度目の正直で打倒大阪を目指し臨んだ今大会も、大阪桐蔭との決勝を残すのみ。家族の悲願でもある優勝まであと1勝となった。スクラムの最前列で体を張り続ける末っ子に「縁の下の力持ち。先輩たちを全力で支えて」とエールを送った。

東福岡 反3

 2 2 1 0 17 3 3 0 0 21 38

 T G P D  前 T G P D  後  計

 3 3 1 0 24 3 2 1 0 22 46

桐蔭学園 反5

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記事(提供:毎日新聞/2019/1/6 13:11)

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