第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会

準決勝 流通経大柏、一歩及ばず 大阪桐蔭に最後まで善戦 /千葉

 東大阪市花園ラグビー場で開催中の第98回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社、日本ラグビー協会、全国高体連など主催)で5日、流通経大柏は決勝進出をかけて大阪桐蔭(大阪第1)と対戦したが、31-17で敗れた。切れの良いパス回しと高度な技術力を持つ大阪桐蔭を相手に必死で食らいついたが、一歩及ばなかった。【加藤昌平、前田葵】

 試合は早々に動いた。開始8分、ゴール前30メートルにできたラックから渡ったボールをCTBの柳田翔吾選手(3年)が左中間に運んでトライ。ゴールキックは外したが、5点を流通経大柏が先制した。柳田選手の父宣宏さん(45)は「興奮した。優勝するためにここまでやってきた。ここで勝つしかない」と力を込めた。

 勢いに乗りたいところだったが、直後の12分、左右へのパス回しで巧みに陣地を攻め上がった大阪桐蔭にトライとゴールを決められ逆転を許すと、さらに7点を奪われた。流通経大柏も28分、ゴール前40メートルで相手キックをチャージし、SO家村健太選手(同)がこぼれ球を拾って左中間にトライ。家村選手の父元博さん(55)は「大阪桐蔭のプレッシャーを相手によくトライを取った。チーム一丸で最後まで頑張ってほしい」と笑顔で見守った。

 その後、大阪桐蔭がPGで3点追加し、5点差で前半が終了。

 後半も序盤から大阪桐蔭が2トライ。じりじりと広がる点差を前に、選手たちは最後まで諦めなかった。チャンスが訪れたのは後半29分。相手のオフサイドでボールを得た選手たちがパスでボールをつなぐと、ゴール前5メートルにできたラックからボールを受け取ったFL木村倭選手(同)が右中間にトライ。選手たちから久しぶりの笑みがこぼれた。

 試合はまもなくノーサイド。最後まで善戦し、涙で顔をぬらす選手たちに、観客席からは歓声と拍手が送られた。

「日本一」後輩に託す 流通経大柏・3年 葛西拓斗主将

 ノーサイドの笛が鳴り、メンバーが泣き崩れる中、唇をかんで涙をこらえた。3位入賞の賞状を受け取る時も表情を崩すことはなかった。ロッカールームに戻ると、肩をたたいて仲間に声を掛けた。「泣くな。最後まで笑顔、笑顔」

 「日本一を目指す」という旗印を掲げ、チームを引っ張ってきた。相亮太監督も「まじめで能力も高い」と評価する。新チームの主将に選ばれてからは、自身のパフォーマンスにこだわらず、「チームとしての良いプレー」を重視し、それに貢献できるよう動いた。日本一には一歩及ばなかったが、主将として仲間を思いやり、試合後も最後まで涙を見せまいと思っていた。

 ところが、ロッカールームの前で第2試合に臨む桐蔭学園(神奈川)の選手を目にすると、急に涙があふれ出した。選手の中には、小学校や中学で共に汗を流した幼なじみの顔もあった。「同じ関東勢として、決勝で戦いたかった」。悔しさがこみ上げてきた。

 春から明治大に進学してラグビーを続けるつもりだ。流通経大柏で成し遂げられなかった目標は後輩たちに託す。「自分たちがかなえられなかった日本一は、あいつらが取ってくれると信じている」【加藤昌平】

お守りのひも信じ

 ○…ノーサイドの瞬間までベンチで選手をサポートし続けたマネジャーの白井莉乃さん(3年)のカバンにはジャージー形の二つの赤いフェルト製お守りが付いていた。一つは前回の花園出場時に作ったものだが、3回戦の京都成章との試合前にひもが切れ、試合に敗れた。昨春の選抜大会で作ったお守りも、準決勝で敗れた桐蔭学園戦を前にひもが切れた。「お守りのひもが切れたら負けるんだ」

 そして臨んだ今回の花園。白井さんが作った3年生25人分のお守りのひもは、切れないまま準決勝を迎えた。「逆転できる」劣勢の展開にも、「一緒に日本一をとろう」と誓った仲間を信じ続けた。試合後には選手と共に涙を流した。「夢を見せてくれてありがとう」

流通経大柏 反3

 2 1 0 0 12 1 0 0 0  5 17

 T G P D  前 T G P D  後  計

 2 2 1 0 17 2 2 0 0 14 31

大阪桐蔭 反4

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記事(提供:毎日新聞/2019/1/6 13:05)

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