第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会

桐生第一の挑戦/上 霜村メソッド 「大義」「作戦」明確に /群馬

 第98回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社、日本ラグビーフットボール協会、全国高体連など主催)が27日に開幕する。県代表の桐生第一は28日に米子工(鳥取)と対戦する。初戦を前に、就任4年目で初の花園に導いた霜村誠一監督の独自の指導法「霜村メソッド」の秘密に迫る。【菊池陽南子】

 霜村監督は桐生市出身。東農大二高で花園に2回出場、関東学院大時代は全国大学選手権で3度優勝した。その後は三洋電機に進み日本代表でも活躍した。桐生第一で指揮を執り始めたのは2015年。4年目の今年はそれまでと指導法を変えた。

 「やるべきことを明確にし、互いの認識を確認したんです。昨年までは指示が抽象的すぎた。選手たちも行動を起こしにくかった」

 まずチームの目標を明確にするために「大義」を掲げた。なぜ自分たちがラグビーをやるのか--。「地域に応援されるチーム」を目指そうと、日々のあいさつや掃除を徹底し、学校行事の手伝いなど、プレー以外での取り組みを大切にした。

 昨年と同じ顔合わせとなった11月の明和県央との県予選決勝。花園をかけた大一番に桐生第一は「作戦」を立て、細かく「戦略」「戦術」を練って臨んだ。作戦名は「タックル祭り」。霜村監督がその狙いを明かす。「明和県央のアタックはものすごく勢いがある。ボールを持たせて勢いに乗らせないように、タックルを決めることが不可欠だった」。もう一つ巧みな狙いがあった。「『タックル、外すなよ』では、選手たちにネガティブなイメージを与えてしまう。『タックル祭り』なら挑戦しやすい」。さらに「タックル成功率85%以上」「スペースを見つけてボールを運ぶ」などの「戦略」を掲げ、選手たちは作戦を見事に“遂行”した。

 霜村監督は、けが防止のため「栄養、休養、トレーニングのバランス」も重視している。今年はスマートフォンの専用アプリを使い、選手が日々の練習で感じたことや体調などを細かく記入してもらい、それに返事を書くようにした。選手には好評で、新井穂(みのり)主将(3年)は、「面と向かっては口に出さないような、細かい体調の変化もアプリだと伝えやすかった」と話す。

 高校ラグビーではフィジカルの優れたチームが勝ち進む傾向にある。フィジカルの強化はもちろん重要だ。しかし、少子化が進む今、チームの人数をそろえるにも苦心する学校も少なくない。「そうしたチームが強豪校に勝てずあきらめてしまえば競技人口自体が減ってしまう」と危機感を口にする。そんな高校ラグビーの“常識”を覆したい。「スペースの見つけ方だったり、ポジションにとらわれないプレーだったり、頭を使って手順を踏めば、フィジカルの強い選手にも勝てる。花園でそれを示せたら」

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記事(提供:毎日新聞/2018/12/27 13:05)

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