第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会

天理「全員で熱く」 課題克服、ラスト15分全力 /奈良

 東大阪市花園ラグビー場で27日に開幕する第98回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社など主催)の県大会決勝は1995年以来、24年連続で天理と御所実の顔合わせとなった。全国でも指折りの強豪同士の一発勝負は天理に軍配が上がった。3年ぶりに花園への切符を手にした天理の軌跡を紹介する。【姜弘修】

 「魔の15分」。天理の松隈孝照監督がそう振り返る昨年の県大会決勝は、天理が前半を19ー0とリードして折り返した。だが後半の残り15分間で御所実に3本のトライとゴールを決められ、21-19の逆転負け。

 けがで当時、スタンドから応援していた福島脩登副主将(3年)は、結果に驚がくする一方、同じくけがで隣にいた3年生の先輩が流していた涙が忘れられない。「自分も悔しくて、この先輩の分まで来年は絶対に勝とうと思った」

 松隈監督は今年の決勝前、昨年の決勝の映像を何度か見返したという。「当時はまさか負けるとは思っていなかったが、どんな状況に陥っても、きちっとプレーしないと崩れていく。原因はちゃんとあった」と振り返る。

 新チームを任された照井悠一郎主将(3年)は「ラスト15分で相手に流れを持っていかれたのは、パスやタックルなど一つ一つの基本プレーの質。新チームでは、そこにこだわった」と話す。

 御所実の各試合のビデオを繰り返し全員で見て、プレーの傾向を徹底して分析。A(先発)チームを相手にBチームが仮想・御所実となり、練習の中で対策を積み重ねた。週2回はひたすら走り込んであえて体力的に追い込んでから、いかに気持ちを崩さず、声を掛け合うかを課す練習も取り入れた。これも「ラスト15分」へのこだわりだった。

     ◇

 いよいよ迎えた11月18日の県大会決勝。立ち上がりにいきなりトライを奪われた。攻め手を探る中で、照井主将らはFW攻撃に「前に出られている」と手応えを感じ、FW陣も「いける」とチームの意見が一致した。敵陣ゴール前でラックからFWが仕掛ける作戦に切り替え、前半終了間際にようやく7-5と逆転に成功した。

 後半もその戦術を徹底し、15-5とリードを広げた時、残り15分の時間帯を迎えた。照井主将はチームに声を掛けた。「さらに全員で熱くやろう」。御所実は左右に大きく展開して天理の防御を揺さぶり、トライ目前まで走られる場面もあったが、今秋の国体で優勝した御所実の得点を最初の1トライだけに抑えてみせた。

 小川大海副主将(3年)は「しんどい状況で動けるよう練習を重ねてきた。左右に揺さぶられても、相手より運動量を多く動けた」と振り返った。

 御所実の「壁」を3年ぶりに越え、歓喜した選手たち。次は本来の目標の「日本一」に挑む。松隈監督は「運動量ではどこにも負けたくない」と調整に余念がない。今チームでは初となる花園の舞台で、純白のジャージーが間もなく躍動する。

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記事(提供:毎日新聞/2018/12/26 15:14)

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