第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会

静岡聖光学院、週3回・60分練習で花園出場 「時短」で量より質追求

 短時間の部活動で効率的な練習を心掛け、全国大会でも結果を出す高校が増えている。27日に東大阪市花園ラグビー場で開幕する全国高校ラグビーフットボール大会に出場する静岡聖光学院(静岡市)もその一つで、練習は週3回、1日約60分と少ないが花園の常連校だ。長時間の練習が「ブラック部活動」などと言われて社会問題になる中、量より質を追求する練習でこれまでの「常識」に一石を投じている。【松岡大地、写真も】

 練習はあっという間に終わった。花園開幕を目前に控えた12月上旬、午後4時からタックルやパス回しの練習をした静岡聖光学院の選手たちは、1時間後には制服姿で帰路に就いた。

 同校は文武両道の方針を掲げ、部の練習も火、木、土曜日に限っている。平日は11~1月が60分、2~10月は90分、土曜日も最長で120分。スポーツ特待生もいないが、2009年に初の花園出場を果たし、14、15年は初戦を突破した。

 部の基礎を築いたのは07~13年に監督を務めた星野明宏副校長(45)。短い練習時間でも結果を出せるよう内容を圧縮し、肉体的にも頭脳的にも「60分しか持たない練習メニュー」を考案した。給水では、水筒を置いた場所までダッシュし、タックルを意識して低い姿勢で急停止するように工夫。ミーティング時間もトライを取った後を想定して1分などと区切ったほか、選手に目標を定めさせることも徹底した。「『何となく』の練習を排除すれば必ずしも長時間の練習は必要ない」と星野副校長は話す。

 さらに3年生の風間悠平選手(18)の発案で、今年9月に「部活動サミット」を同校で開いた。短時間の練習で成果を出しているチーム同士がノウハウを共有する狙いで、県内外6チームが参加した。サミットでは広島県立安芸南サッカー部の取り組みが注目を集めた。週2日の全体練習以外は、各自の主体性に任せている。畑喜美夫監督(53)は前任の県立広島観音で06年に高校総体優勝を成し遂げた。安芸南には11年に赴任し、県内強豪校に成長させた。畑監督は「必要とされているのは自ら考えて動く力。生徒たちに社会で必要な力を身につけてもらいたい」と狙いを語る。

 運動部の過度な負担を見直そうと、スポーツ庁は3月、休養日を週2日以上設けるなどの指針を示し、部活動改革に乗り出している。風間選手は「短時間練習だからこそ、自ら考えて練習してきた。それでも成果を出せる新たな価値観を示したい」と意気込む。

優勝6度の東福岡も「短時間集中型」

 花園で6度の優勝を誇る強豪の東福岡(福岡市)も、質を追求する練習で「常勝軍団」を作り上げてきた。授業後の練習時間は2時間ほどの「短時間集中型」で、選手の休みも明確化されている。

 東福岡の練習メニューはグラウンド脇のホワイトボードに細かく書かれている。その日の練習内容と時間が記され、月単位での練習メニューも明記。選手たちはそれぞれがボードに目を通して練習を始めていく。朝の筋力トレーニングでも上半身や下半身など鍛える部位が日付ごとに決められている。【宗岡敬介】

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記事(提供:毎日新聞/2018/12/19 13:02)

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