第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会

3回戦 石見智翠館、下克上ならず ベスト16、健闘に拍手 /島根

 第98回全国高校ラグビーフットボール大会(日本ラグビー協会、毎日新聞社など主催)に出場している県代表の石見智翠館は1日、3回戦に臨み、Aシードの桐蔭学園(神奈川)と対戦。「ノーシードから下克上」と優勝候補に挑んだが43-17と敗れベスト16で敗退した。健闘を見せたフィフティーンにスタンドからは大きな拍手が送られた。【前田葵】

 前半7分、パスミスから反則を取られ、桐蔭学園にPGで先制を許す。しかし石見智翠館はすぐさまラックでSH田原慶人選手(3年)がプロップ秋枝健太選手(同)の懐にボールを押し込み、そのまま120キロの巨体で前進。さらに22メートル中央ラックから右にパスで展開し田原選手が中央にトライし、ゴールも決めて逆転した。

 25分に再び逆転されるも、石見智翠館の大会最大級FW陣が桐蔭学園を阻み一進一退が続く。流れをつかもうとキックオフボールを争ったNO8武内慎選手(同)がシンビン(一時退場)で人数不利に。「握りかけていた試合の主導権を手放してしまった」(武内選手)。またもトライを奪われ17-7で前半を終えた。

 後半も立ち直れず10分までに、桐蔭学園の3トライで突き放される。それでも石見智翠館は19分、スクラムから左に展開しWTB谷仁之介選手(3年)が執念のトライ。さらに相手陣深くでボールを取り返すと右に展開し、途中出場のFB久富連太郎選手(2年)がトライと食らいついた。

 点差が開いた試合終盤でもディフェンスが粘る。ゴール直前の攻防は29フェーズを数えた。36分、力尽きてトライを奪われたが、ゴールキックに全員で圧力をかけ、不成功の旗が上がったところでノーサイドを迎えた。

最高の監督、出会い感謝 プロップ・秋枝健太選手(3年)

 120キロの巨体で高校日本代表候補にも名を連ねる。「Aシードと対等だ」と見せつけるような前半の攻防で逆転のトライにつながる一歩を生んだ。最前列で体を張り続けたプロップ秋枝健太選手(3年)は涙をぬぐいながらグラウンドを去った。

 下関市出身。中学時代は素行が良い方ではなく、生徒指導に度々呼ばれた。学校の先生は「自分を怒る人」。その考えは安藤監督に出会い変わった。何度も勧誘に訪れ、練習を見学に行けばご飯に連れていってくれた。推薦が取れなくても一般入試で入学できる方法を探してくれた。「こんな先生今までいなかった。安藤先生がいなかったら今の僕はない」。

 「お前のラグビー人生終わったな」。進学前、福岡県選抜の仲間から言われたこともある。日本一の常連・東福岡の勧誘を袖にし、当時8強が最高だった石見智翠館を選んだからだ。

 最高の監督の下、日本一という結果で自分の選択の正しさを証明し、恩返しをするという夢は半ばで破れた。「安藤先生を胴上げしたかった……」。【前田葵】

石見智翠館 反8

 1 1 0 0  7 2 0 0 0 10 17

 T G P D  前 T G P D  後  計

 2 2 1 0 17 4 3 0 0 26 43

桐蔭学園 反5

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記事(提供:毎日新聞/2019/1/3 15:15)

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