第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会

日本航空石川/下 若いコーチ陣、監督支え 指導に工夫、躍進の原動力 /石川

 全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社など主催)で日本航空石川を14大会連続出場に導いた小林学監督(49)には、昨年4月から学校長という肩書も加わった。グラウンドに足を向ける回数は以前に比べ減ったが、若いコーチ陣の支えも得ながら指導法を工夫している。

 輪島市の同高校舎2階にある校長室。「ちょうどグラウンドが見える位置にあるので、(練習の様子を)ちらちら見ることもあります」。小林監督は苦笑する。会議や教諭からの教務報告など、平日は身動きが取れない。もどかしさを感じる一方で、山田直樹(25)、日本航空石川OBでもあるシアオシ・ナイ(29)両コーチへの信頼度は増した。

 山田コーチは今年から部長としてチームのスケジュール調整を任されている。「小林監督の負担を少しでもなくすことができれば」。愛知学院大までは主にCTBとしてプレー。5歳下の弟悠太さんが日本航空石川OBだった縁もあり、昨年4月に着任した。バックス陣の底上げという役割も期待されており、「小林監督やナイ・コーチに学ぶことは多い」と語りつつ、歩み始めた教員人生に充実感も得ている。

 2005年から同校が受け入れているトンガ人留学生の1期生だったナイ・コーチは、13年からコーチとして母校に戻ってきた。チームの大黒柱、NO8アサエリ・ラウシ選手(3年)にとっても心強い存在だ。ナイ・コーチいわく「約束の時間に30~40分遅れても平気というマイペースさがある」トンガ人の気質を、時間に正確な日本式に順応させるところから始め、いまや中心選手に。高校日本代表候補に選出されるなどラウシ選手には注目が集まるが、「学校、トンガの代表として責任感を持たせないと」と、手綱を緩めない。

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 学校側の協力もあり、小林監督は外部コーチの招へいも積極的に行っている。近年重視しているのは、筋力、体力を正しい方法で使わせるストレングス&コンディショニング(S&C)。日本代表のS&Cコーチを務めた村上貴弘さん(45)に相談したことをきっかけに、現在は村上さんが代表を務めるフィットネス会社のスタッフ、林嵩之さん(28)が月2回のペースで東京から出張してくる。

 今月20日、林さんはサッカーで取り入れられている「リウオーミングアップ」の考え方を選手に伝えた。ハーフタイムで下がった体温を戻すため、後半に入る際は9割の力で自分のポジションまでダッシュして心拍数を上げる。「相手のコンディションが整っていないときに自分が万全なら、それだけ優位に立てる」。林さんの言葉を、選手たちは熱心にノートに書き留めた。

 離れていても効果的な練習ができるように、林さんはストレッチの仕方を動画などで送信。小林監督と選手全員で共有している。林さんは「自主トレーニングする選手も増えている。いい文化ができていますね」と手応えをつかむ。

 「(コーチ陣が)やりやすいようにやらせたい」と小林監督。大局的な視点が、近年の躍進を生んだとも言える。【岩壁峻】

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記事(提供:毎日新聞/2018/12/26 15:03)

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