高校ラグビーの3大タイトルの1つ「全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会」。その出場校を決める大阪大会が6月7日・8日に行われ、激戦区・大阪の代表校が決定しました。

 6月7日の予選リーグ、8日のグループリーグ・決勝トーナメントを勝ち抜いて決勝の舞台に進んできたのは、準決勝で近大附属に圧勝し2年連続出場を狙う大阪桐蔭と、常翔学園との接戦を制して7人制では3年ぶりの全国を目指す東海大大阪仰星。大阪を代表する強豪同士が激突しました。

「自分たちで全国を掴みとろう」意識共有し全員がひたむきなプレー

 大阪桐蔭のキックオフで始まったこの試合、先制したのは東海大大阪仰星でした。キックオフのボールをしっかりキャッチすると、自陣からテンポよくボールをつないで、大阪桐蔭陣内深くに攻め込んでいきます。最後は、小出壮太郎選手がタックルを振り切ってトライ。東野栞太選手がゴールも決めて7対0。開始直後の最初の攻撃でリードを奪います。

 次のキックオフ。ボールをしっかり確保して反撃に出たい大阪桐蔭でしたが、東海大大阪仰星の鋭いプレッシャーの前に、なかなか攻撃を継続できません。東佑太主将が「このセブンズに全員でかけよう!自分たちで全国(の切符)を掴みとろう」と意識を共有してきたという東海大大阪仰星は、全員がひたむきなプレーを続けて、大阪桐蔭の攻撃を寸断すると、チャンスを確実に得点につなげていきます。直後の攻撃で2つ目のトライを奪うと、5分過ぎには、小池慶太郎選手が上手くディフェンスのギャップをついて中央にトライ。15人制ではSHを務める小池選手のスペースを見つける素早い動きが光りました。

 こうなると東海大大阪仰星の勢いはとまりません、キックオフのボールをキャッチミスするなど、攻撃のリズムがつかめない大阪桐蔭に対して、前半終了間にも米谷翔馬選手が力強い突破で中央にトライ。前半で28対0として、試合の流れを完全に引き寄せました。

 それでも、前回王者の意地を見せたい大阪桐蔭。後半に入ると、粘り強く攻撃を継続しながら東海大大阪仰星のトライラインに迫っていきます。しかし、全員が集中力を切らさずハードワークを続ける東海大大阪仰星の前に、あと一歩のところで得点に結びつけることができません。

東海大大阪仰星・湯浅監督「この勝利はセブンズだけでなく夏以降にもつながる」

 大阪桐蔭の猛攻をしのいだ東海大大阪仰星は、後半5分過ぎ、自陣の深い位置からキックを使って一気にエリアを回復すると、最後は松塚悠真選手が自ら大阪桐蔭ディフェンスの裏に蹴り込んだボールを見事にキャッチして、そのまま中央にトライ。ゴールも決めて、35対0として勝負を決定づけました。試合終了間際にも、ダメ押しのトライを加えた東海大大阪仰星。難敵・大阪桐蔭に42対0と完勝して、3年ぶりに「全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会」への出場権獲得です。

 「この2年間、15人制も含めて大阪桐蔭という相手に勝てていなかったので、自分たちの手で(勝利して)全国を掴みたいという気持ちが強かった。全員の勝ちたいという強い気持ちがしっかりと前に出てこの点差につながった」と東主将が振りかえると、湯浅大智監督も「この勝利は、セブンズだけでなく、(15人制を見据えた)夏以降にも間違いなくつながる」と語った東海大大阪仰星。セブンズはもちろん、15人制(の自信)にもつながる確かな手ごたえとともに、7月に長野県の菅平で行われる全国の舞台に立ちます。

<大阪府予選 カップ戦>

▼準決勝
大阪桐蔭    52―0  近大附属
東海大大阪仰星 21―17 常翔学園

▼決勝
東海大大阪仰星 42―0 大阪桐蔭