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雨が止んでも…「天然ダム」「ため池」の決壊に注意 

更新:2018/07/12 19:21

 死者が188人に達するなど甚大な被害をもたらした大雨。近畿でも、危険な状態はまだ続いています。特に警戒が必要なのは、兵庫に多い「ため池」や土砂崩れによって川がせき止められた「天然ダム」。中国地方では実際に被害を招いていて、雨が降り止んでも気を緩めてはいけません。

 大阪市にある近畿地方整備局の風水害対策本部には近畿各地に2300か所ある河川カメラの映像が集められ、今も24時間体制で警戒が続けられています。その一つが京都府北部を流れ、今回も流域が浸水するなど被害を出した由良川です。その支流が今も危険な状態だといいます。

 「福知山市大江町の上空です。なぎ倒された大量の木が水の流れをせき止めています」(古東千由カメラマンリポート)

 福知山市を流れる由良川の支流「谷河川」。土砂崩れで流れがせき止められ山あいに大量の水がたまっています。人工的に造られたダムのような形から「土砂ダム」や「天然ダム」と呼ばれる状態に。広島では、市街地を流れる榎川が雨がやんでから3日後に氾濫しました。上流の「天然ダム」が決壊したことが原因の一つとみられています。福知山市の「天然ダム」も決壊すれば水が下流の集落に押し寄せる恐れがあり、17世帯39人に避難勧告が出されています。

 「まだメドが立ってないって言われとるんや。僕らには何にもわかりません」(避難地域の住民)

 たまった水はピーク時の3分の1まで減っていてすぐに決壊する可能性は低いということですが、近畿地方整備局は水位を観測するカメラを設置しポンプでの排水作業も検討しています。

 「(今後の雨で)水位が上がって水が天然ダムを越流すると、天然ダムが決壊する危険があると言われているので、そういった状態には注意をしていく」(京都府中丹西土木事務所 角豊一さん)

 一方、兵庫県宍粟市を流れる道谷川でも大雨で斜面が崩落し「天然ダム」が発生。付近にあった畜産農家の牛舎や倉庫などが水に浸かりました。

 Q.辺りが水浸し?
 「もうここがダム状態で…。コンクリートの壁があるでしょ?(水が)あそこを超えていたんですよ。2メートルくらいあるんじゃないかな」(畜産農家 岸本章弘さん)

 牛舎には、但馬牛など肉牛30頭がつながれていました。

 「まっすぐ歩いてくれたたらええけど、そんなわけにいかんからね。牛も興奮してるから」(岸本さん)

 岸本さんは水に驚いて暴れる牛を1頭ずつ引っ張り、高台にある完成したばかりの新しい牛舎へ避難させたといいます。ギリギリ脱出に成功した牛たち。まだ小さな子牛もいました。

 「子牛は首だけ出てた状態」(岸本さん)
 Q.この子牛が一番危なかった?
 「一番最初に救出せなんだら…」

 いずれは神戸ビーフになることが期待される高級な但馬牛もすべて無事でした。

 「ここまで育てようと思ったら生まれてから30か月かかる。こんな山の中でこんなことになるとは思わなかった」(岸本さん)

 「決壊する可能性があります。住民の方はすみやかに高台に避難してください」(警察官 広島・福山市 11日)

 もう一つ、いま警戒されているのが「ため池」です。広島県ではため池が決壊する恐れがあるとして、11日新たに避難指示が出ました。

 広島県には全国2位となる2万近くものため池がありますが、その倍以上の4万を超えるため池があるのが兵庫県です。東日本大震災では福島県のため池が決壊し8人が犠牲となり、兵庫県でもその後、ため池の改修工事などが行われてきました。兵庫県は「今回の大雨による危険なため池は確認されていない」としていますが、引き続き2次災害への警戒を呼び掛けています。


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