iPS細胞を活用した『1型糖尿病』患者への治験。移植に成功との発表です。
(京都大学病院 矢部大介治験責任医師)「十分に成功したというふうにわれわれは認識しています」
京都大学病院は、膵臓の細胞が正常に働かずインスリンが分泌されなくなる『1型糖尿病』について、iPS細胞から作った膵臓の組織を患者に移植することに成功したと発表しました。
実施した治験の内容は、膵臓などの移植が必要な患者に対し、インスリンを分泌する膵島細胞を健康な人のiPS細胞から作製しシート状に加工したものを、腹部の皮膚の下に移植するというものです。今年2月に初めて移植手術を受けた40代の女性は、インスリン注射が今も必要ですが、1か月が経っても経過は良好だということです。
京大病院は、研究が進めば、血糖値をコントロールするために毎日打っている注射が不要になることが期待できるといいます。
(京都大学病院 矢部大介治験責任医師)「第1例が始まったところですが、将来的に大いに期待しているところです。より一般的な治療として1型糖尿病でお困りの方々に届けられたら幸いです」
治験は今後、有効性の確認も行われ、2030年代の実用化が目指されます。