約40年前に大阪空港公害訴訟の審理を担当した元最高裁判事が在任中に記したノートが一般公開されました。当時、最高裁長官が介入したとする記載もあります。
龍谷大学で始まった元最高裁裁判官・團藤重光氏の生誕110周年を記念した特別展では、売春防止法の立法に携わった時のメモなど約10万点のうちの一部が公開されています。團藤氏は1981年に伊丹空港の周辺住民が夜間飛行の禁止を国に求めた「大阪空港公害訴訟」の審理を担当しました。團藤氏が在任中に記したノートには、国の意向を受けた当時の最高裁長官が「判決前に介入した」として、「この種の介入は怪しからぬことだ」と怒りを露わにした内容が記されています。大阪空港公害訴訟の審理について元最高裁長官から「介入」があったことについて、調査チームは「三権分立に関わる重大な記述」だと分析しているということです。
(龍谷大学法学部 畠山亮教授)
「とりわけ弱者の救済といったところから、あり方を問い直すというところに、少しでも一石が投じられればいいなというふうには考えております」
ノートが一般公開されるのは初めてで、特別展は6月4日まで開かれています。