11月25日に判決を迎える森友公文書改ざん訴訟。判決を前にした妻の思いとは。

 赤木雅子さんは、4年前に財務省近畿財務局の職員だった夫の俊夫さんを亡くしました。

 (赤木雅子さん)
 「最近は手を合わせるというか、お線香をあげますのと、『おはよう』とか話しかけたり、話をする感じですね」

 俊夫さんは森友学園への国有地売却をめぐり、財務省の決裁文書から安倍晋三元総理の妻・昭恵氏の名前や事前交渉を伺わせる部分を削除するなどの改ざんを強要されて、うつ病を発症し、自ら命を絶ちました。

 (安倍晋三元総理 2017年)
 「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということを、はっきりと申し上げておきたい」

 この国会答弁に端を発し、当時の佐川宣寿理財局長が決裁文書を「外に出すべきではない」と反応。これを部下らが「直す必要がある」と認識したことが改ざんに繋がったとされています。しかし具体的な経緯や指示系統は明らかにされませんでした。

 “真相が知りたい”。雅子さんは2020年3月、国と佐川氏を相手取り慰謝料など計約1億1000万円を求めて裁判を起こします。そして去年6月に事態が動きました。夫の俊夫さんが改ざんの経緯を記した「赤木ファイル」が国側から証拠提出されたのです。そこには俊夫さんが改ざん指示に対して抗う内容のメールが残されていました。

 (赤木雅子さん)
 「こんなことするべきじゃないっていうメールを出していたことが知れたのが、すごく夫は頑張っていたんだなと。そんなに苦しんでいたんだなというのを知ることができたので良かったと思っています」

 ところが去年12月、国側が突如、賠償金を全額支払う意思を示し、いわば裁判は“強制終了”し、真相はまたも遠のきました。

 (赤木雅子さん 去年12月)
 「『ふざけるな』と思いました。お金を払えば済む問題じゃないです。私は夫がなぜ死んだのか、なぜ死ななければならなかったのかを知りたい」

 唯一残された裁判は佐川氏に対する訴えのみ。ただその裁判も、雅子さん側が求めた佐川氏本人や部下などの尋問は裁判所に認められず、財務省側のキーマンが1人も出廷しないまま、今年11月25日の判決を迎えます。

 (赤木雅子さん)
 「死ぬようなことを何でしなきゃいけなかったのか。死なないで解決する方法はなかったのかなとか。(佐川さんには)どこかで語ってほしかったし、法廷で語れないんだったら、私に直接、夫に手を合わせてほしいし話してほしいと思います」