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学生らが開発した超小型人工衛星が宇宙へ アマチュア無線家同士を“つなぐ”役割期待
更新:2021/02/23 18:00
大阪府立大学の学生らが開発した超小型の人工衛星「ひろがり」が、2月22日に国際宇宙ステーションに到着しました。この衛星はティッシュの箱ほどの大きさですが、非常に大きな可能性を秘めています。
重さ2.4kgで片手でも持ててしまう人工衛星「ひろがり」。大阪府立大学には学生主体で衛星を開発する研究センターがあり、「ひろがり」は2機目となる衛星です。4年前に室蘭工業大学と始まった共同開発は、コロナ禍による中断などを乗り越え、去年8月に完成しました。
(大阪府立大学4年 仲瀬寛輝さん)
「(衛星から)展開する構造物にも太陽電池とかを搭載できるようになれば、より大きな電力が得られますし、それによって達成できるミッションも大きく広がるんじゃないかなと。」
太陽光パネルに見立てた厚みのあるプラスチック板を収納していて、実際に宇宙空間で板を広げることができれば、将来、太陽光発電を宇宙で実現できる可能性が生まれてきます。
「ひろがり」という名前には交流の輪を“ひろげる”という思いも込められていて、地上のアマチュア無線機との間でメッセージを送受信できます。
(大阪府立大学4年 仲瀬寛輝さん)
「アマチュア無線家さんは衛星からの電波を受信することはあったんですが、衛星に電波を送り届けるということは今まであまりなかったです。双方向の送受信を可能にすることで、アマチュア無線家さん同士を『ひろがり』を通してつなげられる。」
そして、今年2月21日、「ひろがり」を載せたロケットがアメリカから打ち上げられました。府立大の学生らが見守る中、ロケットから分離した補給船が2月22日夜に無事に国際宇宙ステーションに到着しました。
(大阪府立大学修士1年 前田陽生さん)
「自分たちが宇宙に行くすごいものを作っているんだという実感がないので…。ただこうしてちゃんと宇宙に行ったというのを見届けられたのはすごくうれしいです。」
(大阪府立大学4年 仲瀬寛輝さん)
「ひとまず安心しております。実際に僕たちが作ったものが宇宙上で使われるということで、すごい緊張感と、これからスタートなんだという実感もすごく湧いてきました。」
「ひろがり」が国際宇宙ステーションから宇宙空間に放出されて実証実験がスタートするのは今年春ごろの予定です。