≪関西のニュース

神戸大・岩田教授が話す『追い込まれ緊急事態宣言』問題は“風邪と死亡”の二面性に

更新:2021/01/13 17:55

 今回の緊急事態宣言で本当に新型コロナウイルスの感染拡大は抑えられるのでしょうか。

 去年2月、新型コロナウイルスの感染者が712人という大規模クラスターとなったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」での、ずさんな感染症対応の実態を告発した神戸大学大学院医学研究科の岩田健太郎教授に聞きました。

 (Q今回の内容で、十分なのか不十分なのか、見解は?)
 「表面的には十分ですが、結果的には不十分です。“出勤者の7割削減を目指す”という言葉があります。こういうメッセージの出し方はダメです。例えば諸外国だとどうするかというと、『どうしても出勤しなければいけない人以外は出勤しないでください』とメッセージを出す。その結果、出勤者が7割くらいになる。ところが最初から『7割でいいですよ』と言うと、結局6割にも5割にもならない。飲食店もそうです。厚労相が言っていましたが、昼だったら飲んでもいいのかというと、もちろんそんなことはない。ウイルスは昼も夜も関係ないわけです。『昼も夜も関係なくとにかく飲食店には行かない』『会食はしない』というメッセージを出して、結果的に夜の飲食店のインパクトを減らすというふうにしないといけなかった。」

 政府のメッセージが不十分だと指摘する岩田教授。そもそも今回の緊急事態宣言は、政府の「追い込まれ宣言」だといいます。

 「去年の第2波の時に感染者を減らすことは十分にできたはずなんです。そこで完全に抑え込んでいれば、第3波は発生しなかったし、今みたいな緊急事態宣言の発出を強いられる必要もなかった。あろうことか、GoToキャンペーンみたいな、まったく逆のキャンペーンをやってしまって、感染の増大に拍車をかけてしまったと。拍車がかかって、第3波が出た時に、あわてて抑え込むのではなくて、そのままGoToを継続して。結局どうしようもなくなってしまって、緊急事態宣言を出さざるを得なくなった。計画とかビジョンがなくて、追い込まれて、なってしまった。」

 しかし、緊急事態宣言が出ても、人々の行動が変わるのはなかなか難しいと言います。

 「新型コロナウイルスは9割以上の方はまったく症状が出ないか軽い風邪で終わってしまう。“大した問題ではない”という人がほとんどであるがゆえに、その人たちがどんどん感染者を増やしてしまう。その増やした先には、重症者が出て、死亡者が出て。今も毎日のように死亡者が増えて、気が付けば4000人が亡くなっている。実際に街を見ても何にも変わっていない。日常生活の中で人知れず病院で何千人という方が亡くなっている。その二面性のギャップに人々のイメージが追い付いていないし、だからこそ一致団結しにくい。一致団結しにくいからこそ、謙虚に事実を見据えて、我々が一致団結できるようなメッセージを一緒に考えていくことが重要だと思います。」


最近の関西ニュース