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「鏡餅発祥の地」が滋賀県に “まぼろしの味”復活で町おこし

更新:2019/01/11 19:22

 1月11日は正月に飾った鏡餅をいただく「鏡開き」。この鏡餅の発祥の地とされる地域が関西にありました。地元以外ではあまり知られておらず、餅の生産も途絶えていましたが、幻の味が復活し、町おこしも始まっています。

 神様にお供えした鏡餅を割る鏡開き。鏡餅を食べると今年1年、無病息災で過ごせると言われています。日本の新年を彩る鏡餅。その発祥の地が滋賀県にあるそうなんです。それが、琵琶湖の南東に位置する野洲市です。

 「あたり一面に田畑が広がっていて見るからに『米どころ』という感じがします。ここ野洲市の大篠原が鏡餅発祥の地だといいます」(記者リポート)

 鏡餅発祥の地というのは本当なのか。地元の人たちに聞いてみると…

 「神社ありましたやん、餅の宮神社」
 「村に住んでいる人は知っていると思います」

 集落の中には「もちのみや通り」と書かれた石碑と、臼のようなモニュメントも。その「もちのみや通り」を進んでいくと、ひと気のない森につながっていました。ここは国宝・大笹原神社。国宝なのに地元以外ではほとんど知られておらず、「日本一寂しい国宝」と言われることも。

 「こちらが(大笹原神社の中にある)篠原神社、または『餅の宮神社』と言われるお社になります」(大笹原神社 淺田雅智宮司)

 境内にあったのは「餅の宮」。大篠原はかつて「篠原糯(しのはらもち)」と呼ばれるもち米の産地で、この地域で作られた餅は江戸時代、天皇家に献上されるほど上質だったそうです。そして鏡餅のゆかりとなるこんなエピソードが…。

 「ここで作ったお餅は表面が割れずに滑らかな状態で作れて、鏡のようなきれいさがあるということで、鏡餅の発祥と言われるようになりました」(大笹原神社 淺田雅智宮司)

 神前に供える餅が鏡のように美しかったことが、そのいわれのようです。しかし、篠原糯はうるち米などに比べて生産量が少なく、害虫などにも弱かったため、昭和初期に生産が途絶えてしまいました。

 ところが!幻のもち米は人知れず復活していたのです。農林水産省に保管されていた「篠原糯」の種を一部の農家が譲り受け、19年前にわずかながら、生産を再開しました。おととし、鏡餅発祥の地「大篠原」をPRするため、有志らによってもち作りがスタートしたのです。

 担当したのは地元農園の南桂子さん(39)。気軽に食べられるよう、大福を作ることになりました。しかし篠原糯は品種改良などされていないため、加工するのは苦難の連続。つきたては熱い上に柔らかすぎてあんこがうまく包めず、逆に、時間を置くとカチカチに。

 「半年くらい研究しましたね」(南農園 南桂子さん)

 苦労の末、鏡餅の由来となった篠原糯を使った大福が完成しました。早速、地元の人たちに食べてもらいました。幻のお餅、そのお味は…?

 「うまい!篠原の味や!」
 「昔からの作り方を感じます。おいしいです」

 鏡餅の歴史が詰まっためでたい大福。文字通り地元の人たちに大きな福をもたらすでしょうか。


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