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“明石ダコ”が消える!? 記録的不漁の原因は…

更新:2018/10/12 19:20

 兵庫県明石市の名産の「明石ダコ」が記録的な不漁に見舞われています。私たちの生活にも少しずつ影響が出てきているようです。

 真ん丸な卵焼きの中にタコが入った「明石焼き」。ご当地グルメの祭典「B−1グランプリ」で優勝するなど全国的にも注目が集まっていますが、今、タコがピンチに陥っているのです。

 午前11時、兵庫県明石市の東二見漁港ではタコの水揚げが行われていました。

 「ダメ、少ない。全然少ない」(タコ漁師)

 今年は記録的なタコの不漁に見舞われているといいます。

 「20キロほどやな、少ないな。去年やったらこの時期でも100キロ引く船があった」(タコ漁師)
 
 いつもよりは少ない漁師たちの姿。タコ漁真っただ中ですが、漁にすら出られないといいます。

 「燃料代がいるからな。燃料代もとられへんようになったらもう沖に行ってもしゃあないからな。しんどくてやってられないから休んでまうねん」(漁に出ないタコ漁師)

 本当に明石の海からタコが減ってしまったのか?取材班はタコ漁に同行しました。海に仕掛けたタコつぼを引き上げていきますが、あがってくるのは空のタコつぼばかりです。タコがかかっていたものもありますが…

 「タコが小さいやろ。入ってるけど小さいわ」(明石ダコ漁師 西尾俊哉さん)

 成長が遅く小ぶりのものが多いと言います。

 「ここ2、3年は多かってんけどな。今年は特に少ないな(これが続くとなると)貧乏やな。貧乏になってまうわ」(明石ダコ漁師 西尾俊哉さん)

 東二見漁港でも例年と比べて漁獲量が5分の1にまで落ち込んでいるといいます。タコの漁獲量が減っている理由について漁協は…

 「(水温が)7度を割ったら死ぬっていうからね、タコは一応。やっぱり冷えたんかなというぐらいで、原因が何が悪いというのは…」(江井ヶ島漁協 竹本義美理事)

 はっきりした原因は不明ですが、去年の冬の水温低下が影響したのではないかと指摘されています。

 タコ漁が不漁に見舞われたのは今回が初めてではありません。1963年には今でも漁師の中で語り継がれる記録的なタコの不漁となりました。その原因とされているのは…

「寒さに弱いタコが明石の海でほぼ死に絶え、親ダコがほぼ全滅した」(明石市史より)

 海水温の変化が不漁に影響した可能性が指摘される一方、漁師たちは原因は他にもあると訴えています。

 「あちらにたくさんのタコ釣りをするプレジャーボートが見えます」(吉田圭吾記者リポート 2016年)

 明石ダコを求めてやってくる釣り人たちです。

 「(タコつぼを示す)浮きのとこばっかり来るからな。タコつぼ上げるとタコなんて1匹もいない、全部出てしまうから」(明石ダコ漁師 西尾俊哉さん)

 釣り人たちがタコをタコつぼから誘い出してしまうため、漁にならないというのです。明石ダコの不漁は私たちの生活にも少しずつ影響を及ぼしています。

 「値段は高い、夏からずっと。中ぐらいのでも2000円台。2、3割高いんかな、例年より」(鮮魚店の男性)

 タコがないと商売にならない明石焼きのお店は…

 「少ないよ。入ってくるところが天井知らずで仕入れ値上げてくるもん。だから仕入れ値上がってても何にも言わんと払ってるもん」(明石焼き店の女性)

 この店ではタコの仕入れ値が上がっても価格は据え置きにして何とか営業しています。漁師たちは漁獲量を改善させるために子持ちダコを放流するなど対策に乗り出していますが、その姿は明石の海に戻ってくるのでしょうか?


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