今、学校で行われている「金融教育」。実際にファイナンシャルプランナーを招いて授業を行っている高校や、お金の大切さを教えている小学校もあります。

 (岸田文雄総理 2022年10月)
 「新しい資本主義では貯蓄から投資を進め、総合的な資産所得倍増プランを策定いたします」

 「貯蓄から投資へ」を合言葉に国民の資産所得倍増を掲げた岸田文雄総理。「投資」という言葉が突然身近なものになってきました。
2.jpg
 成人年齢が18歳に引き下げられ、クレジットカードの契約や株式の購入なども親の許可なくできるようになりました。そこで必要となってきたのが『子どもに対する金融教育』です。長期的な視点で資産形成を考えてもらおうと、2022年4月から高校の家庭科の授業で金融教育が必修化されました。
3.jpg
 金融教育とはどんなものなのか。取材班が向かったのは兵庫県の伊丹市立伊丹高校。1年生のこのクラスでは、去年4月からお金の専門家を招き、特別授業の枠で金融をテーマに週1回授業を行ってきました。この日、行われていた金融教育のテーマは「株式投資について」です。

 (ファイナンシャルプランナー 西岡奈美さん)
 「お金を出してくれた人の証として株式が行く。自由に売買できるようにしたものを上場株式。『やっぱり株主やめるわ。誰かに売るわ、この株式』っていうことができるようになっています」
4.jpg
 授業ではタブレットを使って実際の企業の株価を検索します。中には大人顔負けの理解も…。

 (生徒)
 「(投資は)よく行くスーパーやショッピングモールなど、身近な企業に投資することにより、会社を応援しているという実感につながります」
5.jpg
 金融教育は小学校でも広がりつつあります。伊丹市立池尻小学校では。

 (ファイナンシャルプランナー 西岡奈美さん)
 「なんでお金ってあるのかな?お小遣いをもらっている人っていますか?」

 小学校でまず教えるのは「お金の大切さ」。キャッシュレス化が進む今、基本に立ち返ってお金の価値を理解してもらいます。
6.jpg
 この日は古い紙幣や硬貨に触ったり、お祭りで予算800円で何を買うかを考えたりしました。

 (児童)
 「(たこ焼き)そんなに食べられへんやろ」
 「僕だったらくじ引き(100円)とラムネ(100円)とかき氷(200円)と金魚すくい(200円)とたこ焼き(200円)を選びます」
 「射的(400円)とフライドポテト(100円)にします。残り(300円)は貯金します!」
7.jpg
 再び、伊丹市立伊丹高校。

 (ファイナンシャルプランナー 竹内かおりさん)
 「アメリカドルと日本の関係なんですけど、今1ドルいくらでしょうか?」

 10か月にわたり、金融教育を受けてきた生徒らは、お金への意識も変わって来ています。

 (生徒)
 「(子どもは)お金の話ってあんまりしちゃいけないっていうイメージがすごく強かったんですけど、授業を受けていくうちにすごく自分のための話になると思って」
 「投資って聞くとお金がなくなっちゃうっていうイメージがあったんですけど、お金が増えるとかメリットもたくさん聞けたのでちょっとやってみようかなって思いました」
 「(お金を貯めて)大きい家に引っ越したいです」