京都府内に近隣住民を困らせている業者版“ゴミ屋敷”について、今年1月にMBSテレビの番組で放送しました。業者には今年2月までにすべての廃棄物を撤去するよう「改善命令」の行政処分が出ていました。放送から10か月がたち、果たして現場はどうなっているのか。業者の社長にも直撃取材を行いました。

天井までうず高く積み上げられた「ゴミ」 近所の住民は火災を危惧

今年1月、京都府久御山町の住宅や工場が立ち並ぶ地域の一角に行ってみると、異様な光景が広がっていました。骨組みがむき出しになった建物の中に、ポリタンクや電化製品などうず高くゴミが積み上げられていたのです。
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(記者リポート ※今年1月の放送より)
「建物の天井までゴミが積み上がっています。プラスチックでしょうか…ガラスもありますね、破片が散らばっています。空気清浄機でしょうか、家電も放置されています」
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大きな袋に詰められた空き瓶に、粉々になったプラスチック、その傍らには子ども用のおもちゃまで積まれています。近くの住民に話を聞くと、ここは廃棄物処理業者が回収してきたプラスチックや瓶などを加工する工場だったといいます。

(近所の住民 ※今年1月の放送より)
「工場というかね、産廃業者かなんか似たようなそんなんだった。火がついた時かなわんね。火事になった時がね。こんなんもう消えへんで」
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この場所を所有する業者の社長に記者が直撃すると…。

(土地を所有する業者の社長 ※今年1月の放送より)
「ある程度片付けるので、その後に見ていただいたら、ちゃんとやっているなとわかると思う」

10か月たっても状況は変わらず?ゴミの中にはハチの巣も

放送から10か月。現場はどうなっているのか、11月上旬に改めて取材しました。すると、細かくなったプラスチックのほか、ペットボトルや空き缶などが道路にも散乱しています。
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今年1月の状況と比べてみると、状況はあまり変わっていないように見えます。
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(取材班リポート)
「ゴミの山です。奥の方もそうですし、天井にいたるまでゴミというゴミが積み重ねられています。ゴミの中にハチの巣ができていますね。長い時間このゴミが動かされていないことを物語っています」

(近所の住民)
「(Qハチが多いですね?)ほったらかしやし、どうしてもね。ハチも多いですね。虫とかカラスがすみついた時もあるしね」
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京都府の保健所は業者に対して今年2月までにすべての廃棄物を撤去するよう「改善命令」の行政処分を出しましたが…。

(近所の住民)
「(改善命令後に変化は?)何度か業者が(ゴミを)取りにきましたけどね。2、3回ぐらいかな。最初バタバタと(改善)命令出てから2回くらい来たんですよ」

以前、取材に応じてくれた近隣住民も変わらず不安な日々を過ごしているといいます。

(近所の住民)
「(Q業者に対して思うことは?)とにかく早くどけてくれと、それしか言えないですね。(Qどんな感情ですか?)言うたらなんぼでもあるけど、それを言わんように行政がうまくやってくれたらそれでええねんけどね」

京都府の保健所担当者「行政代執行は非常に厳しい」

では、行政側が代わりに撤去することはできないのでしょうか。府の保健所に聞きました。

(京都府山城北保健所環境課 杉原道生さん)
「改善命令後、計5回にわたって撤去はされております。ただ少量ずつでありますし、もっと頻度をあげるようにと、量を増やすようにというような指導は継続しているところでございます。(行政が代わりに撤去するのは)多額の税金を使うということでありますし、その後の(撤去費用の)徴収ができるかどうかその辺のことも危惧されますので、行政代執行は非常に厳しいと考えております」

府はあくまで『指導を強化していく』としていますが、業者による本格的な撤去作業は行われないままです。

直撃取材に業者の社長「片付けは今やっている」

そこで再び業者の社長に直撃取材を試みました。自宅のインターホンを押しても反応はありません。待つこと30分…すると、社長が車に乗って帰ってきました。
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(取材班)「すみません、毎日放送です」
 (社長)「前もお話ししたけど、片付ける件やろ。今やってるんやわ。業者に頼んで月1回やって。土地の売却を含めてやっているから」
(取材班)「今年1月の段階で取材した時も同じようなことおっしゃっていて、今は11月です。状況を見に行きましたが何も変わっていないのでは?」
 (社長)「中から片づけていっているんで」
(取材班)「いつまでに全部のゴミがなくなりますか?」
 (社長)「あなたに言う必要ないです」
(取材班)「京都府から改善命令が出ていますが?」
 (社長)「出てましたかね」
(取材班)「はい。出てます」
 (社長)「私としてはお金の原資を用意してやらないとできないんで。3000万、4000万のお金かかちゃうんですよ」
(取材班)「じゃあどうしてあそこにゴミを最初集め出したんですか?」
 (社長)「ゴミじゃないんですよ、あれ。もともとやっていたやつを業務がなくなったんで、今とめてるだけであって」
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社長は、廃プラスチックの輸出事業がうまくいかなくなり保管していただけで「ゴミではない」と主張しました。

(取材班)「いつまでに片づける?」
 (社長)「いつまでというのはまだわからないんですよ、片づけないとダメなんで」
(取材班)「住民の訴えから約4年ですが?」
 (社長)「わかってますよ、わかってます。ちゃんと片づけますから」
(取材班)「今後の経過を見る上で、次いつ見に行ったらいいですか?」
 (社長)「そうですね、今月出しますんで、1回まず出します。出す予定はちゃんとしてます」
(取材班)「出すというのは?」
 (社長)「ゴミをです」

社長もゴミという認識があるのでしょうか。早期の撤去完了が求められています。