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【特集】隠語『野菜』に注意!未成年に広がる「大麻」記者が"売人"に電話...SNSを通じた薬物取引の実態

2021年03月25日(木)放送

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今、高校生や大学生など若者の間で違法薬物「大麻」が広がっていることが懸念されている。逮捕者も相次ぐ中、取材を進めると、SNSで大麻が売買されている実態がわかってきた。

ゲートウェイ・ドラッグとも言われる大麻

今年3月10日、大阪府警は18歳だった少年に大麻を譲り渡したとして元暴力団組員の男(40)を逮捕した。大麻を数千円で売買し、高校生や大学生など10人以上にネットワークが広がっていたとみられている。

幻覚作用などを引き起こすとされる違法薬物。覚醒剤などと違い大麻は薬物を使用するきっかけとなる「ゲートウェイ・ドラッグ」とも言われている。

「中学校の友達が」「普通に出回っている」

違法な大麻が身近にある実態。取材班は大阪・ミナミで若者に話を聞いた。

(20代の男性)
「中学校の友達が吸ってるみたいなのはありましたね。友達の地元の子らで。」
(24歳の女性)
「(大麻が)結構、今、普通に出回ってる。ハーブじゃないですか、言ったら葉っぱものだから。覚醒剤で芸能人がよく捕まっているじゃないですか。あれは周りに迷惑をかけるイメージがあるから、覚醒剤とかよりは全然いいとは思いますけど。」
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「大麻は外国では合法」「芸能人が使っている」などと、覚醒剤に比べると違法という認識が低いことがわかる。どのように入手しているのか。

(21歳の男性)
―――大麻の経験はある?
「僕はあります。地元のやつがさばいてるやつとか。」
―――どうやって入手?
「ツイッターですね。」
―――何歳ごろにされていた?
「僕は高2ぐらいですかね。最初は怖いなって思っていました。みんなしてるし、いいんじゃないっていうのでする人が多いかもしれないですね。」

違法薬物の大麻がSNSで入手できるという。警察もこうした事態を把握していて、サイバーパトロールを強化している。

隠語を用いてツイッターで“宣伝” 詳細はテレグラムでやりとり

ではSNS上でどんなやり取りが行われているのだろうか。ツイッターで、大麻の隠語である「野菜」などと検索してみると、大麻とみられる画像が載った投稿が複数ヒットした。
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(記者リポート)
「大麻草とみられる写真が添付された投稿には『詳細はテレグラムにて』と書いてあります。」

「テレグラム」とは、やりとりした文章や画像が一定の時間を経過すると自動で消去されるメッセージアプリで、一度消去されると復元することが難しく、“消えるSNS”とも呼ばれている。
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取材班は大麻の隠語が掲載されているアカウントにテレグラムを通じてメッセージを送ってみた。数分後、返事が来た。何を販売しているのか尋ねると、「OG」と返事がきた。大麻のことなのかと問うと、「そうです」と返信があり、値段は「1/65」とメッセージが返ってきた。1gで6500円のようだ。その後、事情を聞こうとすると、アカウントが消えてメッセージを送ることができなくなった。

記者が投稿者に電話「販売しているのは大麻?」

別のアカウントには「匂い・質」などと薬物を思わせる言葉が並んでいる。こちらにもテレグラムを通じてメッセージを送った。すると、大麻とみられる画像が送られてきて、「1発7000」と書かれていた。さらに、「18時半にどうですか?」などと大麻の受け渡し場所や時間などがメッセージで送られてきた。記者は相手に電話してみることにした。
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【電話でのやりとり】
(記者)「販売されているのは大麻ですか?」
(男性)「違いますね。違法なものは何も売ってないんで。なにを買おうと思って連絡してきたんですか?」
(記者)「内容がわからなくて、どういったものを販売されているのかなと思って。」
(男性)「他の人に聞いてください。すみません、時間ないんです。」

警戒されたのか、電話はすぐに切られた。

電話で交渉を持ち掛けてきた“売人”

取材班はさらに別のアカウントにメッセージを送り、「野菜1g7000」と返信してきた人物に電話をかけてみた。

【電話でのやりとり】
 (男)「もしもし。」
(記者)「販売されているものは?」
 (男)「中身がOGクッシュなんです。」
(記者)「OGクッシュは大麻の?」
 (男)「そうですね。」
(記者)「ちなみに、おいくつなんですか?声からして若そうだが?」
 (男)「21歳です。」
(記者)「いつもこういうお仕事をされているんですか?育てられて?」
 (男)「自分らは育ててないんですけど。」
(記者)「別の場所で育てている大麻を運んできてもらっている?」
 (男)「そうですね。」
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電話の男は大麻の売人だった。早速、交渉を持ち掛けてきた。

【電話でのやりとり】
 (男)「野菜“引き”に来られます?」
(記者)「引くというのは?」
 (男)「買いに。どうしますか?野菜買うってなったら、指定場所を送るのでそこに来てもらったら。」
(記者)「そこで現金と交換という流れ?」
 (男)「そうです、そうです。」
(記者)「大麻だと思うが、捕まらない?」
 (男)「えっと、警察の方ではないですよね?」
(記者)「警察ではないんですけど、毎日放送の記者なんです。」
 (男)「えっ記者の方ですか?どういうことですか?」

相手に取材だと明かし、違法な行為であると伝えると…。

【電話でのやりとり】
(記者)「犯罪行為だと思うが、なぜこういったことをしている?」
 (男)「儲かるからです。お金が必要だから。」
(記者)「裏に暴力団がいたりとか怖くならない?」
 (男)「あーいてますね。そろそろいいですか?…(電話が切れる)。」

電話は切られた。
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その後も取材を続けると、投稿者には外国人とみられる男などもいて、SNS上に売人が暗躍し、未成年者にも危険が近づいている背景が浮かび上がってきた。

大麻に手を出して他の違法薬物にものめり込んだ男性

奈良県大和高田市にある支援施設「奈良GARDEN」では、薬物やギャンブルなどの依存症を抱える男性21人が共同生活を送っている。その1人、まことさん(仮名・27)はこれまで大麻取締法違反で3回有罪判決を受けている。音楽仲間に誘われて大麻に手を出したことをきっかけに、他の違法薬物にものめり込んでいったという。
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(まことさん)
「(大麻を始めたのは)だいたい17歳ぐらいですかね。高校生の時ですね。そっからMDMAやコカイン、最後に覚醒剤。好奇心で『やってみよう』からハマった感じですね。ちょうど捕まったときは弟の進路の時に毎回被っているんですよ。母親とかも仕事で頑張ろうとしてるときだったりとか。」
―――自分1人の問題じゃない?
「1人の問題じゃない。本当にそうですね。僕が“葉っぱ”を吸う、そこに責任は取れるのかって。実際取れなくて、取れなくて取れなくて3回目でやっと取れないことに気付いた。」

一度手を染めてしまうと簡単には逃れることができない違法な薬物。その存在は身近なところに潜んでいて、警察はさらに警戒を強めている。

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