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【特集】"中1の壁"の対策にも...小学校で「教科担任制」 先行導入の学校では先生の負担軽減というメリットも

2021年03月05日(金)放送

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小学校で専門知識のある教員を教科ごとに配置する「教科担任制」。現在、国は導入を目指していますが、兵庫県では一足早く授業に取り入れてきました。環境がガラリと変わる“中1の壁”にも対応できるといいます。

自分の担任クラスで理科の授業 次の時間は隣のクラスへ

2月18日、兵庫県姫路市にある市立城東小学校の6年1組では、担任・横田直人先生(37)が理科の授業を教えていました。この日の授業では手回し発電機を使って電気について学びます。

(児童らに話す横田直人先生)
「赤が何で黒が何かみんなわかる?赤がプラスで黒がマイナスね。豆電球はどっちにつないでも電気は流れるんだけど、LEDどうだった?プラスはプラス、マイナスはマイナスというふうにちゃんとつながないと、発光ダイオードは電気が流れないとお話ししたね。」
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理系科目が得意な横田先生。実験を交えてわかりやすい授業を行うことを心がけています。実際、子どもたちものめりこんでいる様子です。

  (児童)「(電気が)ついた!イェーイ!」
(横田先生)「上手にためたね、コンデンサーに電気を。」
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そして授業を終えた横田先生。次は隣の6年2組へと向かい、さきほどの1組と同じ理科の授業を始めました。

(横田直人先生)
「さっきやった授業を同じ日に隣のクラスでもできるので、授業の準備もすごく時間短縮になりますし、同じ授業なので我々もやりやすいです。」
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その時、1組では2組の担任がやってきて、代わりに社会を教えていました。

(社会の授業風景)
「きょうは国際協力について勉強していきます。アフガニスタンってどんな国?」
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神戸市を除く兵庫県内のほとんどの公立小学校では、小学5・6年生を対象に、同じ学年の担任同士が入れ替わるなどしてそれぞれが得意な科目を教える「教科担任制」を8年前から導入しています。

(6年1組の児童)
「(担任の)横田先生と違う先生に教えてもらってちょっと新鮮な感じ。専門的な知識とかも教えてもらえるし、うれしいです。」
「5年生の時は担任の先生がどこかへ行ってあれ?ってなったけれど、今はなんとか慣れて普通になった。」
「(Q担任の横田先生の授業が減ることについて思うことはありますか?)何とも思わないです。社会専門の先生が社会を教えるという、わかりやすさを僕は追求しているんで…。」

国は2022年度からの導入を目指す 先取りの背景に“中1の壁”

文部科学省も、小学校から専門性が高くきめ細やかな授業を行うため、2022年度から算数・理科・英語の授業で教科担任制の導入を目指しています。兵庫県が国に先駆けて導入した背景には“中1の壁”という問題もありました。

(姫路市立城東小学校 太田太校長)
「(教科ごとに)先生が変わることに対してなかなかついていけない子どもがいます。その子たちがそのまま中学校に上がってしまうと、結局、学校にだんだん行きづらくなるとか、授業に集中しづらくなる。」
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教科ごとに担当教員が異なる中学校では、それぞれと人間関係を築かないといけないことから、生徒は新たな環境になじめなくなることがあります。そこで、小学生のころから教科担任制に慣れることで、“中1の壁”も乗り越えやすくなるというのです。実際、兵庫県が中学1年生に対してアンケートを行ったところ、学習や生活に慣れるのに教科担任制が「役立った」「どちらかといえば役立った」と答えた生徒が7割以上に上りました。

先生の負担軽減で児童とかかわる時間も増加 一方で課題も

算数の授業を終えた横田先生。まだ午前の授業は残っていますが、教室を離れて向かった先は職員室です。次の英語の授業を別の先生に任せている間に、児童の宿題を添削します。

(横田直人先生)
「宿題の丸つけをするのは今までだったら休み時間を利用するしかなかったんですけれども、こういう時間にできることによって、休み時間にそのぶん子どもたちとかかわる時間に割くことができる。日々、子どもたちがどういう気持ちで学校で過ごしてくれているかというのは、対話を通して何気ない会話の中から見つかるってことはたくさんあるんです。子どもたちのつぶさな悩みとかさりげない話の中から先生に相談したいこととかは生まれてくるので、こういう空き時間というのはすごく有効です。」
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時間をやりくりできたことで休み時間には子どもたちとドッジボールができるようになりました。

  (児童)「先生もドッジやろう!」
(横田先生)「やろうやろう。行こうぜ行こうぜ。」
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メリットが大きいように見える教科担任制ですが、校長は人員確保などの面で課題があると話します。

(姫路市立城東小学校 太田太校長)
「先生自身、そういう専門性がある人が必ずしもそれだけの数がいるかどうか、ここに問題があるかなと思います。」

ほかにも、児童の教科ごとの得意・不得意を担任が見落とす恐れなども指摘されています。

「元気で楽しく仕事に向かえる」

6時間目が終わり、午後3時半に児童は帰宅。その1時間半後の午後5時ごろ、横田先生が職員室を出て帰宅します。教科担任制が導入される前は、日付が変わるまで授業の準備に追われることもあったといいます。

「今までだったらまだ残って『明日の1時間目から5・6時間目まで全部準備しないと』という感じだったんですが、明日は5・6時間目も教科担任制で(2組担任の)柏原先生にお任せできるので、非常に元気で楽しく仕事に向かえています。」

国が導入を目指す小学校の教科担任制。当たり前だったクラスの在り方が大きく変わりそうです。

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