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【特集】"Amazonギフト券"頼りから一転『マジメか?泉佐野市!』クラファンで地場産業を育成

2021年02月19日(金)放送

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ふるさと納税で返礼品にギフト券をつけるなど“やりすぎ”との批判を受けていた大阪府泉佐野市。ところが今、その態度を一転させ、地元産業の育成を目指した優等生のような新たなプロジェクトを立ち上げました。

「ふるさと納税のクラウドファンディング」で高級缶詰作り始めた会社

大阪府泉佐野市の「菜’s」という会社では牛肉を加工・販売しています。これまで牛タンを使ったカレーやハンバーグなどのレトルト食品を作ってきました。そんな会社が新たに始めたのが牛肉などを使った高級缶詰作りでした。

(菜’s 信田憲孝社長)
「災害・地震があった時でもちょっと家にあると便利かなと。これからの食はこういう時代ですからね。」
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缶詰を作るために新たに製造ラインを作る必要がありましたが、その設備代をクラウドファンディングで集めたといいます。インターネット上で資金を調達するクラウドファンディングですが、実は泉佐野市の「ふるさと納税」として行われたものでした。集まった金額はすでに2月19日時点で373万1000円。目標だった258万5000円を大幅に上回りました。信田社長も「そこまでの金額が集まるとは思っていなかった」と反響に驚いたようです。

ふるさと納税を使ったクラウドファンディングでは、まず参加事業者は泉佐野市のふるさと納税のホームページ上に「事業の意義」と「返礼品」を提示して寄付を募ります。そして寄付金が目標金額に到達すれば事業を始めることができます。寄付金の6割は返礼品や送料などの経費となり、残りの4割が事業を行うための補助金として市から支給されます。ただし条件は市内で製造するなどした地場産品であることです。

泉佐野市のふるさと納税といえば、返礼品にAmazonギフト券をつけるなどして2018年に497億円の寄付を集めたものの、“やりすぎ”との批判を受けただけでなく、国にふるさと納税制度から除外されてしまいました。国を相手に揉めに揉めて訴訟にまで発展しましたが、結局、泉佐野市が勝訴。去年の夏から再びふるさと納税に復活したのです。

「マジメか?泉佐野市!」地元産業育成で地域活性化目指す

今回の仕組みは広く寄付を募って新たな地元の産業を育成して地域の活性化を目指そうというものです。それだけにキャッチコピーは『マジメか?泉佐野市!』となっています。市の担当者に聞いてみました。

(泉佐野市成長戦略担当 阪上博則理事)
「(Q反省というところもあるのですか?)反省はないんですよ。反省するのは総務省です。我々やっていたことは法律の範囲内でやっておりました。新しいふるさと納税の返礼品や地場の特産品を新たに作っていこうやないかと。民間の方のお力をお借りして多種多様な産業を泉佐野市に引き込んでいく。」

問題は国にあったという姿勢に変化はありませんが、経緯はどうあれギフト券頼りだった泉佐野市が生まれ変わったのは間違いないようです。

牛肉加工会社「菜’s」では、返礼品の発送が3月下旬に控えているにもかかわらず、いまだ缶詰の開発に追われていました。というのもクラウドファンディングを機にアワビや鯛めしなど牛肉以外の新たな高級缶詰に挑戦していたからです。
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(レシピ担当者)
「こっちの缶詰、べちゃべちゃなっとんな…。これ同じなんですよ。出汁の分量が同じなんですけど、これだけ違うんですよ。」

なかなか思うようにいかない缶詰開発。試行錯誤の連続でしたが、信田社長も納得の缶詰ができたようです。

(菜’s 信田憲孝社長)
「生まれも育ちも泉佐野なので。ふるさと納税でこれからもっといろんな缶詰で泉佐野をアピールしてやっていきたいと思っています。」

「釣り具製造を復活させたい」挑戦目指す会社

クラウドファンディングに手を挙げた人はほかにも。大松商事・業務執行社員の三好仁さんは現在は主に鉄道模型を製造・販売していますが、実はこの会社ではかつては釣り具を作っていました。

(釣り具製造の復活を目指す 三好仁さん)
「元々釣り竿で塗装の設備も持っているので、ひとつひとつ塗装をちゃんとして、マニアに喜んでもらえるような形かなと。」

父親の稔さんが1965年に創業して泉佐野市を代表する釣り具会社に成長しましたが、大量生産の安い輸入品に押されるなどして20年前に製造を断念しました。

(釣り具製造の復活を目指す 三好仁さん)
「釣り道具で大きくしてもらって、こういう形で育てていただいて、今の自分があるのは父のおかげですから、その思いは継承するべきかなと思っているんです。」

長年続けてきた釣り具の製造を復活させたいと考えた三好さんは、独学で身につけた技術で釣り竿を製作して、それを返礼品にしてクラウドファンディングに参加することにしました。釣り竿の持ち手にコルクを採用してあえて古いデザインにするなど三好さんの思いが込められています。ただし事業化するには樹脂を早く乾燥させる設備などが必要になってきます。

肝心の寄付金はというと、目標金額は106万7500円ですが、2月19日時点で目標金額の6割の64万6000円しか集まっていません。クラウドファンディングの期限は3月14日。それまでに何としてでも寄付金を集めなくてはなりません。

(釣り具製造の復活を目指す 三好仁さん)
「みなさんに助けてほしいなと。もう一度、父親と同じような形でやりたいなという気持ちですね。」

(2月19日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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