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「自宅療養者」を置き去りにしない...京都府で民間医師らの『訪問診療チーム』が患者対応

2021年02月12日(金)放送

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自宅療養中の新型コロナウイルス患者の死亡が各地で相次ぐ中、京都府は民間クリニックの医師らが患者の自宅を訪れて治療を行う「訪問診療チーム」を立ち上げました。

24時間訪問診療できるように“詰め所”で寝泊まり

京都府では年末年始、自宅療養をしていた入院待ちのコロナ患者2人が死亡しました。自宅療養者をこれ以上置き去りにしないよう、府は民間クリニックに呼びかけ、全国でも珍しい「訪問診療チーム」を立ち上げたのです。
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2月9日、訪問診療を前に、京都市内でチームの医師が看護師や薬剤師とミーティングを行っていました。患者の自宅で行う診療では独自の感染防止策が必要となります。
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(感染防止策について看護師らに話す「よしき往診クリニック」の宮本雄気医師)
「『きょうはどうされましたか』と膝をつくと汚染するので、ここは気を付けたほうがいいかなと。上から目線になってしまうが、そこは申し訳ないけれど『膝をつけないのでごめんなさいね』と言うしかないのかな。」
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ミーティングを行った場所はクリニックではありません。院内感染のリスクを下げるため、別の場所に作られた“詰め所”です。医師らはここで待機して、いざという時に備えて24時間訪問診療できるように寝泊まりしています。

車内で防護服に着替えて訪問

そして午後1時ごろ、訪問診療へ向かいました。診療の対象は概ね75歳以上の高齢者で、容体が安定しない患者もいることから、車内には点滴や酸素吸入器なども準備しています。
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最初に訪れたのは高齢女性を含む家族4人。全員がコロナに感染して自宅療養をしています。患者の風評被害を防ぐために、防護服への着替えは車内で行うなど気を配ります。
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(訪問診療を行う宮本雄気医師)
「こんにちは。どうも。きょうも来ました宮本といいます。どうです?お母さん。煮付けってカルテに書いてあったけれど、大根の煮付け食べたのかな?横になったらめっちゃせき出て寝られないとか、そういうことがあったらステロイドかなと思っています。」

診療は30分ほどで終了。家族4人のうち1人については症状が良好なことから、保健所に隔離の解除を求めることに決めました。

入院できない事情のある患者宅も訪問

宮本医師らは防護服を脱いで消毒してから再び車に。次に向かったのが認知症の患者の自宅です。事前情報だと、病院では徘徊したり点滴を受け入れなかったりしたために自宅療養になったといいますが…。

(訪問診療を行う宮本雄気医師)
「力抜いておいていいですよ。お腹のところから点滴させてもらいますよ。よろしい?お父さん、事前情報と全然違う。おうちにいるとやっぱり受け入れるようになるんですよね。」
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診療後、宮本医師は次のように話しました。

(宮本雄気医師)
「『点滴を受けていいよ』と。自分自身で言葉を発せられる方ではないですが、にこって笑ってうなずかれたので。あのままずっと続いていると、脱水が進んでいってより悪循環になっていくところを、こうやってできたのは非常によかったと思います。」

今回のケース以外にも、家族の介護で自宅から離れられないなど、実際は入院が必要なのに入院できない人は少なくないといいます。

高齢患者にメリットがある訪問診療

今回の制度を行政とともに立ち上げた京都府コントロールセンターの山畑佳篤医師は、病床の確保だけではなく、高齢患者にとってもメリットがあると話します。

(山畑佳篤医師)
「コロナにかかわらず、高齢の方は入院すると明らかに体のいろんな機能が落ちるんです。しなくていい入院はしないほうが高齢者のためでもあるんですね。」
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訪問診療チームが戻って来たのは午後7時すぎでした。この後は泊まり込みで患者の容体急変に備えます。

(宮本雄気医師)
「治療の選択肢が増えるということは、患者さんにとってもいいことですし、行政にとってもいいことだと思っています。できれば京都全体、もっと言うと全国にこういう動きが広まればいいなと思っています。」

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