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【特集】人気洋菓子店『エスコヤマ』小山進氏がコンサルティング会社設立 業種問わず「甘くないアドバイス」

2021年02月12日(金)放送

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「ロールケーキ」ブームの火付け役となった兵庫県三田市の超・人気洋菓子店「パティシエ・エス・コヤマ」。そのオーナーシェフがなぜかコンサルティング会社を立ち上げ企業のサポートに乗り出しました。スイーツとは程遠い老舗の食品会社もうなるというヒットメーカーの“甘くないアドバイス”とは。

「パティシエ・エス・コヤマ」洋菓子も店内もパッケージも“手を抜かない”

兵庫県三田市にある洋菓子店「パティシエ・エス・コヤマ」。決して交通の便がいいとはいえない場所にありますが、大勢の人が訪れます。
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店内には贅沢にフルーツをあしらったケーキに、芸術品のように艶めくボンボンショコラなど見ているだけウキウキするようなスイーツが並びます。

(神戸から来た人)
「一歩先の洋菓子を作られている感じがするので、なんかワクワクするじゃないですか。」
(大阪から来た人)
「見たことがないようなメニューが多いので。ほとんど自分用に。」

この店のオーナーシェフ・小山進さん(57)。フランスのチョコレートのコンテストで8年連続最高位を獲得するなど、世界にその名を轟かせます。

(パティシエ・エス・コヤマ 小山進さん)
「うまくいかへんかったものを、学校でみんなの前で“ジャジャーン”と出せないでしょ?隠したくなる気持ち。それはヒット商品にはならない。“ジャジャーン”でないとね。」

開店前、混雑する前にと取材に応じた小山さん。店内を見せていただきました。
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(小山進さん)
「本来こういったシールドも、コロナがなかったら…。このシールド、ムラムラやで、ここ。もっときれいに拭かないと、汚れている。シールドきれいに拭いた方がいいで。」

突如、スタッフに指示をとばします。

(小山進さん)
「(Q思ったらすぐ?)思ったらすぐやないと忘れてしまうもん。」
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小山さんのこだわりは商品そのものだけにとどまらないようです。

(小山進さん)
「バウムクーヘンが入るパッケージは、バウムクーヘンが素晴らしい形なのにパッケージが四角だったらこの子に申し訳ない。」

パッケージのデザインにも手を抜きません。

小山さんが仲間と立ち上げた“大きなお世話集団”

この日、シェフの仕事を終えた小山さんには、次の仕事がありました。約2年前に気の置けない仲間と会社を立ち上げたのです。メンバーは通販大手フェリシモの矢崎和彦社長ら7人です。

(パティシエ・エス・コヤマ 小山進さん)
「『ヒトリゴト株式会社』という得意分野が全然違う人が集まって、神戸を元気にできたらなというところから始まった集まりです。」
(フェリシモ 矢崎和彦社長)
「(小山さんは)情熱的でチャーミングな人。常に一生懸命だし。話していると思わぬ方向に行きながら面白くなっていく。」

困っている企業にヒトリゴトのように発せられる小山さんのアイデアと長年培ってきた経営ノウハウをもってアドバイスするという自称“大きなお世話集団”。すでに実績もあるんです。

「穴子めし専門店」へ伝えたアドバイス

2020年、JR姫路駅前にオープンした穴子めし専門店「たけだの穴子めし」。商品は注文が入ってから作り出します。肉厚でほぼまるごと一匹分の穴子が秘伝のタレで味付けされ、店内は甘く香ばしいにおいが漂います。

運営するのは明治創業の老舗駅弁店の「まねき食品」。『なにか姫路の名物になるものをつくりたい』と小山さんらにサポートを依頼しました。
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そこで、出来立てにこだわりあえて調理の様子を見せる店づくりと、メニューを穴子めしのテイクアウトのみにするように提案されました。
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(まねき食品6代目 竹田典高社長(39))
「本物志向で。目の前で自分の分が大事に丁寧に作られているのを感じていただけるように。私たちは、いろんなものをPRしたいということで“学園祭みたいだな”と言われたんですけれど。そうではなくて“本当に伝えたいことをシンプルに伝えたが方がお客様に伝わる”ということで。それは私も新鮮な驚きがありました。」

狙いは的中。売上目標を大幅に上回る滑り出しで、今後、柱の事業になればと期待がかかります。

“塩味を減らした焼ビーフン”試作品へ「もっと慎重に」と助言

去年12月、神戸に本社を置く「ケンミン食品」が小山さんのもとを訪れました。ケンミン食品もクライアントの一つです。看板商品は“ケンミンの焼ビーフン”。創業者の孫にあたる3代目の高村祐輝社長(38)が小山さんに相談していたのはリニューアル予定だという焼ビーフンの試作品についてです。

(ケンミン食品 高村祐輝社長)
「ちゃんと出汁をきかせることで、結果的に計算上塩分・糖分を減らすことができて、味の濃さは…。」
(パティシエ・エス・コヤマ 小山進さん)
「うま味でカバーできたと。ビーフンの味はわかってないけれど、おいしいものはわかる。」

早速、従来のものと試作品を食べ比べてもらうことに。開発担当者も緊張した面持ちで見守ります。ですが、小山さんの表情が冴えません。

(小山進さん)
「『塩味をマイナスにしました』と言うているわりには、いま食べた時にこっち(試作品)の方が塩味を感じた。だから、もう気持ち減らした方がよくない?減らせるんやったら。それは微々たるもんだけれど、実験しないと仕方ない。」

減らしたはずの塩味が、逆に強く感じるとの感想に戸惑いが隠せません。

(小山さん)「せっかくレギュラー品の味を変えるって、命を変えるのと同じやから。もうちょっと慎重にやった方がいいと思う。やったんだよと言っているけれど、実際が違ったら、キャッチコピーと味わいが合致してこないじゃないですか。」
(高村社長)「そうですね。」
(小山さん)「そこを僕は結構時間をかけるねん、いつも。ここからからは微々たる数値の実験やで。」

レギュラー品のリニューアルは会社の行く末を左右するビッグプロジェクト。経験の浅い社長にあえて厳しいトーンで助言します。

(小山進さん)
「修行時代に学べなかったことのお手伝いをしますよと。伸びしろがすごくありますもんね。伸びしろがあるし、だからこそ“見えていないことを見なくてはいけない”ということを気付かせてあげたいですよね。」

小山さんの指摘を受けて、ケンミンでは塩・砂糖・ショウガの量をごく微かに増減させて、リニューアルに向けて味に神経を集中させていました。
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(ケンミン食品 高村祐輝社長)
「(小山さんに)『君のところはもっと慎重になった方がいいよ』と言われましたね。心配心を持つというのが欠けていたなと思うんですよね。きっちり検証して、細かいところをしっかり見て、本当に多くの方に喜んでいただける商品をつくっていきたいと思いますね。」

"大きなお世話集団"業種問わずサポートしていきたい

『ヒトリゴト』を起業して2年。クライアントはまだ片手ほどですが、これからも業種は問わずサポートに力を入れていきたいといいます。

(パティシエ・エス・コヤマ 小山進さん)
「僕もやってきているからわかるのであって、やっていなかったらわからないですよ。とにかくクライアントと徹底的に付き合わないとだめだから。“大きなお世話集団”として、やっぱりほっとけないんですよ。」

超人気スイーツで培った“甘くないアドバイス”にも行列のできる日がやって来るかもしれません。

(2月12日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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