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【特集】『人間用ではない体温計?』販売側に記者が直撃取材 ネット上に出回る"怪しいコロナ関連商品" 

2021年01月28日(木)放送

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新型コロナウイルスと向き合う生活も、もう1年になる。去年の第1波から第3波…ネット上ではその時々でコロナ関連の怪しすぎる商品が販売されていて、第3波の今は“体温計”が販売されている。その実態に迫る。

「緊張」から「慣れ」へ気持ちが変化?

1月14日から大阪・京都・兵庫なども対象とされた緊急事態宣言。今、街ゆく人はどんなコロナウイルス対策を行っているのだろうか。1月下旬、大阪市内で聞いた。

「(第1波の時は)消毒液は持っていました。今は持っていないですけれど。置いているところも増えたし、いいかなっていう気の緩みなんかなと思います。」
「(第1波の時は)スーパーに行くのもビニールの手袋して行ってたし、人が行くような時間には行かないし。今はそうはしないね。」
「慣れるしかないでしょ、もう。制限されることも時間的なことも。あんまり病院にかからないように病気にならないように頑張る。それしかないと思う。」
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長く続く感染の第3波。新型コロナウイルスと向き合う生活はもう1年になる。緊張から慣れへと気持ちが変化する中で、私たちの周りでは怪しすぎる商品が潜んでいる。去年、感染の第1波から第2波で、街ゆく人は様々なものを身に着けていた。

(街頭インタビュー 去年8月)
「マスクとこれです、菌を吸い込むやつ。それと、ペンタイプ。菌がきてもよけるやつ。年やからばっちり防御してます。」

夜の街で売買されていた「検査キット」

そして、第2波の拡大期だった去年8月ごろ、大阪・ミナミの夜の街では「検査キット」が売買されていた。

(ミナミで働いていた女性)
「最初は、大阪のミナミで知り合った人に『中国からコロナの検査キット仕入れたから転売するねんけど一緒にやらへん?』みたいな感じで誘われました。」
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女性が転売を持ちかけられたのは新型コロナウイルスへの抗体があるかどうかを検査できる「抗体検査キット」と呼ばれるものだった。

(ミナミで働いていた女性)
「元は1個3000円やのに5万円とかで売れたらめちゃくちゃ儲かるから、(4月ごろは)最高50万円とかまで上がったりとか。出回り始めたらすぐ取り締まりが始まると思うから、やるなら今なんじゃない?みたいな。」
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去年、取材班はミナミの街で検査キットを販売している男性に接触した。

(記者)「どこから仕入れる?」
(男性)「中国っすね、中国とアメリカかな。」
(記者)「どういう人に売れる?」
(男性)「店やってる人とかっすね。不動産とかキャバクラとかそっち系です。(入荷は)100個ぐらいだいたいいつも入ってきて、2日で全部なくなりますね。」
(記者)「厚生労働省の承認は得ていない?」
(男性)「ちゃんとあるっす。」

男性はこのように話すが、厚労省が医薬品として承認しているものは、今も存在しない。

非接触型の体温計に見える「物体温度計」を購入 体温を測ってみると…

そして、感染の第3波。ネット上ではこんな異変が起きた。

(記者リポート)
「非接触型の体温計は、値段が5000円~9000円ぐらいで、ほとんどの商品が売り切れています。」

今やどこもかしこも検温。特に非接触型体温計のニーズが高く、入手困難な状況が続いていた。
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そんな中、取材班はネット上で“あるもの”を見つけた。

(記者リポート)
「普通の非接触型体温計に見えるんですが、『物体温度計』と書かれています。」

「物体温度計」と表記された商品の価格は2000円ほどで格安だ。体温計と何が違うのか調べるため、購入してみることにした。
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2週間後、「物体温度計」は届いた。商品のパッケージを見ると、「物体温度計」ではなく「体温計」と記載されていた。さらに額に測るような説明書きもある。商品を開けてみると、見た目は非接触型体温計と特に変わりはなく、電源も入った。
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体温は正確に測れるのだろうか。試しに記者たちで測ってみると…

  (記者)「37.9℃です。」
(別の記者)「え?いや、そんなにないですね。今、体調良いので。」

なんと、37.9℃と表示された。一般的な体温計でも測ってみると…

  (記者)「36.0℃です。平熱はこれぐらいですか?」
(別の記者)「こっちの方が近いですね。」
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他の記者の体温も測ってみると、今回の物体温度計では37.2℃、一般的な体温計では36.2℃と表示された。取材班が、何人かで調べると、一般的な体温計と1℃ほど誤差が生じることがわかった。
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さらに商品のパッケージに記載されていた「医療機器認証番号」を調べてみると、厚労省の承認を得ている商品ではなかった。

会社はマンションの一室 部屋には中国人とみられる女性が

未承認のものを「体温計」として販売するのは違法ではないのか。取材班は商品の販売元とされる横浜市の会社を訪ねた。そこはマンションの1室だった。インターホンを押すと、部屋の中からは中国人とみられる女性が出てきた。

(記者)「どういうものとして販売されていますか?」
(女性)「体温計…。」
(記者)「でもこれは体温計ではないですよね?」
(女性)「え?体温計です。」
(記者)「日本では未承認の体温計は販売できないが?」
(女性)「そうなんですか。ただ、体温を測るあれで、そういうのちょっとわからなかったですね。」

取材班は実際に物体温度計でこの女性の体温を測り、1℃ほど誤差が生じることを伝えた。

(女性)「本当に申し訳ございません。本当に知らなかったんですね、こういう違法っていうのを。ネットショップを任せているっていうか、向こうで決めてこれを売るとか。」

女性は、運営は他の人に任せていてよくわからないと話した。
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取材班がこの翌日に、運営者とされる女性に電話をかけた。

(記者)「日本で医療機器として承認されているものでしょうか?」
(女性)「えーっと…これは物体体温計です。」
(記者)「では体温計ではないということでしょうか?」
(女性)「はい、人間用の体温計ではないです。」
(記者)「箱には非接触体温計と記載してあるが?」
(女性)「でもこれは人間用とは書いてありません。もう販売しません。すみません、今忙しいので一旦電話切ります。失礼します。(電話が切れる)」

記者がもう一度、電話をかけた。

(女性)「すみません、何も聞こえないので一旦電話切ります。」
(記者)「もしもし?聞こえていますよね?もしもし?」
(女性)「(電話が切れる)」
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この直後、販売サイトから「物体温度計」のページが全て削除された。物体温度計をめぐっては、逮捕される業者も出る事態になっていて、警察も警戒を強めている。

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