MBS 毎日放送

ミント! ミント!

毎週月~金曜日 ごご3:49~放送関西のニュースは毎週月~金曜日 ごご4:30~放送

特集記事

【特集】コロナで変わる『卒業アルバム』定番行事が無くなっても思い出はいっぱい"動く写真"で残す日常

2021年01月27日(水)放送

SHARE
Twitter
Facebook
はてなブログ
LINE

間もなく卒業シーズン。大人になっても『卒業アルバム』を開いて学校生活を振り返りたくなる時がありますよね。ところが今年は新型コロナウイルスの影響で学校行事の中止が相次ぎ、卒業アルバムならではお決まりの写真が無いというのです。コロナ禍でも想い出いっぱいのアルバムはできるのでしょうか。

卒業アルバムに載せる“定番写真”がない

東大阪市にある市立長瀬東小学校。コロナ禍で給食の時間はおしゃべりができず教室は静かです。6年生は間もなく卒業を迎えますが、この1年、楽しみにしていた行事がことごとくなくなりました。

(6年生)
「運動会とか修学旅行とかができなくなって残念でした。楽しいこともいろいろありましたけれど、もっと全体的に活動したかったなと思っています。」
「修学旅行も無くなって、代わりに遊びに行ったりとか遊園地に行ったりしたんですけれど、少し時間が少ないなとは思いました。」
1b.jpg
行事が少なくなって困るのが卒業アルバムです。

(6年の担任 吉田貞晴先生)
「写真が無いよねと。どうやって写真を入れていこうかなと。」

どれほど写真が足りないのか、2019年度のアルバムと比較すると…。

(6年の担任 吉田貞晴先生)
「2020年度に行くはずだった夏の林間の写真、行けていないです。運動会ですが例年に比べて大幅に縮小した内容だったので…(Q組体操とか?)もちろん無いです。(Q騎馬戦とかも?)無いです。修学旅行、例年であれば11月に広島に行くんですけれども、2020年度はこれが無いと。」

定番の写真が2020年度はほとんど撮れていません。

(6年の担任 吉田貞晴先生)
「行事はないけれど、日々の活動の写真をためていかないとページが埋まらないな、と話をしていました。」

行事が無いならと、授業の様子などをアルバムに載せることになったのです。

写真も動画も!変わる「卒業アルバム」

この日は、その撮影があるというので取材させていただくと…子どもたちが重りを使って高齢者の身体を疑似体験をする総合の授業でした。
3b.jpg
子どもたちの様子を撮影するカメラマンは、なぜかカメラとともにスマートフォンも持っています。

(カメラマン)
「スマートフォンでは動画を撮っているんですよ。一眼レフカメラで写真を撮って、それと動画を紐づけして、卒業アルバムに使う。」
3c'.jpg
3d.jpg
この学校が新たに取り入れたのは『AR卒業アルバム』。東京のコンサルティング会社「Ms」がAR(拡張現実)を使って開発したサービスで、専用アプリ「ソツアルー卒ARuー」を入れたスマートフォンを写真にかざすと、動画が見られるというものです。

(6年の担任 吉田貞晴先生)
「これまでだったら載せられないものを載せるなど、新しい企画を考え生み出すことにもつながったかなと。運動会なんですけれど、色々な競技ができない中で、例年の運動会ではしないような“合奏”を運動場でしました。」

吉田先生がその“写真”にスマートフォンをかざすと、“動画”で合奏の様子が見られます。
3f.jpg
動画を載せられるということもあって、グループに分かれて一芸を披露したり人文字を作ったり、アルバムに載せる写真のバリエーションが一気に増えました。さらに動画を撮ること自体が子どもたちにとって思い出になったようです。

(6年生)
「緊張するけれど、1年後とか動画なら何しているか思い出せるから、そっちのほうがいい。」

児童自らが“カメラマン” 能動的に思い出を作る取り組みも

一方、年間約3000校の卒業アルバムを制作する大阪市中央区の「夢ふぉと」が企画したのは。

(夢ふぉと 林さゆり社長)
「コロナをきっかけに、もっと能動的に自分たちの思い出を自分たちで作っちゃおうよと。」

その企画では、子どもたちが自由に撮影した写真を卒業アルバムに使うというのです。応募があった全国の学校の中から抽選で30校にカメラを寄贈しました。
4b.jpg
参加した群馬県上野村の村立上野小学校では、子どもたちが思い思いにポーズを決めて撮影をしていました。

(6年生)
「子ども同士でやると恥ずかしさがなくて、自分好みのポーズができていいなと思います。」
(6年の担任 小池優介先生)
「コロナの中だけど自分たちで頑張れたという風に、それも1つの思い出にしてほしいなと。普段では見られないような子どもたちの様子を見られますし、はしゃいでる様子もすごく楽しそうに見えるので、やってみてよかったなと思っています。」

コロナ禍でも思い出がいっぱいのアルバムを作りたいと、あの手この手で撮影が進んでいます。

「卒業アルバム」始まりは大正時代

そもそも卒業アルバムはいつから作られるようになったのでしょうか。京都市学校歴史博物館(京都・下京区)で話を聞きました。

(京都市学校歴史博物館 林潤平さん)
「こちらが大正7年のアルバムです。構成は代表的な学校の特徴を示す旗とか学校の名前のへん額。それに加えて、教員・先生の写真と児童の写真。必要最低限の内容だけをアルバムにして配布・作成していた。」

卒業アルバムが始まったのは大正時代。当時写真はとても貴重なもので、必要最低限のものだけが使用されていました。
5b.jpg
時は流れ、今のようなアルバムになったのが、1960年ごろだといいます。

(京都市学校歴史博物館 林潤平さん)
「児童たちの活動風景を示すような写真が登場してきています。目の前にいる子どもたちが日々成長して卒業に向かう中で、子どもたちがどういったことを喜ぶのかということを、戦前期よりも深く先生たちは考えるようになっていきますよね。」

変わらない子どもたちへの思い

動画で卒業アルバムを作る東大阪市立長瀬東小学校。この日は卒業式で歌う合唱曲の練習をしていました。吉田先生はカメラマンと相談しています。

 (吉田先生)「卒業式の写真の中で歌が流れるようにしましょうか。マスクを着けているのは仕方ないと思うので。外せないと思います。もったいないと思いますけどね。」
(カメラマン)「まあマスクがあるというのもまた思い出やし。」
6b.jpg
(6年の担任 吉田貞晴先生)
「卒業する子どもたちが毎年いる中で、残してあげられるものが何かできたらそれでいいのかなって。こんな状況の中でも、その中でできることをやりながら卒業をする、巣立っていくというのができればいいのかなと思います。」

コロナで『卒業アルバム』が変わろうとしています。ただ子どもたちに喜んでもらえる物を作りたい。先生たちの気持ちは今も昔も変わりません。

(1月27日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

最近の記事

バックナンバー