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【特集】「ドカ雪」で過去最高売上も!にぎわうスキー場...しかし将来的には『西日本でスキー場経営できなくなる恐れ』専門家が指摘

2021年01月22日(金)放送

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昨シーズンは暖冬で雪不足に悩まされたスキー場ですが、今シーズンは2020年12月に短時間で一気に雪が積もる『ドカ雪』が降ったおかげで、コロナ禍にもかかわらず、スキー場は息を吹き返しました。しかし、地球が温暖化する今、なぜドカ雪が発生したのでしょうか。

記録的大雪で車が2日間立ち往生

2020年12月中旬、日本海側を中心に記録的な大雪が発生し、東京都から新潟県に向かう関越自動車道では最大で約2100台の車が2日以上にわたり立ち往生しました。兵庫県北部の新温泉町では雪の重みで大木が倒れるなどして道路が寸断され、孤立集落が発生しました。こうした短時間で一気に雪が積もるドカ雪が各地に被害をもたらしました。

「ドカ雪」で大喜びなスキー場

一方、大雪を心待ちにしていたのがスキー場です。兵庫県豊岡市にある「アップかんなべスキー場」。12月のドカ雪のおかげで予定より早くゲレンデの準備が整ったことから、1週間ほど繰り上げてオープンできました。その結果、年末年始も家族連れらで賑わいました。
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スキー場のレンタルショップも大忙しです。コロナ禍で遠方への旅行を控えた人たちの需要を取り込めたこともあり、2021年1月2日には過去最高の売り上げを記録したといいます。

(レンタルショップの店長)
「ここにあるウェアが全部無くなったこともありました。『すみません他のレンタルあたってください』というのも何回かありました。」

喜びを隠しきれないのにはワケがあります。

昨シーズン、2020年1月のアップかんなべスキー場は、暖冬による雪不足の影響で、ゲレンデは地面が丸見えでした。リフトも止まったままで、年が明けてもオープンできない状態が続いていました。
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神様に「雪乞い」するも効果はほとんどなく、昨シーズンは結局、8日間しか営業できませんでした。
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それだけに今シーズンの大雪にスキー場の担当者は喜びもひとしおです。

(アップかんなべスキー場 宇都宮岳尚さん)
「全然違いますよね。去年とは。12月中旬くらいから大雪になってずっと降り続いているので、めちゃくちゃうれしかったですね。」

「ドカ雪」が仇となったスキー場も

雪あってこそのスキー場ですが、その雪が仇となったところもあります。アップかんなべスキー場から車で10分ほどの距離にある「奥神鍋スキー場」。待望の雪景色となるはずでしたが、ドカ雪だったために道路が通れなくなり、年末年始のスキー客を十分に取り込めなかったというのです。

(奥神鍋スキー場 竹中静夫取締役)
「これだけ雪があれば良いシーズンが迎えられると思ったのですが、除雪が一部間に合わずに車が何時間か動けなかったというのは聞いております。」
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雪不足の昨シーズンは造雪機を使ってゲレンデを整備しなければならず、月600万円の電気代がかかっていただけに、担当者は2年連続で天候に振り回された形です。

(奥神鍋スキー場 竹中静夫取締役)
「昨シーズンは電気代がめちゃくちゃかかりました。今シーズンはそれが全くなくて、造雪機を早く止めることはできたのですが、お客さんが来てくれないと話しになりませんので。」

ただ、地球温暖化の影響などで雪の降る量は全国的に減少傾向にある中、なぜ“ドカ雪”は発生したのでしょうか。

「ラニーニャ現象」が影響か

大阪管区気象台によりますと「日本から遠く離れた海の水温が影響を与えていた」といいます。

(大阪管区気象台 藤原義寿技術専門官)
「2020年の夏ごろから『ラニーニャ現象』が発生していたとみられています。ラニーニャ現象の影響を受けていたのではないかと。」
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ラ二ーニャ現象はペルー沖の海水温が低下する現象です。これが発生すると、海水の温かい部分がインドネシア付近に移動し、蒸発する海水の量が多くなって積乱雲が発達します。その結果、偏西風は北に押し上げられ、日本列島の近くでは南に蛇行します。

2020年の猛暑で日本海側の海水温の高いところに、寒気が流れ込んできたことがドカ雪の原因のひとつだといいます。

“将来的に西日本ではスキー場が営業できなくなる恐れ”

ただこうしたドカ雪になるのは稀で、温暖化の結果、“将来的に西日本は雪不足に陥ってしまいスキー場が営業できなくなる恐れがある”と気象台は指摘します。

(大阪管区気象台 藤原義寿技術専門官)
「西日本のことでお話ししますが、気温が上がると雪ではなくて雨として降るのではないかと考えられています。スキー場としては経営できなくなるという場合も、今後は出てくる可能性というのはあると思います。」

実際、西日本の各地でスキー場の閉鎖が相次いでいます。京都府宮津市にあった「大江山スキー場」は雪不足などで営業できずに経営が悪化、2016年に閉鎖されました。

“スキーにこだわらない営業”を模索するスキー場

ゲレンデを取り巻く環境が厳しくなる中、アップかんなべスキー場では新たな展開を始めていました。

(アップかんなべスキー場 宇都宮岳尚さん)
「2020年は雪がなかったので、ここが夏場はキャンプ場になっているので、冬にもキャンプをしていました。」

雪不足だった2020年1月のアップかんなべスキー場の映像。本来、真冬はオープンしていないキャンプ場を営業し、1日に数組の客が訪れたといいます。ほかにも、熱気球やグラススキーなど自然のアクティビティを今後は季節にこだわらず展開していきたいと話します。
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(アップかんなべスキー場 宇都宮岳尚さん)
「スキーができる場所が年々減っていくというのは悲しいニュースではあるのですが、その一方で雪がない時でも何か楽しめるようなことはどんどん考えてやっていけるようにしてはいきたいですね。」

(1月22日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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