MBS 毎日放送

ミント! ミント!

放送終了放送終了

特集記事

【特集】タクシー運転手が見る『緊急事態宣言下の大阪』...ほとんど人がいない"華金の街"

2021年01月20日(水)放送

SHARE
Twitter
Facebook
はてなブログ
LINE

2度目となる緊急事態宣言が出された大阪府・兵庫県・京都府。街は、人は、どう変わったのか。不安を抱えながら、大阪の夜の街を走るタクシーから、コロナ禍の「今」が垣間見えました。

1月15日 華金のタクシー営業

1月15日の金曜日、乗車に向け準備をする東宝タクシーの32歳の運転手・大崎嘉朗さん(※崎は正しくはたつさき)。検温を済ませ、タクシーの車体を磨きます。ドライバー歴は4年。夜勤が中心で、この日は緊急事態宣言後、初めての勤務となります。

(東宝タクシー 大崎嘉朗さん)
「ちょっとミナミの方に行ってから、キタの様子を見に行って。緊急事態宣言が出たところなので、どれくらい人がいるのか様子を見ながら、営業をしていこうと思っています。」

午後6時ごろ、大阪市西成区の営業所から繁華街の大阪・ミナミに向かって出発しました。

(大崎嘉朗さん)
「夜勤の仕事をしているので、お酒をお召しになられているお客さまが多いので、そういうお客さまはマスクをせずに乗ってこられたりとか、若い子だと大声を出して後ろでしゃべっていたりとかあるので。その会話を『今コロナなのでしゃべらないでもらえますか』なんて、言える立場じゃないので。」

“ガラガラ”のミナミ 左折も右折もなんなくできる

午後7時すぎ、そんな不安を抱えながらミナミまでやってきましたが…。

(大崎嘉朗さん)
「次が難波の交差点になるんですけれど、人は3分の1ぐらいじゃないですかね。横断歩道に人が待っていないのでガラガラですね。左折とか右折しようと思っても、人が多すぎて1回じゃ曲がれないというのが普段なんですけれども、きょうは1回で曲がれてしまうぐらいなので。」
2b''.jpg
オシャレな飲食店などが立ち並ぶ心斎橋の通称“ヨーロッパ通り”は。

(大崎嘉朗さん)
「普段はここに列になっているので、前に車やタクシーがどんどん並んでいて、乗客を降ろしているタクシーを待って、また進んで、乗客を降ろしているタクシーを待ってまた進んで、みたいな。こんなすっと流れるような感じじゃないんですよ。」

北新地で乗車してきたお客が話す“現状”

そして午後8時、大阪・北新地でも、午後8時までの時短営業要請により飲食店は粛々と営業を終え、すでにシャッターが目立ちます。大崎さん、閑散としたミナミを諦めて北新地に来ていましたが、期待通りにはいかないようです。

(大崎嘉朗さん)
「人が少ないですね。この時間は1軒目2軒目と行くお客さまが多いんですけれども、週末じゃないみたいですね。週末になったら車道まで人が出てくるんですけれども、全然そんな感じじゃないですね。」
3c.jpg
ここで美容室で働くという女性が仕事帰りに大崎さんのタクシーに乗車しました。

【タクシーの中の会話】
  (女性)「北新地もめっちゃ暇ですよ。美容室で働いているんですけれども、午後4時くらいに一回混んで、午後6時から誰も来ない。」
(大崎さん)「午後8時で閉める店は多いですか?」
  (女性)「一応午後8時になったら半分シャッターを閉めています。でも中で“ええよ”みたいな。キャバクラとかは強いですね。関係ないと言っていました。」

体調不良を訴えるお客が乗ってくることも

女性が降りて間もなく、新今宮で年配の男女2人が乗車しました。

【タクシーの中の会話】
  (男性)「ちょっと窓開けておいてよ。」
(大崎さん)「はいはい。」
  (男性)「コロナ怖いから。」
(大崎さん)「怖いですねー。」
  (男性)「飯を食おう。」
  (女性)「ラーメンでもいいよ、金龍ラーメンおいしいよ。」
  (男性)「しゃぶ亭は閉まっているやろ。」
  (女性)「閉まっているよ。ラーメンでいいよ。」
  (男性)「緊急事態宣言出ているからな。」

これから2人で食事をする店を探しているようですが…。

【タクシーの中の会話】
(女性)「熱が出そう、なんか知らんけど。体がめっちゃしんどい。風邪かコロナかどっちかや。」
(男性)「コロナやったらお前…。」

突然、体調不良を訴える女性でしたが、このままミナミで降り、飲食店の方向へと消えていきました。

(大崎嘉朗さん)
「仕事が、対お客さまの仕事なので、その方が感染されているかどうかなんて目で見てもわかるわけではないですし。万全の対策を打った上で仕事をしていくしかないですね。」

配車アプリからの売り上げが7割

車を走らせてから4時間経った午後10時、大阪・中之島のコンビニで一息つきます。以前は飲食店で遅い夕食をとっていたといいますが…。

(大崎嘉朗さん)
「緊急事態宣言が出てしまうと、時短という形になってくるので、そういう時はこういうコンビニで済ますことが多くなると思います。」
5b.jpg
休憩中に欠かせないのが車内の清掃です。感染を防ぐため、座席やドアノブなどをアルコールで丁寧に拭いていきます。再び車を走らせていると車内でアナウンスが。
5c.jpg
『♪ウケツケセイコウ』

アプリ注文が入りました。コロナ以降に増えたのが配車アプリからの予約です。今では売り上げの7割を占めるといいます。

(大崎嘉朗さん)
「コロナになってからアプリの需要が増えた気がします。人と人とが接触する時間を減らすという考えを持つお客さまが増えたことが一番の要因かなと。」

東大阪へ向かっても、北新地へ戻っても

その後、東大阪市まで足を延ばしましたが、乗車したのは1人だけ。1月16日午前0時の時点で客は10組程度と普段の半分以下です。午前0時すぎ、終電を逃した長距離客を狙い、再び北新地へと向かいます。

(大崎嘉朗さん)
「この時間が一番書き入れ時ですね、タクシーは。着け待ち営業はあんまりしないんですけれど、北新地は別ですね。」
6b.jpg
ところが、タクシーは長蛇の列を作るものの、乗車を待つ人の姿はほとんどありません。その後、1時間ほど車を走らせましたが、客を乗せることはありませんでした。

売り上げは半分以下「じっと耐えながらお客さまを探す日々」

午前1時半、緊急事態宣言後初めての勤務が終了。客足と感染の不安が交錯する1日となりました。そして、この日の売り上げは?

(大崎嘉朗さん)
「きょうは2万2600円です。普段の金曜日からしたら半分以下ですね。街が静まり返っている。そうした感じの少なさなので。泣き言を言っていても売り上げが上がるわけではないので。今の時期はじっと耐えながらお客さまを探す日々が続くとは思いますね。」

(1月20日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

最近の記事

バックナンバー