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【特集】ヨーロッパの『自転車ブーム』特需に沸く"大阪の部品メーカー"「前年比4倍の注文」「処理しきれない状況でうれしい悲鳴」

2021年01月13日(水)放送

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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ヨーロッパなどでは空前の“自転車ブーム”が起きています。そのブームの恩恵にあずかっているのが実は大阪でした。一体、どういうことなのでしょうか。

環境意識とコロナで“パリの自転車利用者65%増”

withコロナ時代の移動手段として注目を集める自転車。中でも、国をあげて自転車の利用を促進しているのがフランスです。世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」の開催地でもあるパリでは、2020年5月から150kmにわたる自転車専用道路の建設が進められています。
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パリの目抜き通り「リヴォリ通り」でも、3車線のうち2車線が自転車専用道路になりました。環境意識の高まりから、フランス政府は2019年、国民が電動自転車を購入する際に日本円で最大約7万6000円を補助する制度を開始。新型コロウイルスが広がった2020年からは修理代の補助も始めました。

フランスでは、国内でロックダウンが行われたことから、フランス国民の感染症に対する危機感は強く、移動手段は地下鉄などの公共交通機関から自転車へとシフトが進んでいます。その結果、パリの自転車利用者は、2020年5月時点で前年比65%も増えたといいます。
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(パリ市民)
「車ではなく自転車のための街になった。自由な気分で人生が変わったわ。」
「以前は危なかったけれど、専用レーンができたから自転車がいいね。」

現地の人から熱い支持を受ける『日本製の部品』

そんなパリで40年続く自転車店「Bicloune」を2020年12月に訪れると、修理や新たな自転車を買い求める客で大忙しでした。
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(自転車店「Bicloune」 マルク・ドゥ・ストパニさん)
「2020年は売り上げも売り上げ台数も異例でした。3月末から1か月半、店を閉めたけれど、それでも年間の売り上げは35%アップしました。」

多い日では1日20台以上が売れるといいます。活況を呈するパリの自転車店で今、人気の商品を尋ねると意外な言葉が返ってきました。

(自転車店「Bicloune」 マルク・ドゥ・ストパニさん)
「この電動自転車は“シマノ”のモーターが装備されています。変速機も“シマノ”です。そして油圧ブレーキも“シマノ”です。売り切れで入荷待ちの商品もたくさんありますよ。」

パリジャン・パリジェンヌから熱烈な支持を受けるのはシマノをはじめとした日本製の部品を使った自転車だったのです。
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経済産業省の統計では、2020年の日本の自転車輸出額はヨーロッパでのロックダウンが解除された5月以降は前年の2割増のペースが続いています。
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企業情報を分析する帝国データバンクによりますと、この恩恵を特に大きく受けているのが、ずばり大阪だといいます。

(帝国データバンク大阪支社 昌木裕司情報部長)
「非常にプラス効果が出ていると思います。特に大阪は、自転車の部品と完成車の製造メーカーがシマノを頂点として多数存在しています。わが社の調査では、売り上げ上位20社のうちの約半数が大阪の企業になっていますので、海外の需要の増加を取り込んで、これから売り上げ上昇が期待できると思います。」

反射板やライトを製造する会社「前年比で4倍の注文」

大阪市東住吉区に本社を置く「キャットアイ」。ここでは、リフレクターと呼ばれる反射板やライトを製造していて、ヨーロッパでのシェアは20%だといいます。

(キャットアイ 宮本義治さん)
「品質が安定していることもさることながら、きちんと車から光が当たって正しく光を返している。きちんと消費者の安全を確保するというところで支持を頂いている商品です。」

そんなキャットアイでは、ヨーロッパでの自転車ブームを受けて、生産が追いつかないほどの注文を受けたといいます。

(キャットアイ 宮本義治さん)
「ロックダウンがヨーロッパで終わって動き始めましたよという頃から、受注がどんどんどんどん入り始めて。前年比で4倍の注文が入っているような状況。処理しきれないというか、つくれないというのが現状ですね。非常に心苦しい、うれしい悲鳴のような感じですね。」

古い自転車修理用に人気『カラフルなブレーキワイヤーケーブル』

大阪府岸和田市にある「日泉ケーブル」では、国内とヨーロッパ向けにブレーキ用のケーブルを製造しています。

(日泉ケーブル 佐土谷昌良代表)
「こちらで作られているのが自転車用のブレーキワイヤーケーブルです。たくさんきれいな色があるのと、独特のしなやかさ柔らかさ。ステンレス製なので、さびにも強くなっています。」

日泉ケーブルのブレーキワイヤーケーブルは、様々な色や質感を再現できることから、修理費の補助制度ができたフランスなどで、古い自転車の修理用パーツとして人気が高まっているといい、注文が殺到しています。

(日泉ケーブル 佐土谷昌良代表)
「イタリアの街乗り自転車で、70年代~80年代くらいの自転車です。塗装とかし直して、当時使われていたケーブルと同じ外観のものを自分たちが作っています。」

元々は国内メーカーの下請けとして自転車部品を製造していて、注文は減る一方でしたが、去年は海外での注文が前年比で1.5倍になったといいます。
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(日泉ケーブル 佐土谷昌良代表)
「とても助かりますね。こういったご時世ですので、仕事があるだけでもすごくありがたいことです。ヨーロッパは自転車の歴史が古いので、その中で自転車の楽しみ方もいろいろあるようで。古いものにこだわる方もいれば、最新の電動バイクなどにこだわる方もいて。裾野が広いのでこれから海外はもっともっと増えていくと思います。」
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ヨーロッパから大阪に波及した思わぬ特需。自転車ブームは続いてほしいものの、コロナについては終息を祈るばかりです。

(1月13日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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