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【特集】『事業者型ゴミ屋敷』家電やプラスチック片などが山積み...業者社長に直撃取材「ゴミではない」と主張

2021年01月11日(月)放送

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京都府内の住宅などが立ち並ぶ町の一角で、ゴミ屋敷のような光景が広がっています。取材班が現場を訪れると、建物に誰かが住んでいるような様子はなく、所有者を直撃すると「ゴミではない」と主張。一体どういうことなのでしょうか。

骨組みがむき出しなった建物 天井まで積み上げられた“ゴミ”

京都府久御山町の住宅や工場が立ち並ぶ地域の一角で、異様な光景が広がっていました。骨組みがむき出しなった建物の中に、うずたかく“ゴミ”が積み上げられているのです。取材班が中を覗いてみました。
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(記者リポート)
「建物の中のようですが、天井までゴミが積み上がっています。プラスチックの破片でしょうか、ガラスもありますね、地面に散らばっています。さらに空気清浄機でしょうか、家電も置かれています。」
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大きな袋に詰められた空き瓶や粉々になったプラスチック。その傍らには、子ども用のおもちゃまで積まれています。
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なぜこの建物に大量のゴミがあるのか…ゴミ山の上には『ゴミの事なら当店へ!!』と書かれた看板が見えます。

夏には虫が湧く 隣の建物に倒れ掛かる被害も

これは一体どういうことなのか。近くに住む奥村良一さん(77)に話を聞きました。

(奥村良一さん)
「工場というか、産業廃棄物か産廃屋かなんか似たようなものだった。」
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ここは、廃棄物処理業者が回収してきたプラスチックや瓶などを加工する工場だったということです。10年ほど前から大量の廃棄物が置かれていて、雨風にさらされるだけではなく、夏になると虫が湧くなど、周辺住民らへ影響が出ているといいます。

(奥村良一さん)
「火がついた時、かなわんね。火事になった時やね。こんなもん(火が)消えへんで。」
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もし火事が起きたらと不安を抱えている奥村さん。さらに、廃棄物が置かれた建物に隣接する奥村さんの倉庫には、この建物の骨組みが倒れかかり、雨どいが真っ二つに割れてしまっています。
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そして奥村さんの倉庫の2階では、横たわってきた屋根が引っかかり、窓が開かなくなってしまっているのです。
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(奥村良一さん)
「離れていたのに、こっちに傾いてきている。屋根全体がもたれているという感じやね。トタン屋根の棒が当たっている。」

公道にもゴミが散乱し一度は撤去されたが…

被害を訴えているのは奥村さんだけではありません。5年前に撮影された現場の写真を見ると、敷地内に積まれたゴミが、前の公道にまで広がっています。

(近所の住民)
「当時はすごかったですね。普通に公道にゴミが散乱していて全然通れなかったからね。本当にふざけんなって感じで。」
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住民らは3年前に京都府に被害を訴え、府は業者に対して公道にはみ出したゴミなどを撤去するよう改善命令を出し、一度は撤去されました。しかし、その3か月後には再び廃棄物の搬入が始まったといいます。道路には今もガラスの破片が散らばり、久御山町によると、敷地から最大で50cmほど廃棄物がはみ出した状態になっています。

「売れるものを捨てる必要ない」

一体なぜ放置されているのか。取材班は業者の社長に直接話を聞くことにしました。

(記者)「大量のゴミが置かれていると思うが?」
(業者)「あれはね、片づけの段通りを今しています。ゴミを入れてるわけじゃないんですよ。お金を出して買って、あの場所で粉砕とか加工して出そうと思ったんですが、去年かおととしくらいに中国への輸出が全部禁止になって、売り先を探していたんですけどどうしようもなくなって。」
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業者によると、購入した廃プラスチックを加工して中国に輸出しようと思ったが、2年ほど前から中国が輸入制限をした影響で事業がストップしてしまったというのです。2年以上も放置されていることについては、次のように話しました。
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(業者)「売れるものを捨てる必要ないですよね。僕がお金を出して買ったのに。だから置いてあるだけ。」
(記者)「隣の方の倉庫に倒れかかっていて、雨どいも折れているが?」
(業者)「そのへんもすべてやっているので。」
(記者)「言われたらやるんですか?」
(業者)「言われたらじゃないですよ。やっていますよ。」

業者側は『放置された廃棄物はゴミではなく、あくまで加工前の回収品だ』と主張。
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しかし、京都府の保健所は去年12月24日、廃棄物をすべて撤去するよう行政処分を出しました。

(京都府山城北保健所環境課 杉原道生技術次長)
「行政指導だけでは限界があるのかなということで、行政処分を行いました。堆積物は雨風に打たれて、製品として売れる性状ではないという判断から、すべて廃棄物だと。廃棄物を長期にわたって放置している状況というです。そのこと自体が不法投棄に該当するのではないかということで厳しく対応すべきだと。」

業者は府に対しても「中国に輸出できなくなった」と話しているといいます。

廃棄物処理の現状は?中国との取引をやめた別の業者は…

では今、廃棄物処理業者はどうなっているのか。別の廃棄物処理業者を取材しました。京都市南区にある会社「エム・アール・シー」では、コンビニエンスストアなどからペットボトル・空き缶・瓶などを回収し、圧縮するなどの加工をしてから、リサイクル業者などに販売しています。
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(エム・アール・シー 山本真也代表)
「これ1個あたりが3500円。(1kgあたり)20円で売れるのであれば7000円というような価格の変動はありますが、そういうような感じです。」
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こちらの会社もかつてはペットボトルを粉砕して中国に輸出していたといいます。

(エム・アール・シー 山本真也代表)
「5年ぐらい前から中国もそろそろ受け入れができないんじゃないかという話が上がってはいましたので、我々としても違う出し先というのは常に探していました。なので、中国が止まっても今のところは出荷自体はできているような状況になっています。」
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今は中国との取引をやめ、国内のリサイクル業者に加工品を売却していますが、新たな取引先を積極的に見つけていかないと事業が立ち行かなくなると話します。

(エム・アール・シー 山本真也代表)
「(環境意識の変化で)売却物として作っているものもゴミに変わってしまうという時代になっていますので、売却先ともしっかり連携して、どういったものであれば買い取りを継続していけるのかを確認しないと、我々も同じ未来をたどらないという保証もないのかなとは思っています。」

問題の業者「ある程度片づける」

久御山町で2年以上も廃棄物が放置されている実態。業者は取材班に対して“1月中には廃棄物を撤去する”と話しています。

(業者)
「ある程度片づけるので、その後に見ていただいて、来ていただいたら、ちゃんとやっているなとわかると思うので、その後でまたお話しさせてもらいます。」

リサイクルするために集められた廃棄物。しかし、今となってはゴミ屋敷と化しています。建物をめぐっては『建築基準法に違反する可能性がある』とも専門家は指摘しています。

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