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【特集】"闇バイト"経験者が証言『組織から逃げられない』強盗指南する人物"赤坂"から送られてきた文章と写真

2021年01月07日(木)放送

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去年、全国で相次いだ点検業者を装った強盗事件。取材班は事件に関わる“赤坂”と名乗る人物の取材を続けてきた。“闇バイト”として募集される強盗の実行役。一度、犯罪に加担すると組織からは逃げられない実態が見えてきた。

強盗を指南する“赤坂”

取材班は去年9月、闇バイトとして強盗を指南する“赤坂”と名乗る男と接触していた。

【去年9月8日 “赤坂”と記者のやり取り】
(赤坂)「お兄さんどこにお住まいです?」
(記者)「大阪です。」
(赤坂)「大阪ですか、大阪やったら…10日って空いてます?」

電話の2日後に強盗を計画していると話した赤坂。

(記者)「強盗って犯罪じゃないですか。」
(赤坂)「本人の許可を得て家の中に入るので、強盗ではないですよね。」

記者が身分を明かし「警察に通報する」と伝えると、突然電話は切られた。

そして2日後、大阪府藤井寺市で強盗事件は起きた。事件を巡ってはその後、実行犯役の男2人と金の運搬役の男らが逮捕され、警察に対して「赤坂の指示で強盗をした」などと供述しているという。

赤坂が指南したとみられる強盗事件は、東京都や神奈川県など全国で10件以上相次いでいる。

被害者の男性「死ぬんじゃないかと思った」

去年9月、東京・足立区の集合住宅では、70代の男性がガスの点検を装った男2人に現金約30万円を奪われたという。

(被害者の男性)
「布団の上で倒されて、ガムテープでぐるぐる巻きにされて、足腰も巻かれて…。苦しくて窒息するんじゃないかと思った。マスクだけ外してくれと言ったけど、対応してくれなかったね。死ぬんじゃないかと思った。」

実行犯の1人は20代くらいの若者で、犯行時間は30分ほどだったという。

(被害者の男性)
「若い子が下から指示を仰いでいたから単独じゃないんだよね。グループで動いているんだよね。」

赤坂が指南したとみられる強盗事件では実行犯の多くが逮捕されている。大阪府藤井寺市の事件で逮捕された樽本裕介被告はこんな供述もしているという。

(藤井寺の事件で逮捕された樽本被告)
「やめようとしたが、“やめれば妻子に危害を加える”、と赤坂に脅されていた。」

「闇バイトは犯罪です」注意呼びかける経験者Aさん

一度、闇バイトに加担すると抜け出せなくなる実態。取材班がSNSで闇バイトについて調べていると、こんな投稿を見つけた。

『私は闇バイトに応募して受け出しをしてしまい逮捕されました。闇バイトは犯罪です。』

ツイッターで投稿していたのは闇バイトの経験者だ。「闇バイトをしたい」などと投稿しているアカウントに『必ず逮捕される』などとメッセージを送っていた。

犯行の前日に特殊詐欺に気づく やめられなかったワケ

ツイッターの投稿者は大分県内に住む26歳のAさん。闇バイトに応募した後に“逃げられなくなった”と話す。

(闇バイト経験者のAさん)
「やっぱり自分の手で犯罪をしてしまったという実感がすごくありましたね。今思えば本当に後悔している。」

Aさんは去年3月、闇バイトで高齢者からキャッシュカードをだまし取ったとして警察に逮捕され、その後、有罪判決を受けている。

一体なぜ、闇バイトをしてしまったのか?

(Aさん)
「闇バイトとか裏仕事とは書いていなかったです。最初は『高収入』で検索しました。そこから『ダブルワーク』で検索したらそれが引っかかった。」

不動産会社で営業をしていたAさんは新型コロナウイルスの影響で収入が激減した。SNSで仕事を探していたところ「高収入」「荷物の運搬」などと書かれた投稿を見つけて応募したのだという。

(Q応募したときは犯罪とはわかっていなかったんですか?)
(Aさん)「わかっていない状態です。特殊詐欺とわかったのが犯行の前日になります。シナリオみたいなのが送られてくるんですよ。それを見て、“あ、これ特殊詐欺や”と思いました。もうやめようとしたんですけれど、(顔や住所や口座番号など)個人情報を全部知られているから、『お前逃げられんぞ』という感じで言われて。」

Aさんは、闇バイトとは知らずに応募した際に、SNSでのやり取りの中で顔写真や住所などの個人情報を相手に渡していて、逃げられなくなったという。

(Aさん)
「『ここまで俺らも手伝ってるんやから、ほんとに命あると思うなよ』と言われた。」

いつの間にか犯罪グループの一員になってしまう闇バイト。藤井寺事件の樽本被告も、横浜で起きた別の強盗事件で再逮捕されるなど、犯行を重ねていたことも新たにわかっている。

“裏切らないように”個人情報の他に家族の情報も要求

樽本被告らが逮捕された後の去年9月末。取材班は再び、SNS上で赤坂を見つけた。どのような手口で闇バイトに加担されるのか?

赤坂と記者がやり取りした際に送られてきたテンプレート。そこには名前・住所・銀行口座などの個人情報のほかに、家族に関する項目まであった。

【去年9月24日 “赤坂”と記者のやり取り】
(赤坂)「今テンプレート送ったんでご記入いただくようお願いします。」
(記者)「親の名前を聞くのはなぜですか?」
(赤坂)「お金を持って逃げた場合とか、親の方に連絡を入れないといけないので。」

強盗事件を起こした後、裏切らないように親の連絡先まで聞くというのだ。さらに…。

(赤坂)「逃げたら100%捕まりますね。警察に捕まらなかったらうちに捕まるし、うちに捕まらなかったら警察に捕まるし。3000万円持って逃げたやつ、最近いたんですけど、見ます?」

赤坂から送られてきたのは、人が粘着テープで縛られた画像だった。“裏切るとこうなる”ということなのだろうか。改めて記者だと伝え、大阪の事件について聞くと…。

(赤坂)「ニュースに載っているのはうちのマネ。二番煎じだと思うんですよ。うち捕まっていないので。」
(記者)「今すぐにでもやめて欲しいなという思いで電話させていただいているんですけども。」
(赤坂)「(電話が切れる)」
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捜査関係者によると、この日以降、赤坂の指示とみられる強盗事件は起きていない。赤坂のアカウントはすでに削除されているが、強盗事件を起こした後に裏切ったとみられる人物の顔写真などが公開されていた。警察は、個人情報を安易に渡さないよう、注意を呼びかけている。

(1月7日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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